聖書箇所 使徒の働き28章11~22節 説教題 『勇気づけられる交わり』 ■序論 パウロはようやくローマの地にたどり着いた。紆余曲折ありながらも、主の恵みと人々との出会いを経験するローマ航海記は私達の信仰生活の縮図のようである。 1、備えられている交わり(11~15節) パウロ達がマルタ島で過ごした期間は3カ月に及んだ。島には冬ごもりしているアレキサンドリヤ船も停泊していた。パウロ一行276人は、その船に便乗させてもらえることになる。その背後にもマルタ島の人達の尽力があったことだろう。マルタ島を出帆した船はシラクサ、レギオンを経てポテオリに入港した。そこで主にある兄弟たちと1週間過ごすことが許された。囚人パウロには異例の措置である。パウロはその交わりに勇気づけられた。いずこにおいても信仰者の交わりは神様が備えていて下さっている。イエス・キリストを中心とした豊かな交わりを大切にしよう。 2、イスラエルの望みのための交わり(16~20節) ローマに到着したパウロは番兵付の家に住むことが許された。ルカはローマでもパウロのもとで滞在していた(コロサイ4:14)。パウロはローマに着いて三日後にユダヤ人の主だった人達を呼び集め、彼がローマに来たいきさつを説明した。彼が鎖につながれているのは「イスラエルの望み」(イエス・キリスト)のためである。その使命は自分の十字架を負ってキリストに従う献身(Ⅱテモテ1:8)と、キリストを伝える福音宣教である。教会に与えられた交わりは福音を伝えるためである。キリストと福音のために共に苦しみを乗り越え、祈り、励まし、喜び合える交わりを築こう。 3、非難をも乗り越える交わり(21~22節) ローマにいるユダヤ人はパウロについて何の知らせも受けていなかった。彼らは「この宗派」について至ると所で非難があると聞いているが、噂や偏見によってではなく、パウロから直接話を聞くのが良いと考えた。本来、キリスト教はユダヤ教の異端や分派ではなく、ユダヤ教を完成させるものである。メシヤであるイエス・キリストがすでに十字架と復活によって救いの道を開き、今は再び来られる日を待ち望むのがキリスト教信仰だからである。福音に対して心を閉ざし、偏見を持ち、非難する人達は多いが、それらを乗り越え、人々の心を変える聖霊の力を信じよう。 ■結論 主は全ての出会い、交わりを備えて下さる。その目的はイエス・キリストを伝え、分かち合うためである。主に備えられて交わりを通して福音の喜びを分かち合おう。 |