政治的声明を出さない宣言

昨今、日本の主要なキリスト教界、諸団体においては、政治的な声明が発せられることがままあるが、我々の教会においては当該政治的課題が聖書と歴史的・正統的な教理に明白に反しない限りにおいては将来にわたって教会でかような声明を発しないことをここに宣言する。

原発反対、その主張は正しいかもしれない。しかし、電力会社とその関連会社につとめる者にとっても我々の教会は隣人でありたいのだ。

安保法制反対、その主張は正しいかもしれない。しかし、自衛官として生きるキリスト者、基地関連施設で働く者にとっても我々の教会は隣人でありたいのだ。

共謀罪反対、その主張は正しいかもしれない。しかし、暴力団をはじめとする組織犯罪に涙を飲んだ被害者たちに対しても我々の教会は隣人でありたいのだ。

「キリスト者の政見が絶対に正しい」とは「絶対に言えない」ことを我々は告白する。それは政治的志向の左右の別なくキリスト教を信じる信仰者として告白せざるを得ない。

かつてキリストの十二人の弟子たちの中に熱心党員シモンと取税人マタイがいた。もし、彼らにローマ帝国についての政見を尋ねれば前者は反ローマ、後者は親ローマと答えたであろう。十二使徒の間でさえ、政治的見解は一致をみず、ただ、キリストへの信仰によってのみ立場を超えてつなぎ合わされていたのである。

最後に我々の教会はまた、上述の政治的な声明を発するキリスト者たちをも排除せず、隣人として愛することをここに宣言するものである。

 

2017年7月16日 大東キリストチャペル 一同

ヘンドリック・テル・ブルッヘン作「聖マタイの召喚」

ヘンドリック・テル・ブルッヘン作「聖マタイの召喚」

通称:大東宣言

※新約聖書マタイの福音書の記者であり、またイエス・キリストの十二使徒であったマタイがキリストから「弟子にならないか?」とスカウトされたときを描写した絵画。テーブルの上には小銭や帳簿が描かれていることからも、マタイはキリストの弟子になる前は取税人だった。この取税人という職業は当時のローマ帝国の権力をかさに同胞から税金を巻き上げる。また、彼らは巻き上げた税金の一部を自身の収入とするシステムだった。つまり、ローマ帝国が定める上納金以上に取り立てればその分だけ、取税人本人の収入がアップした。そのため、同胞からは売国奴と、罪人の最たる卑しい仕事とされていた。

対してこの絵画には描かれていないが同じく十二弟子のひとりに熱心党員シモンというのがいた。熱心党というのはローマ帝国の属州とされたユダヤ州の分離独立を目指す団体で、ローマ帝国は厳しく取り締まっていた。今風に言えば過激派テロリストである。こんなシモンとマタイがもしローマ帝国についての見解を話そうものならたちまち喧嘩、下手したら殺し合いになったはずだ。そんな二人が同じイエス・キリストを師と仰ぎ、福音宣教に従事したのである。