聖書箇所 使徒の働き27章27~44節 説教題 『髪一本さえも守る神』 ■序論 ローマへの航海は暴風により予期せぬ事態を迎えたが、パウロは人々を神のことばによって励ました。神様は信じて従う者の髪一本さえも守るお方である。 1.逃げ出そうとする水夫たち(27~32節) 強い東風に吹かれて船はアドリヤ海を漂流した。真夜中に水夫たちは陸に近づいていることに気付いた。錨をおろして夜明けに上陸しようとするが、水夫たちは小舟をおろして逃げ出そうとした。彼らは船も乗客も見捨てて自分達だけ助かろうとした。本来、水夫は船長とともに目的地まで船と乗客の安全を第一に考え行動する責任がある。パウロは水夫たちがいないと皆が助からないと判断し、兵士たちにその逃亡を阻止させた。平穏な状況では人の本性は隠されている。思わぬ事態が起きても、真実な信仰が証されるように祈り備えよう。 2.276人に食事を与えるパウロ(33~38節) パウロは漂流する船の中で彼が船長のように振る舞い人々を励ました。14日もの間人々は食事を取ることのできない状況だった。パウロは今のうちに人々に食事を取ることを勧めた。そして、全員の命が守られ、髪一本も失うことはないことを伝えた(ルカ21:18)。パウロはパンを取り、神様に感謝をささげてから、それを裂いて人々に分け与えた。この様子は教会の交わりを現わしている。また、食事の際に乗船人数も確認された。人々は食事で元気になり、次の行動に備えた。神様の約束を信じる人は、その実現を待ち望み、今の生活を整えよう。
3. 囚人を殺そうとする兵士たち(39~44節) 夜明けに船は上陸に向けて近づいて行った。しかし、潮流の流れ合う浅瀬に乗り上げて、船は座礁してしまった。船を捨てて逃げざるを得ない状況で、兵士たちは、囚人が逃亡するのを防ぐために殺そうとした。彼らは囚人が逃げて自分達が処罰を受けることを恐れた。百人隊長にはパウロを助けようとして、その計画をとどませた。全員が海に飛び込み、自力で陸地までたどり着くように命じ、彼らは無事に着いた。混乱した状況で利己的になる人間の姿が描かれている。私達は神を恐れる者にふさわしく、神と隣人を愛し、御言葉に従おう。 ■結論 神の国の完成を待ち望む者の生活は御言葉と祈り、愛と執り成しである。髪一本さえも守られる神様の約束を信じ、今私のなすべきことに最善を尽くそう。 |