ゴリアトの装備
1.ゴリアトの身長と装備は普通ではなかった
ダビデは、ひとり果敢にゴリアトに立ち向かいますが
そのゴリアトの身長と装備は、次の通りでした。
ペリシテの陣地から一人の戦士が進み出た。
その名をゴリアトといい、ガト出身で、背丈は六アンマ半、
頭に青銅の兜をかぶり、
身には青銅五千シェケルの重さのあるうろことじの鎧を着、
足には青銅のすね当てを着け、
肩に青銅の投げ槍を背負っていた。
槍の柄は機織りの巻き棒のように太く、
穂先は鉄六百シェケルもあり、
彼の前には、盾持ちがいた。
サムエル記上 17章4〜7節
1.1 身長約3m
ゴリアトの身長は、六アンマ半であったといいます。
ダビデの時代の「1アンマ」を、今の時代の長さに換算するとどのくらいだったのか?
正確には特定できないのですが、大雑把に見てだいたい50センチ前後のようです。
1アンマを45センチとすると3m弱で、50センチとすると3mを超えます。
ですからおそらくゴリアトは、3mほどの巨人だったと考えられます。
私たちの周囲には2mの人はいても3mの身長の人は、まずいないでしょう。
1.2 60キロの鎧
ゴリアトは、青銅五千シェケルの重さのうろことじの鎧を着ていたといいます。
ダビデの時代の「1シェケル」の重さを、今の時代の重量に換算するとどのくらいだったのか?
正確には特定できないようですが、11.5グラムとしている本があります。
1シェケル11.5グラムとして計算すると、57.5キログラムとなります。
約60キロですが、お米一俵ほどの重さになります。
約60キロ程の鎧を着ても、平然と行動できていたということになります。
1.3 7キロ程の穂先の投げ槍
ゴリアトは、肩に青銅の投げ槍を背負っていました。
槍の柄は機織りの巻き棒のように太く、
穂先は鉄六百シェケルあったということです。
1シェケル11.5グラムとして計算すると、6.9キログラムとなります。
穂先だけで約7キロですので、投げ槍全体では軽く10キロ越えだったでしょう。
普通の人が10キロの槍を投げようと思っても、とても飛ばせないでしょう。
スーパーで10キロのお米が売ってますが、とても投げ飛ばせる重さではありません。
そんな重さの投げ槍を飛ばせるぐらいですから、腕の力は想像を超えています。
全身の筋力は、通常の人間の数倍はあったはずです。
1.4 青銅の兜とすね当て
さらにゴリアトは、青銅の兜をかぶりすね当てをつけていました。
人より数倍力強かったにもかかわらず、青銅製の防具がしっかり装着されていたのです。
攻撃できる隙が、ほとんどなかったわけです。
2.ダビデは敵の装備ではなく神を見ていた
ゴリアトに立ち向かおうとしていたダビデは、サウル王に対して次のように語っています。
ダビデは更に言った。
「獅子の手、熊の手からわたしを守ってくださった主は、
あのペリシテ人の手からも、わたしを守ってくださるにちがいありません。」
サムエル記上 17章37節(前半)
ダビデは、「主が私を守って下さる」と語っているのです。
ダビデは、全身フル装備の巨体のゴリアトを目にしながらも、
それ以上に、自分を守って下さる主を信頼し主を見上げていたのです。
ですから、自分がゴリアトと戦いますと申し出ることができたのです。
ダビデはサウルに言った。
「あの男のことで、だれも気を落としてはなりません。
僕が行って、あのペリシテ人と戦いましょう。」
サムエル記上 17章32節
3.ゴリアトの重装備を詳細に知る必要はなかった
ダビデの戦法は、簡単なものでした。
いつも使っている石投げで、たった一つの石を飛ばすだけで良かったのです。
ダビデは袋に手を入れて小石を取り出すと、石投げ紐を使って飛ばし、
ペリシテ人の額を撃った。
石はペリシテ人の額に食い込み、彼はうつ伏せに倒れた。
サムエル記上 17章49節
この時ダビデは、ゴリアトの付けていた装備や持っていた武器について
詳細に調べたり、それに対応する防御方法を練ったりなどしていないのです。
ゴリアトがどんな装備だろうと、どんな武器を持っていようと関係なく立ち向かい勝利しているのです。
だが、ダビデもこのペリシテ人に言った。
「お前は剣や槍や投げ槍でわたしに向かって来るが、
わたしはお前が挑戦したイスラエルの戦列の神、万軍の主の名によってお前に立ち向かう。
サムエル記上 17章45節
ダビデにとって必要だったことは、敵の武器や防具についての情報を得る事ではありませんでした。
敵の武器や防具について、それがどれ程威力があるかなど、知る必要はなかったのです。
必要だったのは、ただ主に信頼する信仰だけだったのです。
主は救いを賜るのに剣や槍を必要とはされないことを、ここに集まったすべての者は知るだろう。
この戦いは主のものだ。主はお前たちを我々の手に渡される。」
サムエル記上 17章47節
むすび.敵の力を詳細に知るよりも主に信頼することの方が大切
もしダビデが、ゴリアトの付けている防具や武器について調査して、
その防御性能や攻撃能力が、どれくらいであるかを把握しようとしていたらどうだったでしょうか?
すぐには戦いに出ていけなかったはずです。
また敵の武具について調べれば調べるほど、常識的に判断すれば
「通常の武器では、とても勝ち目がない相手だ」
ということがわかるだけだったと、思います。
ダビデにとって必要だったのは、主を信頼することだけでした。
敵の武器や防具や戦法の詳細について知る必要は、全くなかったのです。
敵の詳細を知る事よりも大切な事は、主を信頼することだったのです。
【今日の聖書】
ペリシテの陣地から一人の戦士が進み出た。
その名をゴリアトといい、ガト出身で、背丈は六アンマ半、
頭に青銅の兜をかぶり、身には青銅五千シェケルの重さのある
うろことじの鎧を着、足には青銅のすね当てを着け、
肩に青銅の投げ槍を背負っていた。
槍の柄は機織りの巻き棒のように太く、穂先は鉄六百シェケルもあり、
彼の前には、盾持ちがいた。
サムエル記上 17章4〜7節