05年06月05日
「恐れないで,ただ信じなさい」ーヤイロの証言ー
ルカの福音書 8章40節〜42節,49節〜56節
娘の死の報告を聞いて尚イエスは「恐れないで,ただ信じ
なさい」と言う。それは 今や全てを失いつつある私には
あまりにも酷な宣告に思えた。イエスは「神の子」というのが
民衆の噂だ。しかしユダヤの宗教界では「危険分子」として
排斥運動が起こり始めていた。会堂管理者としての私は,
当然イエス排斥に回るべきだった。しかし失職覚悟で,
私はイエスに全てを賭けた。会堂管理者である前に,
父親であることを選んだのだ。死のムードに包まれた部屋,
外では野次馬たちが騒ぎはやしたてている。そのような
絶望的な雰囲気を切り裂いた叫び,あれはまさに神の声
だった。「子どもよ。起きなさい!」娘は直ちに目を開いた。
絶望と恐れは忽ち消え去った。イエスへの信頼が,絶望を
神に近づく恵みのときと変えたのだ。