8月、夏休み、色々なところに出かけていって楽しい時、また、比較的、自由に時間を使える時だったんじゃないかと思います。
中学生、高校生、というのは、いろんなことにチャレンジして、自分らしさを探していくときじゃないかと思うんです。
オリンピックの選手がよい手本ですね。自分は、この種目のこの距離が向いてるな、と、少しずつ自分を知りながら、自分を高めていく。
水泳の北島選手が、もしも平泳ぎでなく、陸上100mを選んで競技生活を送ってきたならば、2大会連続の金メダルは獲れていなかったでしょう・・
スポーツに限らず、これこそ自分の道、自分が輝ける生き方だ、というものを見つけられる、そんな人生を歩む私たち一人ひとりでありたいと願うわけです。
今日、一緒に分かち合いたい御言葉は、タラントの譬えのところです。
なにが譬えられているのでしょうか、14節「天の御国」(神様のご支配)です。
主人というのは、神様のことです。
財産を預けられる3人の僕たちとは、私たちのことですね。
15節.この財産は、それぞれの能力に応じて、与えられた、とありますから、能力そのもの、ではないことがわかります。
ではこの能力ごとに分配された財産とは、何なのでしょうか?ここで使われているタラントンというお金の単位は、当時6千日分の日当、ですから、とてつもなく高価な財産が分け与えられたことになります。
一人には5タラントン、一人には2タラントン、もう一人には1タラントン、とこれを管理するように命じられ、これを生かした者たちが「よくやった。忠実なよい僕よ」と誉められる。
逆に、自分に託された物を、土の中に埋めてしまった。使わずに取っておいた者は、「悪い、不忠実(ためらいがち)な僕だ」と叱られ、持っていたものまでとりあげられる。
主人である神様は、私たち一人ひとりに、財産タラントンを預けておられます。そして、それと十分向き合った一人ひとりに対しては、よくやった忠実な僕よ、と言ってさらに大きな祝福をくださる。
この神様から預けられているタラントン、皆それぞれ違います。
ある人には、健康、丈夫な身体。ある人には、愛情いっぱいの家庭や仲間たち。
ある人は、素敵な声で歌を歌えるかもしれません。ある人は素敵な笑顔で周りを明るくします。お花の世話をすることが得意な人もいるかもしれません。てきぱきと行動するのが得意な人もいるでしょうし、じっくり丁寧に目の前のことに向き合う人もいますね。
いろんな人との出会いの中で、与えられている賜物をよりよく知って、自分らしい輝きを求めていくことが大切なのだと思います。
けれども、この聖書の話は、ただ単に、個性を育みましょう、というところに終わらない。もっと大事なことが含まれているわけです。
星野富弘さんという方をご存知だと思います。
あの人は、もともと体育の教師として、教えていらっしゃった方ですね。つまり、スポーツが好きで、身体を鍛え、この道で生きようと体育の先生としてがんばっておられた。ところが、鉄棒から落ちて、首から下がぜんぜん動かなくなってしまった。
死んだほうがまし、と何度も自殺を考えたそうですね。そんなとき、聖書に出会い、イエスさまを信じて救われた。そして、この動けない身体もまた、神様からのプレゼント、賜物なんだと思えるように変えられたわけですね。
大事なのは神様との関係です。与えられているタラントンに不平を言ったり、自分には負いきれないと思って、神様から託されたものに向き合わないならば、その人は持ってるものまでも失うと教えられています。
神様は、蒔かないところから刈り取る恐ろしい方では、けっしてなく、能力に応じて、一人ひとりに、タラントンを託されています。課題に向き合う力はすでに与えられているのです。ためらい踏みとどまって、タラントンを埋もれさせるならば、それは他の誰でもなくその人の責任なのです。
神様から与えられてるタラントンは、足が速い、暗記が得意、そういうわかりやすい賜物だけではないですね。僕は中学のとき、数学が苦手で苦労したぶん、人に丁寧に教えることができるようです。不器用だからこそ、そういう人の気持ちをよくわかったりするわけですね
たくさん、入院もしました。その分、弱い人たちの気持ちが分かるようにされています。
マイナスにしか思えないようなことが、あなたの賜物だったりするのです。
今日は、タラントンの所から、神様からいただいている色んな賜物についてお話してきました。自分も賜物なんて頂いてるのかなって思う人もいるかもしれません。でも、若く健康であることや、日本人であることは、大きな賜物です。いろいろな教育の機会に恵まれています。高校を出た後、どんなことを学習し、どんな道に進むのか、自分らしい生き方を祈り求めていってほしいと思います。
祈り
恵み深い神様、今日の日も、あなたによって生かされ、御心にかなって、一人ひとりがタラントンを授けられていることを覚えます。賜物のよき管理人として、今という時をふさわしく生きることができますように、お導きください。
あなたの御支えを失うとき、私たちは不安を抱き、不平と恐れを抱え込みます。
どうか、私たちをあなたの支配のもとに保ってください。困難が立ちはだかっても、いつもあなたに信頼する私たちとしてください。
救い主イエス・キリストのお名前によって祈ります。 アーメン