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指導者のことを思い出しなさい 工藤公敏(兄弟団目黒教会牧師) 私が本田弘慈先生にお会いしたのは、クリスチャンになって3年目の1959年夏のことであった。 名古屋のテレビ塔の近くの公会堂で本田クルセードが開催され、私はカウンセラーとして毎晩参加した。これはクルセードが創立した翌年のことで、本田先生を良く知らない名古屋地区の協力が良くなかったようであった。こんなことでは名古屋は神様から祝福を受けない、と先生は話された。毎晩のメッセージは、左右に動き廻ってのわかり易く力強いものであった。それから一ヶ月もたったのだろうか。突然伊勢湾台風によって5000名もの方が一夜のうちに死んだ。私はキリストの再臨が突然のようであることを思い出し、目を覚まして祈って行くように教えられた。 私は翌年3月に4年勤務していた新三菱重工を退職し献身し、茨城県 羽鳥にある聖書学院に入学を許された。コウリ一つと布団二組、少しの本と衣類を持って、頭は丸坊主にしての入学であった。 はじめて本田先生にお会いしてから10年もすぎた頃、北海道の網走で私は牧師をしていた。交通費、宿泊費、応援して下さる信徒連れで、本田クルセードを網走市民会館で開いて下さった。新しく建築された市民会館の大ホールを借りての伝道集会であり、沢山の祈りを積み、トラクトを配って案内をした。子ども集会には千名も集ったが、大人の集会は200名位であった。少ない人数にもかかわらず、魂を愛する愛に満たされて、誰にもわかる、ユーモアのある力強いメッセージに決心者が起こされた。 私がそのクルセードで驚いたことがあった。それは先生が会場で照明をされた人や幕の開閉をされた人にメッセージの後、お礼の拍手を送ったことである。後で耳にしたことであるが、夜まで残っておられる職員の方に弁当代を渡しておられた。これらのことは、私の伝道生涯において、今日も役立っている実物教育であった。陰で奉仕をして下さっている方に対して感謝のねぎらいの言葉をかけることを、私が30代の伝道者の時本田先生から教えられた。 その時、網走刑務所でもメッセージをしていただいた。私が教誨師をしていたので、600名を超える受刑者に本田先生から福音を伝えていただきたかった。先生のメッセージは受刑者に好評で彼らは笑いながらメッセージを聞いた。時には涙を流しながら。 私が先生に奨められた本の一冊に「救霊の動力」パゼット・ウィルクス著 がある。この本を暗記するほど読むように言われた。私はこの本を良く読み、伝道メッセージ、個人伝道、学院の講義にテキストとして使った。又、先生の書かれた「聖化の恵み」は、私のきよめについての学びに大変役立った。特に何故きよめが必要か、の所で、神との交わり、人との交わり、神に用いられるために、再臨の主の前に立つために、の4つは教えるのにわかり易かった。 先生が集会で人を招くと、沢山の人々が前に進み出る。私が招いてもそうはいかない。ある時先生に網引き(招き)について質問したところ、「メッセージをしつつ最初から網の中に様々な年齢層の、職業層の問題のある魚を追い込んでいくのだ」と教えられた。なるほど招きの時にあわてて決心者を募るのではなく、夫婦げんかをしている魚、怪我をしている魚、許せない魚を網に追い込むことだ、と教えられた。 最後に、妻を大切にし、たまには旅行につれていくように、とのことであった。これが先生の最後の遺言になった。
2002 EFJリトリートのお知らせ テーマ; 「現代における大衆伝道の課題と可能性?主のしもべ 本田弘慈に学ぶ」 日 時;2002年8月26日(月)午後4時−28日(水)正午12時 会 場;山陽ホテル 群馬県北群馬郡伊香保町557−13 Tel 0279-72-2733 Fax 0279-72-2579 講 師;有賀喜一 (全日本リバイバルミッション伝道者) 三森春生 (イムマヌエル王子教会牧師 CIS理事長) 費 用 20.000円(3.000円登録費含む)Fax(03−3291−5266)でお申し込みを
春の一日セミナーの報告 姫井雅夫 (総動員伝道委員長)
今回のセミナーは4月19日、茨城県土浦にある同名基督教団土浦めぐみ教会で開催しました。講師に当教会の牧師清野勝男子先生を御願いしました。清野師は「地方教会に仕えて??私の教会形成理念」と題してお話しいただきました。川の土手下に広がる畑 の中の広い敷地に教会堂と幼稚園、駐車場があります。教会堂もふたつあって、普段礼拝に用いる会堂と小さな集会に活用する小チャペルがあり、今回は小チャペルでセミナーをいたしました。清楚な近代的な建物で、正面の講壇の後ろには納骨堂があります。少人数の結婚式や葬儀、記念会に用いられているのではないかと思います。 清野師はインドネシアでの宣教を終えて帰国し、この教会に派遣されてきました。そこで教会形成の理念をまず会員の皆さんに徹底するところから始められたようです。その理念と言うのは、?聖書信仰、?全人格的な成長、?全人類的な(国際的な)宣教の広がり、?全生涯的なプログラム、?全地域的なアプローチの五つの事。これを進めていく中で、信徒の自主的な取り組みを奨励し活用したそうです。信徒から「このようなことをしてはいかがでしょうか」と提案されると、「聖書が禁じていないならやりましょう」という姿勢でどんどん新しい事を教会の活動に取り入れていったのです。高齢者のための喜楽希楽会、若者のためのめぐみ音楽祭、地域の人々のためにケーブルテレビでの放映などなど。 さらに日本人の精神構造をよく捕えて、お寺の檀家制度のように、生涯の区切りとなるイベント、誕生、成長、結婚、葬儀など通過儀礼を教会の大切な営みとして組み込み、人々を教会に結びつけるようにしているとのこと。教会員だけでなく、家族の誰でもこの施設を利用できるようにしています。 講演のあと、施設の視察をしてまわり、教会形成の実情を見せていただきました。
伝道者へのステップ (2) 福沢満雄 (ジャパン・
カルバリー・クルセード伝道者) 伝道者の道には、色々な道があります。召された器の賜物によっても異なります。音楽の賜物のある人は、音楽を通して主イエスの証人としての道を歩かれることでしょう。ある人はスポーツを通して、ある人はキャンプ伝道を通して、ある人は子供伝道へとそれぞれの道を歩んでいきます。 私は、ここで伝道者へのステップについて書く時、次の事を前提にしています。それは、福音を語る者(説教者)としての伝道者を念頭においています。 音楽や、スポーツを通して伝道する人々にその賜物が必要であり、その賜物も、日々の学びと訓練と実績が求められるのと同様に、伝道者として召される時、これは大切な一つの条件だと思います。牧師が求められている説教の賜物と、伝道者が求められている説教の賜物は、多くの点で共通しています。しかし伝道者の場合には、特に牧師以上に違った面で求められる部分が多いことを学びました。このことはあとで詳しく書かせていただきます。 音楽やスポーツ等の賜物を通して伝道する場合は、その賜物が十分生かされるだけの学びと訓練を受けていれば、年齢は全く関係なく用いられます。むしろ若ければ若いほどよいかもしれません。しかし説教者の場合は、日本では少し事情が違うようです。欧米では若い器でも、神学校を出たばかりで牧会経験があまりなくても、大衆伝道者、巡回伝道者として用いられている器方が多くいます。説教者としての賜物が与えられており、それを聖霊の力をいただいて十分発揮できるなら用いられる道が開かれていきます。日本ではまだまだ異教国であり、社会そのものの体質も違います。伝道者といえども牧会的配慮が求められます。又、招かれた教会の問題課題について相談をされたり、牧師家庭についての相談を受けることもしばしばです。子育ての事、夫婦の事、経済の事、結婚の事など、ありとあらゆる問題が、目の前に行く先々で待ち受けているのです。 (次号につづく)
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