バークレー・Ｆ・バックストンの赤山講話の中に、
　「主イエスの昇天」の説教があります。バックストンは講話の中で
　主イエスの昇天によって私たちが受ける「５つの恩恵」について語っています。

　１．主イエスは先駆者として、私たちのために準備される

（一）主イエスは、先駆者として私たちより先に天に昇って、
　　　私たちも主と同じ栄光に入れるように、天で準備して下さっている

　　　イエスは、わたしたちのために先駆者としてそこへ入って行き、
　　　永遠にメルキゼデクと同じような大祭司となられたのです。
　　　　　　ヘブライ人への手紙　６章２０節

　　　行ってあなたがたのために場所を用意したら、戻って来て、
　　　あなたがたをわたしのもとに迎える。
　　　こうして、わたしのいる所に、あなたがたもいることになる。
　　　　　　ヨハネによる福音書　１４章３節

　２．主イエスは大祭司として、私たちを恵みの座に近づける

（二）主イエスは、天において大祭司となって、
　　　私たちを、父なる神の恵みの座に近づくことができるようにして下さっている

　　　更に、わたしたちには神の家を支配する
　　　偉大な祭司がおられるのですから、
　　　心は清められて、良心のとがめはなくなり、
　　　体は清い水で洗われています。
　　　信頼しきって、真心から神に近づこうではありませんか。
　　　　　　ヘブライ人への手紙　１０章２１〜２２節

　３．主イエスは執り成し手として、私たちのために執り成してくださる

（三）主イエスは、数多の罪悪失敗をする私たちのために、
　　　天において、絶えず父なる神に執り成してくださっている

　　　それでまた、この方は常に生きていて、
　　　人々のために執り成しておられるので、
　　　御自分を通して神に近づく人たちを、
　　　完全に救うことがおできになります。
　　　　　　ヘブライ人への手紙　７章２５節

　４．主イエスは仲保者として、私たちに神のものを与えてくださる

（四）主イエスは、天において新しい契約の仲保となって、神のものを仲介して
　　　私たちに、神の約束・命令・言葉・恩恵・聖霊の賜物を授けて下さる

　　　しかし、今、わたしたちの大祭司は、
　　　それよりはるかに優れた務めを得ておられます。
　　　更にまさった約束に基づいて制定された、
　　　更にまさった契約の仲介者になられたからです。
　　　　　　ヘブライ人への手紙　８章６節

　　　それで、イエスは神の右に上げられ、
　　　約束された聖霊を御父から受けて注いでくださいました。
　　　あなたがたは、今このことを見聞きしているのです。
　　　　　　使徒言行録　２章３３節

　５．主イエスは教会のかしらとして、教会に主の栄光を与えられる

（五）主イエスは、教会のかしらとなって、教会に主の力と栄光と愛を与え、
　　　私たちが、己の栄光ではなく主の栄光を表わすように導いて下さる

　　　神はまた、すべてのものをキリストの足もとに従わせ、
　　　キリストをすべてのものの上にある頭として教会にお与えになりました。
　　　　　　エフェソの信徒への手紙　１章２２節

　むすび．主と共に昇天する者なのだから、天に属く者として聖い生涯を送れ！

　主イエスが、先駆者として天に昇られ、
　天において私たちのための大祭司となってくださり、執り成してくださり
　神と人との仲介者となって、神のものを与えて下さり、

　自らは、教会のかしらとなって、神の栄光を教会に現わしてくださる、
　キリストの昇天は、まさに私たちのためであったと、説明した後、
　バックストンはこう締めくくっています。（意訳してまとめてあります）

　私たちは主と共によみがえり、主と共に昇天すべき者なのですから
　この世とこの世につける思いを捨てて、天につく者として
　天にある良いものを受けて、聖い生涯を送らなければなりません。

　次の言葉は真実です。
　「わたしたちは、キリストと共に死んだのなら、
　　キリストと共に生きるようになる。
　　　　　　テモテへの手紙二　２章１１節

　もし、この世で主と共に苦痛を受けるとするなら、
　未来において、必ず、主と共に王となることができるのです。
　どうぞ皆さんが一人ももれなく王となって、栄光の冠を得られますように。

　こういうメッセージが、
　明治時代にすでに松江で語られていたということに
　感動を覚えます。

　バックストンのスピリットを受け継いで、
　21世紀の現在においても、主の働きが前進するように
　聖霊に導かれて、聖い生涯を送りつつ働いていきたいとそう思います。

　【今日の聖書】
　こう話し終わると、
　イエスは彼らが見ているうちに天に上げられたが、
　雲に覆われて彼らの目から見えなくなった。
　イエスが離れ去って行かれるとき、彼らは天を見つめていた。
　すると、白い服を着た二人の人がそばに立って、言った。
　「ガリラヤの人たち、なぜ天を見上げて立っているのか。
　　あなたがたから離れて天に上げられたイエスは、
　　天に行かれるのをあなたがたが見たのと同じ有様で、
　　またおいでになる。」
　　　　使徒言行録　１章９〜１１節

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　参考文献
　Ｂ・Ｆ・バックストン著『バックストン著作集第１巻　説教１　赤山講話』
　（いのちのことば社,2015年）
　Ｂ・Ｆ・バックストン著『赤山講話』第4版（バックストン記念霊交会,1954年）