「さえずり」

 夏のある日、県立公園のオープンカフェで読書しながら感じた。ここの小鳥たちは、ずいぶんと楽しそうだ・・。さえずり方が街中の鳥たちとはまるでちがう、明るい声で歌って、木々の間をはずむように飛び交わす。

 カナダで暮らしていた頃、暇があれば、英語のリスニングを磨くようにしていた。

少しでも耳を養おうと、テレビはもちろん、人々の会話にも、じっと耳を澄ませたりするのを習慣としていた。

ふと、気がついたら、小鳥たちの声まで聴き取ろうとしていた自分がいた。それはいくら頑張っても・・と自分を笑いとばした。

 カナダでは川の流れる国立公園や山道をよく散歩した。澄み渡る青空とまっ白な雪山のコントラスト、今でも豊かな自然が思い出される。(熊もよく見かけた)

心からの笑顔や小鳥たちのさえずりが溢れるところに身をおくと、大切なものがみえてくる気がした。