今日のできごと


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2017/1/30(月)



 普段の姿で戦いに挑むダビデ

1.ダビデは、戦いを挑んできたゴリアトに対し受けて立った

1.1 ゴリアトが戦いを挑んできた

 サウル王の時代、ペリシテ人の軍隊が、
 ユダのソコに集結し、ソコとアゼカの間にある
 エフェス・ダミムに陣を張りました。

 サウル王とイスラエルの兵も集結し、
 エラの谷に陣を敷き、ペリシテ軍との戦いに備えます。
 その時、ペリシテの陣地から一人の戦士が進み出ました。

 その名をゴリアトといい、ガト出身で、背丈は六アンマ半
 (2m92cm程)もあったといいます。
 そのゴリアトが、イスラエルの戦列に向かって呼ばわりました。
 
 「どうしてお前たちは、戦列を整えて出て来るのか。
  わたしはペリシテ人、お前たちはサウルの家臣。
  一人を選んで、わたしの方へ下りて来させよ。

  その者にわたしと戦う力があって、
  もしわたしを討ち取るようなことがあれば、
  我々はお前たちの奴隷となろう。

  だが、わたしが勝ってその者を討ち取ったら、
  お前たちが奴隷となって我々に仕えるのだ。」

 サムエル記上 17章8〜9節(抜粋)

1.2 ダビデは受けて立った

 これに対してダビデは、受けて立って戦おうとします。

 ダビデはサウルに言った。
 「あの男のことで、だれも気を落としてはなりません。
  僕が行って、あのペリシテ人と戦いましょう。」
 サムエル記上 17章32節

1.3 サウル王はダビデを止めた

 しかしサウル王は、ダビデを止めます。
 少年と戦い慣れしている大男と戦わせたら、
 少年が負けるに決まっていると思ったからです。

 サウルはダビデに答えた。
 「お前が出てあのペリシテ人と戦うことなどできはしまい。
  お前は少年だし、向こうは少年のときから戦士だ。」
 サムエル記上 17章33節

 極めて常識的な考え方です。
 サウル王でなくても、誰が見てもそう思ったに違いありません。
 しかしダビデは、やめません。

 ダビデは更に言った。
 「獅子の手、熊の手からわたしを守ってくださった主は、
  あのペリシテ人の手からも、
  わたしを守ってくださるにちがいありません。」
 サウルはダビデに言った。
 「行くがよい。主がお前と共におられるように。」
 サムエル記上 17章37節

2.普段通りの格好で戦いに臨むダビデ

2.1 サウル王はダビデの申し出を許可した

 ついにサウル王は、ダビデがゴリアトと戦うことを許可しました。
 その時にサウル王がダビデに着けさせたのは、
 自分の装束の、青銅の兜と鎧でした。

 サウルは、ダビデに自分の装束を着せた。
 彼の頭に青銅の兜をのせ、
 身には鎧を着けさせた。
 サムエル記上 17章38節

2.2 ダビデはサウル王の与えた武具を脱ぎ去った

 しかしダビデは、それらを脱ぎさります。
 慣れていなかったからです。
 「こんなものを着ていたら歩けもしない」と言っています。

 ダビデは、その装束の上にサウルの剣を帯びて歩いてみた。
 だが、彼はこれらのものに慣れていなかった。

 ダビデはサウルに言った。
 「こんなものを着たのでは、歩くこともできません。
  慣れていませんから。」

1.3 ダビデはいつも通りの姿で戦いに臨んだ

 ダビデはそれらを脱ぎ去り、
 自分の杖を手に取ると、
 川岸から滑らかな石を五つ選び、
 身に着けていた羊飼いの投石袋に入れ、
 石投げ紐を手にして、あのペリシテ人に向かって行った。

 サムエル記上 17章39〜40節

 ダビデが手にしたのは、自分の杖です。
 そして投石袋に石を入れ、石投げ紐を手にして、
 ゴリアトに向かって行くのです。

 ダビデが手にした武器は、「自分の杖」と
 「石投げ紐」だけです。それになめらかな石5つを、
 川岸で拾って、投石袋に入れて持っていただけです。

 どう見ても、戦いの武器といえるような代物ではありません。
 しかも身を鎧う物は、何一つ着けていないのです。
 兜も鎧もすね当ても着けていませんでした。

 片やゴリアトと言えば、頭に青銅の兜をかぶり、
 身には青銅五千シェケル(60キロ弱?)のうろことじの鎧を着、
 足には青銅のすね当てを着け、肩に青銅の投げ槍を背負っていました。

3.ダビデは普段の姿で勝利した

3.1 ダビデは石投げ紐と石一つでゴリアトに勝った

 どう見ても、ダビデに勝ち目はなさそうでしたが、
 どうなったでしょうか?

 ダビデは袋に手を入れて小石を取り出すと、
 石投げ紐を使って飛ばし、
 ペリシテ人の額を撃った。

 石はペリシテ人の額に食い込み、
 彼はうつ伏せに倒れた。
 ダビデは石投げ紐と石一つでこのペリシテ人に勝ち、
 彼を撃ち殺した。
 ダビデの手には剣もなかった。

 サムエル記上 17章49〜50節

 ダビデは石投げ紐と石一つで、ゴリアトを倒したのです。
 川岸で石を5つ拾いましたが、1つで十分でした。
 たった5つの石だけで戦いに挑みましたが、1つで十分でした。

3.2 ダビデは普段使っていた道具で戦って勝った

 ダビデは、普段使い慣れていた羊飼いの道具だけで、
 大男のゴリアトに、勝利しています。
 サウル王の鎧や剣を借りずに、自分の物だけで勝利しています。

 普段自分で使っていたものが、いざというときに使えたのです。
 逆に言えば、普段使っていなかったものは、
 いざというときに、使うことはできなかったということです。

3.3 ダビデは普段通りのやり方で戦って勝った

 普段通り、いつも通りに、慣れたやり方で勝利できたのです。
 ダビデの普段は、羊飼いでした。
 羊飼いとして、獅子や熊相手に戦っていました。

 しかし、ダビデは言った。
 「僕は、父の羊を飼う者です。
  獅子や熊が出て来て群れの中から羊を奪い取ることがあります。
  そのときには、追いかけて打ちかかり、
  その口から羊を取り戻します。
  向かって来れば、たてがみをつかみ、打ち殺してしまいます。
 サムエル記上 17章34〜35節

 ダビデは、自分の羊が奪われた時には、
 たとえ相手が、獅子であろうが熊であろうが、
 主が共にいてくださるなら、絶対に勝てると信じて

 戦いを挑み、羊を奪い返しました。
 これと同じやり方で、ゴリアトに戦いを挑み、
 羊飼いの時に使っていたであろう石投げを用いて、

 その一投だけで勝負をつけました。

むすび. 私たちの普段の信仰がいざという時に生きる

 戦いに勝利したダビデは、私たちに模範を示しています。
 私たちは、普段どのような信仰を持って、生きているでしょうか?
 いざという時には、その信仰が生きてくるのです。
 
 大きな困難に直面した時、その信仰で対応することになります。
 大問題は、その信仰が生かされるときに他ならないのです。
 ダビデは、信仰を生かし用い発揮しています。

 ダビデは、普段から
 「主は救いを賜るのに剣や槍を必要とはされない」
 と信じていたので、いざという時にそれが生かされたのです。

 私たちも常日頃から、「主は必ず私を助けてくださる」という
 信仰のもと、すべてを主に任せ、主に委ね、主を信頼して、
 信仰の歩みを続けているものでありたいと、願います。

 【今日の聖書】
 だが、ダビデもこのペリシテ人に言った。
 「お前は剣や槍や投げ槍でわたしに向かって来るが、
  わたしはお前が挑戦したイスラエルの戦列の神、
  万軍の主の名によってお前に立ち向かう。

  今日、主はお前をわたしの手に引き渡される。
  わたしは、お前を討ち、お前の首をはね、
  今日、ペリシテ軍のしかばねを空の鳥と地の獣に与えよう。
  全地はイスラエルに神がいますことを認めるだろう。

  主は救いを賜るのに剣や槍を必要とはされないことを、
  ここに集まったすべての者は知るだろう。
  この戦いは主のものだ。
  主はお前たちを我々の手に渡される。」

 サムエル記上 17章45〜47節


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