本日の講壇

聖書箇所 ヨハネの福音書13章1~20節

説教題 『キリストが残した完全』

■序論

ヨハネの福音書は全体の分量の半分近くにイエス様の十字架と復活の出来事を記している。1317章は最後の晩餐におけるイエス様の告別説教である。

 

1.完全な愛(1節)

過ぎ越しの祭りはイスラエルの民が昔エジプトで雄羊の血によって災いを免れた記念である。全人類の罪のために贖いの子羊となってイエス様は十字架で死のうとしていた。イエス様は余すところなく愛を示した。愛は最後まで全うしてこそ本物である。弟子達の期待はメシヤがローマ帝国を倒し、新イスラエル国家の王となり、彼らが大臣に就任することである。彼らは数時間後にはイエス様を見捨てて逃げたが、イエス様は彼らを最後まで愛し抜かれた。愛が冷たくなる時代(マタイ2412、完全な愛を貫いて下さるイエス様に感謝しよう。

 

2.完全なゆるし(2~12節)

祭司長らにイエス様を売り渡す約束をしたユダの心はサタンに支配されていた。イエス様は夕食の際に手ぬぐいとたらいを準備して、12弟子の足を順番に洗われた。本来奴隷のすることを師であるイエス様がなされた。ペテロはイエス様による洗足を拒もうとしたが、イエス様との関係がなくなると聞くと一転して手も頭も洗ってもらうよう頼んだ。イエス様は洗足を通して十字架の血潮が全人類の全ての罪と汚れをゆるし、洗いきよめることを示した。きよいとは主のものとされることである。完全なゆるしときよめを信じて受け取ろう。

 

3. 完全な模範(13~20節)

イエス様は人間にも分かることばと行動を通して神の愛と天の御国を示された。特に十字架を通して、犠牲の伴う行動こそ完全な愛の模範である。また、洗足を通して、天の御国とは互いに愛し合い、仕え合うすばらしい所であることを示された。イエス様の御生涯を通して、キリスト者が目指す完全な模範を残しておられる(マルコ1045。これらを知っているだけではなく、実行してこそキリスト者は祝福される。イエス様を心から信じ、受け入れることによって、我が内に神の愛と御国の喜びが満たされる。イエス様を通して神の国を知ろう。

 

■結論

イエス様は私達を最後まで愛し抜いて下さるお方である。イエス様のことばを信じる者はすでにきよくされた(153)。疑いを捨て、完全な愛に応えよう。

聖書    ヨハネの福音書13章1~20節

13:1 さて、過越の祭りの前に、この世を去って父のみもとに行くべき自分の時が来たことを知られたので、世にいる自分のものを愛されたイエスは、その愛を残るところなく示された。
13:2
夕食の間のことであった。悪魔はすでにシモンの子イスカリオテ・ユダの心に、イエスを売ろうとする思いを入れていたが、
13:3
イエスは、父が万物を自分の手に渡されたことと、ご自分が父から来て父に行くことを知られ、 13:4 夕食の席から立ち上がって、上着を脱ぎ、手ぬぐいを取って腰にまとわれた。
13:5
それから、たらいに水を入れ、弟子たちの足を洗って、腰にまとっておられる手ぬぐいで、ふき始められた。 13:6 こうして、イエスはシモン・ペテロのところに来られた。ペテロはイエスに言った。「主よ。あなたが、私の足を洗ってくださるのですか。」
13:7
イエスは答えて言われた。「わたしがしていることは、今はあなたにはわからないが、あとでわかるようになります。」
13:8
ペテロはイエスに言った。「決して私の足をお洗いにならないでください。」
イエスは答えられた。「もしわたしが洗わなければ、あなたはわたしと何の関係もありません。」 13:9 シモン・ペテロは言った。「主よ。わたしの足だけでなく、手も頭も洗ってください。」
13:10
イエスは彼に言われた。「水浴した者は、足以外は洗う必要がありません。全身きよいのです。あなたがたはきよいのですが、みながそうではありません。」
13:11
イエスはご自分を裏切る者を知っておられた。それで、「みながきよいのではない。」と言われたのである。
13:12
イエスは、彼らの足を洗い終わり、上着を着けて、再び席に着いて、彼らに言われた。
「わたしがあなたがたに何をしたか、わかりますか。 13:13 あなたがたはわたしを先生とも主とも呼んでいます。あなたがたがそう言うのはよい。わたしはそのような者だからです。 13:14 それで、主であり師であるこのわたしが、あなたがたの足を洗ったのですから、あなたがたもまた互いに足を洗い合うべきです。 13:15 わたしがあなたがたにしたとおりに、あなたがたもするように、わたしはあなたがたに模範を示したのです。 13:16 まことに、まことに、あなたがたに告げます。しもべはその主人にまさらず、遣わされた者は遣わした者にまさるものではありません。

 13:17 あなたがたがこれらのことを知っているのなら、それを行なうときに、あなたがたは祝福されるのです。 13:18 わたしは、あなたがた全部の者について言っているのではありません。わたしは、わたしが選んだ者を知っています。しかし聖書に『わたしのパンを食べている者が、わたしに向かってかかとを上げた。』と書いてあることは成就するのです。 13:19 わたしは、そのことが起こる前に、今あなたがたに話しておきます。そのことが起こったときに、わたしがその人であることをあなたがたが信じるためです。  
13:20
まことに、まことに、あなたがたに告げます。わたしの遣わす者を受け入れる者は、わたしを受け入れるのです。わたしを受け入れる者は、わたしを遣わした方を受け入れるのです。」