『ソロモンの夢』
(第1列王記3章5節)

 その夜、ギブオンで主は夢のうちにソロモンに現われた。神は仰せられた。「あなたに何を与えようか。願え。」(第1列王記3:5)

●ソロモンの夢

 正月というと、初夢が一つの話題になります。日本人の好ましい初夢は「一富士、二鷹、三なすび」が縁起がいいので、よい夢とされています。クリスチャンは縁起を担ぐことがありませんが、新年の初めにふさわしい夢が見られたら、それも励ましとなるでしょう。

 第一列王記3章には、偉大な王ダビデの後を継いだソロモンがギブオンで礼拝を捧げた後で、ソロモンが夢の中で神様にお会いし、神様が「あなたに何を与えようか。願え。」と言われたという出来事が記されています。

 願い事をかなえてあげよう、という話は、たとえば、アラジンの魔法のランプなどのように、よくある話です。しかし、聖書の神様は、特別の時だけでなく、いつでも私たちに「求めなさい。そうすれば与えられます。」と、また、「あなたがたが父に求めることは何でも、父は、わたしの名によってそれをあなたがたにお与えになります。あなたがたは、今まで、何もわたしの名によって求めたことはありません。求めなさい。そうすれば受けるのです。それはあなたがたの喜びが満ち満ちたものとなるためです。」(ヨハネ16:23b〜24)と言っていて下さいます。天地の主なる神から、このように言っていただけるのは、何と幸いなことでしょう。

 しかし、私ちたは何を求めますか?ソロモンは、「善悪を判断してあなたの民をさばくために(治めるために)聞き分ける心をしもべに与えて下さい。」(第1列王記3:9)と願いました。それに対する神のお答は、「あなたがこのことを求め、自分のために長寿を求めず、自分のために富を求めず、あなたの敵のいのちをも求めず、むしろ自分のために正しい訴えを聞き分ける判断力を求めたので、今わたしはあなたの言ったとおりにする。見よ。わたしはあなたに知恵の心と判断する心とを与える。・・・そのうえ、あなたの願わなかったもの、富と誉れとをなたに与える。・・・」(11〜13)と言われ、それは文字通り、実現しました。

 主イエスは言われました。「だから、神の国とその義とをまず第一に求めなさい。そうすれば、それに加えて、これらのものはすべて与えられます。」(マタイ6:33)と。

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