モルデカイの凱旋(エステル6:6~16)2014年3月16日のメッセージから

王は過去にモルデカイが国王暗殺を未然に防いだことを記録によって知ります。その褒賞がまだされていないことに気づいた国王はハマンに「最も栄誉を与えたい者にはどのように栄典を授けるべきか」を問います。ハマンはてっきり自分が栄典を受けると思い、王のマントをはおわせて、馬にまたらがせ、都じゅうを練り歩くことを提案します。後で栄典の対象が自分ではなくて、政敵モルデカイであることを聞いて仰天します。しかも、その栄典授与の手配を自分がしなければならないという屈辱を受けました。

次に、大臣ハマンはエステルから晩餐会の誘いを受けます。ここでも自分が特別待遇を受けるものだと思っていそいそと出かけますが、その晩餐会の席で王妃エステルが自身の親戚モルデカイと自身の出身民族であるユダヤ民族を大臣ハマンが謀略によって絶滅させようとしていることが暴露されます。

国王は怒り心頭でハマンの処刑を命じます。ハマンが将来モルデカイを磔刑にしようとして立てた木の柱に自分がつけられることによって…。

その後、警察権はモルデカイの元に移り、ユダヤ人を絶滅に追い込もうとしたハマンの出身部族アガグ人(アマレク人)が逆に駆逐されることになります。その昔、イスラエル王国のサウル王に神が聖絶を命じられて以来のユダヤ人の宿敵アマレク人がエステル記の時代に下ってその命令が達成されたのです。

エステル記は一文字も神という文字が使われていませんが、神の配剤がもっとも色濃く表されている巻の一つと言えます。聖書の中心メッセージは次のようなものです。

悪魔が人類の救い主イエス・キリストを謀略によって陥れ、全人類を滅ぼそうとし、また、そのことによって、神を欺いて自分が神から認められて栄光を受けようとしました。しかし、悪魔自身も思いを及ばなかった方法で、神の奥義によって、救いが成就されました。また、キリストに天上天下で最高の栄光が与えられ、逆に悪魔とそれにつき従う者たちは悪魔自身がキリストをつけようと企てた十字架に付けられて罪に定められ滅ぼされることになりました。それによって人類の堕罪以来の宿敵、サタンと罪が放逐され、神の民(キリスト者)は神の国で安住を得ることが約束されます。

それをエステル記はなぞるように展開します。

ハマンがユダヤ人のリーダーモルデカイを謀略によって陥れ、全ユダヤ人を滅ぼそうとし、また、そのことによって、ペルシャ王を欺いて自分が王から信認を受け最高の栄典を受けようとしました。しかし、ハマン自身も思いもよらなかった事態で、王の裁きによって、モルデカイとユダヤ人は救われました。また、モルデカイには国内最高の栄典が与えられ、逆にハマンとその出身部族アガグ人はハマン自身がモルデカイをつけようと企てた木の棒に付けられて罪と定められ、滅ぼされることになりました。それによって、往年のイスラエル王国建国以来の宿敵、アマレク人(アガグ人)はペルシャ帝国から駆逐され、ユダヤ人は帝国内で安住を約束されます。

このように、聖書の一部が聖書全体が伝えようとしている救済の業をつたえようとしていることを「予型論」とか「型」と、言います。聖書って奥深いですね。

モルデカイの凱旋

ジャン=フランソワ・ド・トロワ作『モルデカイの凱旋』(再掲)


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