魂に戦いを挑む肉の欲
1.魂に戦いを挑む肉の欲を避けなさい
私たちは日々、自分の中にある欲望との戦いを戦って生きています。
愛する人たち、あなたがたに勧めます。
いわば旅人であり、仮住まいの身なのですから、
魂に戦いを挑む肉の欲を避けなさい。
ペトロの手紙一 2章11節
私たちは、肉の欲を避けなさいと、命じられています。
自分の中にある欲望は、切りがありません。
そして一旦火がついてしまうと、消すのは大変です。
欲望に流されるままであれば、それは罪に続いていきます。
人はそれぞれ、自分自身の欲望に引かれ、唆されて、誘惑に陥るのです。
そして、欲望ははらんで罪を生み、罪が熟して死を生みます。
ヤコブの手紙 1章14節(抜粋)〜15節
2.欲にかられないように誘惑から離れる
「いかにして、欲望に火をつけないか」ここが問われます。
誘惑を遠ざけること、見ないこと、思考に載せないことが重要です。
見ると欲しくなりますし、考えると欲しくなります。
女が見ると、その木はいかにもおいしそうで、
目を引き付け、賢くなるように唆していた。
女は実を取って食べ、一緒にいた男にも渡したので、彼も食べた。
創世記 3章6節
誘惑されてしまった女が、見たから「おいしいそう」と感じたのであって
もしそばにその実がなかったら、「おいしそう」とは思わなかったのです。
実際に見て「実を食べることを考えてしまった」から、食べようと思ってしまったのです。
見ること、考え始めることについてよくよく警戒する必要があります。
誘惑する者は、隙を突いてきます。
隙を作らないように、誘惑となるものから、極力離れていましょう。
3.誘惑に負けた人々の結末を思い起こす
3.1 アダムの罪の結末は全世代に死をもたらした
私たちは、罪の性質を持っていますから、
誘惑に対しては、非常に弱い面を持っています。
誘惑に負けることを軽く考えると、大変なことになります。
創世記3章6節の敗北に続くのは、一生涯苦しみ最後に死ぬという宣告でした。
神はアダムに向かって言われた。
「お前は女の声に従い
取って食べるなと命じた木から食べた。
お前のゆえに、土は呪われるものとなった。
お前は、生涯食べ物を得ようと苦しむ。
お前に対して
土は茨とあざみを生えいでさせる
野の草を食べようとするお前に。
お前は顔に汗を流してパンを得る
土に返るときまで。
お前がそこから取られた土に。
塵にすぎないお前は塵に返る。」
創世記 3章17〜19節
エデンにおける平和で穏やかな生活とは、天と地ほどの差がある
苦しみの人生を、送らなければならなくなったのです。
それが今でも続いているのです。私たちは全員やがて死ななければなりません。
子々孫々に渡る、実に恐ろしい結果を招いていることがわかります。
アダムの世代で終わっていないのです。2代目でも終わっていません。
世の終わりまで、継続する苦しみと死を招いてしまったのです。
3.2 ダビデの罪の結末は家族の死
アダムだけでなく、誘惑に負けた人々はたくさんいます。
ダビデもヘト人ウリヤの妻バト・シェバを見てしまい、誘惑に負けてしまいました。
その後のダビデ家の混乱は、壮絶なものでした。
それゆえ、剣はとこしえにあなたの家から去らないであろう。
あなたがわたしを侮り、ヘト人ウリヤの妻を奪って自分の妻としたからだ。』
サムエル記下 12章10節
ヘト人ウリヤの妻バト・シェバから生まれた子は、死んでしまいます。
その後も息子アムノンは、異母妹を辱めたことでその兄アブサロムに殺され
ダビデはそのアブサロムによって命を狙われることになるのです。
ダビデは、王であったにもかかわらず、
その子どもから命を狙われ、自分の城から
命からがら、必死になって逃げることになります。
ダビデの命は助かりましたが、息子アブサロムは部下の手によって殺されてしまい
実にダビデは、3人の子を失うことになってしまうのです。
まさに罪の結果が、死をもたらしているのです。自分ではなく子どもたちの死です。
3.3 イスカリオテのユダの罪の結末は永遠の死
イスカリオテのユダに至っては、お金の誘惑に負けてしまい
金入れの中身を、ごまかしてしまっています。
彼がこう言ったのは、
貧しい人々のことを心にかけていたからではない。
彼は盗人であって、金入れを預かっていながら、
その中身をごまかしていたからである。
ヨハネによる福音書 12章6節
これも最後は、死で終わっています。
しかも、恐ろしい永遠の死です。地上の人生が終わるという第一の死だけでなく、
罪を悔い改めずに自殺していますから、永遠の死を選んでしまっているのです。
そこで、ユダは銀貨を神殿に投げ込んで立ち去り、
首をつって死んだ。
マタイによる福音書 27章5節
悲しいことに、そこに救いはありません。
「お金を少しぐらいごまかしたって、いいじゃないか」では済まないのです。
そこに、サタンが付け込んできたのです。
ユダがパン切れを受け取ると、サタンが彼の中に入った。
そこでイエスは、「しようとしていることを、今すぐ、しなさい」と彼に言われた。
ヨハネによる福音書 13章27節
罪に「少しぐらい」や「ちょっとだけ」はないのです。
不正は不正です。恐ろしい罪なのです。
計算を間違うことはあったとしても、故意にごまかすことは決してあってはなりません。
それは、完全に罪だからです。
むすび.魂に戦いを挑む肉の欲を避けなさい
肉の欲は、魂に戦いを挑むものです。
私たちは何としても、自分自身の魂を守って行かなければなりません。
誘惑に負けてしまった人々の、恐ろしい結末を思い起こし、
肉の欲に負けないよう、誘惑を遠ざけ誘惑から離れ
誘惑に負けることを、決して軽く考えずに、
聖霊の助けを頂きながら、毅然とした態度で戦っていきましょう。
【今日の聖書】
愛する人たち、あなたがたに勧めます。
いわば旅人であり、仮住まいの身なのですから、
魂に戦いを挑む肉の欲を避けなさい。
ペトロの手紙一 2章11節