今日のできごと


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2026/1/3(土)

 

日本における新年行事の意味

1.日本における正月行事の背景

 元来、日本のお正月は神道でいう「年神様を家々に迎える期間」という意味をもっていました。
 「年神様」は「歳徳神(としとくしん)」ともいい、日本神話の神々の一つで「古事記」によれば
 須佐之男命と神大市比売(カムオオイチヒメ)の間に生まれた大年神(オオトシノカミ)にあたります。

 また、年神様には「祖霊(亡くなった祖先の霊)」も含んでいるとも言われています。
 地方地方によって、その解釈がまちまちのようですが
 人間が死ぬと魂が山へ行き、「山の神様」になると信じる信仰がありました。

 その信仰によれば、山の神様が春になると「田の神様」としてやってきて、
 秋になると山へ帰っていき、正月には年神様として、
 「その年の豊かな実りを約束しにやってくる」と考えたのです。

 それゆえ1年の始まりには、その年神様に「豊かな実りを祈願して豊作を求める」ようになったのです。
 日本で正月に行なっている様々なことは、このような「年神様崇拝」が元になっています。
 半ば日本文化として当然の行事になっていますが、その背後には「年神様信仰」があります。

2.日本における正月行事一つ一つの意味

  @ 大掃除

 年末に大掃除をするのは、一言で言えば「年神様を迎えるため」です。
 「年神様が家に来られる」から、大掃除をして家の中をきれいにするのです。
 このときに神棚も掃除して、新しいお札をまつることになります。

  A 門松(かどまつ)としめ飾り

 門松は、「年神様を家庭へ招く目印」であり「年神様を召喚するため」のものです。
 しめ飾りというのは、悪いものや穢れたものを閉め出し、
 「年神様の聖域を護る」という意味を、持っているものです。

  B 松の内

 松の内というのは、「各家庭に、年神様を迎え入れている期間」です。
 松の内の期間は、1月1日〜7日までという地域と
 1月1日〜15日までという地域があり、地域によって違うようです。

 松の内というように、この期間は門松を飾っておくことになります。
 年賀状や年始回りは、この期間内に行うことになっています。

  C 三が日

 「年神様」が家にいるのは、松の内の期間ですが、
 はじめの3日間は「三が日」と言って、年神様と共に食事をして年神様をもてなすのです。
 おせち料理を3日間食べるのは、そのためなのです。

 年神様をもてなすために、三が日の間各家では
 年神様に、お灯明をあげてお供えもします。
 ですから、すべての人は仕事を休んでいなければならないのです。

 1月1日から3日まで、全国一斉に休みになるのはそのためです。
 文化として、正月3が日の休みは定着してしまっていますが
 それは「年神様を3日の間家庭でもてなすため」という、宗教的理由があるのです。

 そして三が日には、以下のような禁止事項を定めているのです。

No. 禁止事項 理由
1.掃除「年神様」が福を持って来た福を払いのけない
2.水仕事「年神様」を水で洗い流さない
3.刃物の使用包丁で何かを切ることが縁切りを連想させる
4.火を使う料理火の神である「荒神様」を怒らせる
灰汁(悪)を出さない
5.四足の肉の食事仏教の殺生戒
神道では「血の汚れ」を忌む
6.お金の過剰浪費新年からお金を使いすぎると運気が下がる

  D 鏡餅

 鏡餅は、単なる飾りではなく「年神様へのお供え」です。
 鏡餅は、元々鏡を形どったものであったという説もあります。
 鏡開きの時には、刃物を使わずに手で割ったりして分けて食べるようです。

  E お年玉

 お年玉の語源は、古来の風習であった「年神様に奉納された鏡餅」を
 参拝者に分け与えた神事からきている、といわれています。
 単なるご祝儀とかお小遣いというのではなく、宗教的意味が込められているのです。

  F おせち料理

 おせち料理というのは、「年神様に供えたご馳走を頂く事」に由来しています。
 そのそれぞれの料理にも、一つ一つ意味付けがなされているのです。

No. 料理 意味
1.黒まめまめに生きられるように
2.かずのこ子宝に恵まれるように
3.ごまめ豊かに実るように
4.えび腰が曲がるまで長生きできるように
5.だて巻き巻物に似ているので知識が増えるように
6.紅白かまぼこ赤は魔除け、白は清浄を示し、魔が去って清浄になるように
7.紅白のなますかまぼこと同じ
8.栗きんとん黄金のイメージから商売繁盛するように
9.れんこん穴があいているので、将来の見通しが効くように
10.こぶ巻き喜ぶの「こぶ」にかけて、喜んで生きられるように
11.酢だこタコを多幸にかけて、多幸であるように
12.ごぼう深く根差した生き方ができるように
13.棒鱈たらふく食べられるように
14.ぶり大きくなるにつれ名前の変わるぶりのように出世するように
島根の例:モジャッコ→ショウジンゴ(ツバス、ワカナ)
→ハマチ(ヤズ)→メジ→マルゴ→ブリ
15.なまこ米俵のようなので豊作になるように
16.たけのこ子供がすくすくと成長するように
17.くるみ家が固く守られるように
18.たいおめでたいの「たい」にかけて

 このような食べ物を、家に迎え入れた年神様と一緒に食べて過ごすのが
 正月の三が日なのです。おせち料理とは、年神様への供え物以外の何物でもありません。
 更に、上記のような食べ物から幸せを得ようという願いも含まれているのです。

 三が日の3日間、おせち料理を食べ続けるというのは、
 「年神様を迎えている間は煮炊きを慎む」という意味も持っています。
 ですから三が日の期間は、お箸を洗うこともしません。同じお箸を3日の間使います。

  G お雑煮

 お雑煮というのは、「年神様に供えた餅を家族揃って食べる」という意味合いのものです。
 ですから、お雑煮に餅は不可欠なのです。
 雑煮とは、「年神様の与えてくれた海の幸と山の幸」を一緒に入れて食べる食べ物です。

  H 新年の挨拶「あけましておめでとうございます」

 新年の挨拶には、「今年も芽が出度い(めでたい=芽が出る)」という願いの意味があります。
 「年神様に豊かな実りを願う」という、意味があるのです。
 「あけましておめでとうございます」は、「年神様の豊かな実りがありますように」と同じなのです。

 「God bless you!」ではなく、「年神様 bless you!」なのです。

  I 年賀状

 年賀状というのは、上述の新年の挨拶を、直接会えない人にはがきで送るものです。
 明治時代に郵便制度が整ったため、はがきで年賀状を送る習慣が急速に広まりました。
 年始の挨拶状という意味だけでなく、「年神様の豊かな実りがありますように」の意味があります。

 年賀状の返信は、「松の内」という期間内に出さなければならないということです。
 通常これは、1月7日あるいは15日までということになります。
 松の内が、年神様がその家に宿っている期間だからです。

 年賀状に書く「謹賀新年」「賀正」「迎春」は、新年の挨拶のための言葉です。
 「あけましておめでとうございます」と同様に、年神様と関連している言葉になります。

  J 「良いお年をお迎えください」

 年末に「良いお年をお迎えください」と挨拶するのは、多分に
 「年神様」から1年の豊かな実りが与えられますように、
 という祈りのニュアンスが込められていたと考えられます。

  K 初詣

 初詣というのは、1年の初めの1月1日に神社に参拝に行くことです。
 深夜零時に、自宅の近くにある神社などに行きます。
 これは、神社に祀られている様々な神々を礼拝することです。

 「年神様」と神社の神は違うのではないかと思われますが
 「年神様」のお札は、神社が発行していますので
 「年神様」を拝むことも、初詣に含まれているのは確実です。

 向日神社 (京都府向日市)や、下谷神社 (東京都台東区)のように
 「年神様」を祀っていることを、明確にしている神社もあります。

  L 十二支(子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥)

 その年年にそれぞれの歳を表す12の動物が割り当てられていますが、これを十二支といいます。
 十二支は、殷の時代に日付に使用され、後に時刻や方位にも利用されるようになったといわれています。
 中国の「五行思想」と「陰陽道」に関連する十干と結びついて、干支となったようです。

 神道でも、この十二支を用いています。神道でも、十二支を草木の成長と関連付けています。

  M 年末の餅つき

 12月の29日ごろに、各家で一斉に餅つきをする習慣がありましたが
 それは「年神様」へのお供えにするお餅を、正月までに作っておかなければならなかったからです。
 正月用のお供えの餅を作るために、年末に餅つきをしなければならなかったのです。

  N お屠蘇

 「お屠蘇」というのは、生薬を酒に入れて一家で年少者から飲み回すもののことです。
 「屠蘇」の意味は各種の説がありますが、「死んだ者も蘇(よみがえ)る」という説もあるようです。
 いずれにせよ、「屠蘇という酒から長寿を得よう」という願いが込められているのです。

  O 羽根付き

 羽根付きは「悪いものをはねのける」という、「厄除けや邪気払い」の意味があるようです。
 羽根を高く打ち上げるほど、運気が上がるとも言われているようです。
 負けた人に墨を塗るのは、そのことによって疫を追い払い病魔から逃れるという理由からです。

3.正月と「年神様」の結びつき

 このように、神道のしきたりと日本の正月は密接に結びついていることがわかります。
 ちなみに年越しそばは、江戸時代にそばだんごで金粉を集めたことから、
 商売繁盛を願うことに由来するという説もあります。

 年越しそばなどを除けば、正月に関するほとんどのしきたりが、
 「年神様」に対するものであることが、わかります。
 その意味を知ると、なぜ正月にそうするのか納得がいくでしょう。

むすび.真の神は「年神様」ではない

 しかし、聖書を読むと本当の神が「年神様」ではないことがわかります。
 真の神は天地万物の造り主であって、いつでもどこにでもいてくださるお方です。
 豊かな実りどころか、罪を赦し、永遠の命まで与えてくださるお方です。

 罪は正しく裁かれる義のお方ですが、それと同時に
 私たちのために、御子イエス・キリストを十字架につけてくださるほど、
 私たちを愛してくださっている愛のお方なのです。

 こんなに素晴らしい神を、「年神様」に置き換えてはなりません。
 本当の神により頼むことが、一番大事なことなのです。

 【今日の聖書】
 子どもたちよ。偶像を警戒しなさい。
 ヨハネの手紙第一 5章21節

 神の宮と偶像とに、何の一致があるでしょう。
 私たちは生ける神の宮なのです。
 神はこう言われました。

 「わたしは彼らの間に住み、また歩む。
  わたしは彼らの神となり、彼らはわたしの民となります。
  それゆえ、彼らの中から出て行き、彼らと分離せよ、と主は言われる。
  汚れたものに触れないようにせよ。そうすれば、わたしはあなたがたを受け入れ、
  わたしはあなたがたの父となり、あなたがたはわたしの息子、娘となる、
  と全能の主が言われる。」
 コリント人への手紙第2 6章16節


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