聖書箇所 ミカ書5章1~4節 説教題 『救い主誕生の預言』 ■序論 今年も待降節を迎えた。クリスマスの目的と主役から目を離さずにお祝いしたい。キリスト誕生の預言を通して、私達も確かな希望の光をいただこう。 1、エルサレムが包囲される預言(1節) ミカはBC8~7世紀に南ユダ王国で活動した預言者である。すでに北王国はアッシリヤに滅ぼされ、5章はエルサレムがバビロン軍に包囲される預言から始まっている。エルサレムの人々にはもはや抵抗する力はなく、町は疲弊した状況に追い込まれることが預言されている。このことは、将来に何の希望も見出せない民族絶滅の危機である。自業自得とはいえ、彼らはやがてバビロンに捕囚の民として連れていかれる結果となった。果たして預言の通りになった。しかし、神は神の民に絶望の中にも必ず希望の光を与えて下さるお方である。 2、ベツレヘムから救い主が生まれる預言(2節) 何の希望も見出せない状況で、救い主が誕生することが預言された。民族滅亡の危機の中で誰もそんなことは想像すらできなかっただろう。しかし、この預言は、イスラエル民族が絶滅せず、彼らが生きながらえ、ダビデ王朝と系図が続くことを意味している。民があきらめていた将来と希望があることは生きる力を与えただろう(エレミヤ29:11)。救い主はダビデ王と同じベツレヘムから誕生することが、神の永遠の計画であると預言されている。神は神を信じる者にインマヌエルの希望と平安を与えて下さるお方である(マタイ1:23)。 3、救い主の威光と威力が地の果てまで及ぶ預言(3~4節) イスラエル民族の苦難は救い主が生まれる時まで続くが、救い主誕生を希望として前向きに生きることができた。長く暗いトンネルも出口と光を目指して進んでいけるように、人が生きるには、神から与えられる光が必要である。ミカはイスラエルの民のために誕生する救い主は、国境を越えて、その威光と威力は地の果てまで及ぶことを預言している。キリストは全人類の罪を赦すために生まれた神のひとり子である。救い主誕生の預言は、特定の時代と地域に限られず、すべての時代のすべての民にとってのグッドニュースである。 ■結論 旧約と新約を貫く全世界の救い主は、今も私達と共にいて下さることを感謝しよう。救い主から与えられる希望をもって、今年も待降節を過ごそう(6:8)。 |