わたしの目には、あなたは高価で尊い。

わたしはあなたを愛している。

(イザヤ書43章4節より)

みんなは、ゴスペルという言葉、音楽を聞いた事がありますか?「天使にラブソングを」という映画を見たことがある人は、ゴスペルがどんなものか想像できるでしょう。

ゴスペル(Gospel)の意味は、God Spell (神様のことば)⇒ Good News(良い知らせ)です。

最近のGood Newsといえば、WBC日本2連覇ですね。

なぜ、Good News・良いニュースなのでしょう。


今日はこのゴスペルの始まりについて少しお話ししたいと思います。


今から4500年前から200年ぐらい前まで、アフリカの人たちは、イギリスやアメリカの人々に捕えられて、奴隷として売られていました。

奴隷とは、何でしょう? 

それは、自分が自分以外の誰かに支配されること。誰かのために、物みたいに使われることです。

毎日毎日働かされて、辛い生活をしている奴隷たち、しかしそれに見合ったお金も着る物も食べるものも与えられず、病気になったり体が弱れば、もうそこで「さよなら」と言って捨てられてしまう。そんな人間としてのかけらもない扱いをアフリカの人たちは受けてきました。

そんな彼らにとって生きる支えとなっていたのは、日曜日に主人達が行く教会から聞こえてくる讃美歌や聖書のメッセージでした。

奴隷達は教会の中に入れませんでしたし、白人は自分達の都合のいいようにしか聖書を教えませんでした。しかし彼らは少しずつ、神様の救いについて聖書に書かれていることを知り、信じるようになりました。

人として大切にされたり、愛されたりすることのない、物のようにしか扱われない彼らにとって、いのちを捨てるほどに自分を愛してくださるお方がいるということは、どんなに大きな慰めになったことでしょう。そんな彼らの慰めとなり、励ましとなった思いを彼らは音楽にして、歌っていったわけです。


そんな奴隷の人々が歌い始めたゴスペルを「黒人霊歌」といいます。今、私達が歌っているゴスペルの元になった音楽です。

ゴスペルは、魂の歌と呼ばれています。奴隷の人々が、心の叫び、魂の叫びとして歌った歌だからです。


聖書に、「わたしの目に、あなたは高価で尊い。わたしはあなたを愛している」ということばがあります。

このことばはまさに、当時の奴隷の人たちにとって、「白人も黒人もない。あなたたち一人一人は本当に大切な存在だよ」という、まさにGood Newsだったわけです。

神様は、大切なご自分のひとり子であるイエス様のいのちと引き替えにするほどに、彼らのことを高価でたっとく、愛している、と言ってくださっている、そのメッセージが彼らに伝わり、現在のゴスペルという歌が生まれたわけですね。

このゴスペルは、今や黒人の人たちだけではなく、白人の人も、そして日本人も多くの人が歌っているといわれている。この事を神様は喜んで見ているんじゃないかと思う。

それはこのGood Newsが、この奴隷の人々や、当時の時代だけにとどまらず、ここにいる僕たちにもみんなにも、みんなの家族にも、友達にも、そして世界中のすべての人々ひとりひとりに届いて欲しい、と神様は願っておられるから。

日本人、アメリカ人イギリス人アフリカ人とかそんなのは関係なく、神様の眼差しは世界中の人々に温かい愛情を持って向けられている、ということをぜひ一緒にここで覚えたいと思います。