日本キリスト教団

 
 
2024.01.14
説教ダイジェスト
礼拝説教要約
「救い主に出会う」
ルカによる福音書
2章36-38
 ユダヤの習慣にのっとり、イエスの父母はイエスを抱いてエルサレムの神殿に行った。 神殿に仕える女預言者アンナは、イエスに会い神の救いの到来を知り、神を賛美した。

  アンナは夫に先立たれ、神殿に仕えていた。不遇であったが、神を心の支えとしていた。 そして、アンナは女預言者だった。原始教会には預言の賜物を与えられた人々がいたとい う。霊感に溢れ神のみ心を語っていたのだろう。様々な悩みを抱える人が神のみ心を知ろ うとアンナのもとを訪れたのだろう。それで、アンナは霊感を研ぎ澄ませて「断食したり 祈ったりしていた」のだ。神のみ心は如何にと、神に問いかけることを繰り返していた。 この人が、神の救いの表れを目撃して、心から喜んで神を賛美したのだ。悩み多い世の人 の救いの到来を喜んだのだ。自ら寄る辺のないやもめとして生き、神を心の支えとし、救 いの到来に心躍らせた。

  この箇所は、旧約の時代と新約の時代の境目となる。救い主の到来によって、律法を守 り神に認められるという時代、神のみ心を問いかける時代は去り、神の救いを喜び賛美す る時代が始まったのだ。もちろん、世の悩みがすっかりなくなったわけではないが、神の み心を問いつつ、しかし、何よりも我が身に救いがあることを喜ぶ時代になったのだ。

  救いを喜び神を讃えるアンナは、目は天を仰ぎ、すくっとまっすぐに立ち、胸を張って 歌っていると想像する。その顔は、眼は、光り輝いていたことだろう。女預言者、やもめ、 アンナは、このとき84歳だった。信仰に年齢は関係ない。

  この姿に、2つの聖句を思い出す。詩編102編「主を賛美するために、民は創造され た。」ネヘミヤ記8:10「主を喜び祝うことこそ、あなたたちの力の源である。」

  神を讃えるのは、歌うことだけではない。あらゆる表現手段、信仰の告白、そして一人 ひとりの生き様が神を讃える手段となる。そして、神を讃えるのは、神のためだけではな い。 神を讃える人は、その神を心の支えとし、力の源とするようになる。自分の神を誇る ことによって、神を賛美することによって、しっかりと立つことができるようになる。神 は愛の神、この神を讃える人は、さらに神の愛に包まれるのだ。

  エルサレム神殿で神に仕えていたアンナは、女預言者、やもめ、84歳。イエスを目撃 し神の救いの到来を知った。そして、心から喜んで神を賛美する歩みを始めた。神と共に 元気に、神の前に健やかに歩んでいくのだ。

 愛隣こども園
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