聖書 使徒の働き281122
28:11 三か月後に、私たちは、この島で冬を過ごしていた、
船首にデオスクロイの飾りのある、アレキサンドリヤの船で出帆した。

28:12 シラクサに寄港して、三日間とどまり、

28:13 そこから回って、レギオンに着いた。
一日たつと、南風が吹き始めたので、二日目にはポテオリに入港した。

28:14 ここで、私たちは兄弟たちに会い、勧められるままに彼らのところに七日間滞在した。こうして、私たちはローマに到着した。

28:15 私たちのことを聞いた兄弟たちは、ローマからアピオ・ポロとトレス・タベルネまで出迎えに来てくれた。パウロは彼らに会って、神に感謝し、勇気づけられた。

28:16 私たちがローマにはいると、パウロは番兵付きで自分だけの家に住むことが許された。

28:17 三日の後、パウロはユダヤ人のおもだった人たちを呼び集め、彼らが集まったときに、こう言った。「兄弟たち。私は、私の国民に対しても、先祖の慣習に対しても、何一つそむくことはしていないのに、エルサレムで囚人としてローマ人の手に渡されました。

28:18 ローマ人は私を取り調べましたが、私を死刑にする理由が何もなかったので、私を釈放しようと思ったのです。

28:19 ところが、ユダヤ人が反対したため、私はやむなくカイザルに上訴しました。それは、私の同胞を訴えようとしたのではありません。

28:20 このようなわけで、私は、あなたがたに会ってお話ししようと思い、お招きしました。私はイスラエルの望みのためにこの鎖につながれているのです。」

28:21 すると、彼らはこう言った。「私たちは、あなたのことについて、ユダヤから何の知らせも受けておりません。また、当地に来た兄弟たちの中で、あなたについて悪いことを告げたり、話したりした者はおりません。

28:22 私たちは、あなたが考えておられることを、直接あなたから聞くのがよいと思っています。この宗派については、至る所で非難があることを私たちは知っているからです。」

本日の講壇

聖書箇所 使徒の働き281122

説教題 『勇気づけられる交わり』

■序論

パウロはようやくローマの地にたどり着いた。紆余曲折ありながらも、主の恵みと人々との出会いを経験するローマ航海記は私達の信仰生活の縮図のようである。

 

1、備えられている交わり(11~15節)

パウロ達がマルタ島で過ごした期間は3カ月に及んだ。島には冬ごもりしているアレキサンドリヤ船も停泊していた。パウロ一行276人は、その船に便乗させてもらえることになる。その背後にもマルタ島の人達の尽力があったことだろう。マルタ島を出帆した船はシラクサ、レギオンを経てポテオリに入港した。そこで主にある兄弟たちと1週間過ごすことが許された。囚人パウロには異例の措置である。パウロはその交わりに勇気づけられた。いずこにおいても信仰者の交わりは神様が備えていて下さっている。イエス・キリストを中心とした豊かな交わりを大切にしよう。

 

2、イスラエルの望みのための交わり(16~20節)

ローマに到着したパウロは番兵付の家に住むことが許された。ルカはローマでもパウロのもとで滞在していた(コロサイ414。パウロはローマに着いて三日後にユダヤ人の主だった人達を呼び集め、彼がローマに来たいきさつを説明した。彼が鎖につながれているのは「イスラエルの望み」(イエス・キリスト)のためである。その使命は自分の十字架を負ってキリストに従う献身(Ⅱテモテ18と、キリストを伝える福音宣教である。教会に与えられた交わりは福音を伝えるためである。キリストと福音のために共に苦しみを乗り越え、祈り、励まし、喜び合える交わりを築こう。

 

3、非難をも乗り越える交わり(2122節)

ローマにいるユダヤ人はパウロについて何の知らせも受けていなかった。彼らは「この宗派」について至ると所で非難があると聞いているが、噂や偏見によってではなく、パウロから直接話を聞くのが良いと考えた。本来、キリスト教はユダヤ教の異端や分派ではなく、ユダヤ教を完成させるものである。メシヤであるイエス・キリストがすでに十字架と復活によって救いの道を開き、今は再び来られる日を待ち望むのがキリスト教信仰だからである。福音に対して心を閉ざし、偏見を持ち、非難する人達は多いが、それらを乗り越え、人々の心を変える聖霊の力を信じよう。

 

■結論

主は全ての出会い、交わりを備えて下さる。その目的はイエス・キリストを伝え、分かち合うためである。主に備えられて交わりを通して福音の喜びを分かち合おう。