日本キリスト教団

 
 
2024.07.07
説教ダイジェスト
礼拝説教要約
『神からの励まし』
使徒言行録27章
27-38節

 使徒パウロは、小アジア(今のトルコ半島)、ギリシャへ旅してキリストの 福音を宣べ伝えた。各地にその土地の人々、つまり異邦人の集う教会が生まれ た。異邦人の教会とユダヤ人の多いエルサレム教会との交わりを保つために、 パウロはエルサレムを尋ねた。

 すると、パウロが異邦人も救われると説くことを神への冒涜と思う人々がパ ウロを憎み、神殿で大騒ぎを起こした。当時、エルサレムはローマの支配下に あり、パウロはローマの市民権を持っていたのでローマ兵はパウロを保護し、 正当な裁判をするためにローマへ連行することになった。ローマ兵はエルサレ ム行きの船をあつらえ、ローマを目指したが、途中、地中海の真ん中で思いが けない大嵐に見舞われ難航した。

  パウロはローマによって保護される身であったが、嵐によって沈みそうにな っている船に乗る人々に、神から預かった言葉を語り、神が共におられること を思い出させて人々を励ました。そして、3日間何も食べていないので、命を つなぐ食事をとろうと勧めた。一同元気づき、前向きな思いになった。つまり、 パウロは沈みそうになる船の中で、何をしただろう。神の言葉を語り、食事を とらせた。この船を教会に見立てれば、道に悩む教会に対する神からの励まし の言葉を語り、聖餐式をなしたということだ。

  昔、イエスは、ガリラヤ湖で弟子たちが船に乗っていて嵐に悩まされた時、 神の力で嵐をしずめてくださった。どんな混乱の時にも、イエスは共におられ 安心しているべきことを示された。「慌てるな、煩うな」というイエスの声が 聞こえる。

  以前、イスラエルに旅した時、ガリラヤ湖を横断する定期船に乗ったことが ある。船に乗り合わせた高校生らしき若い人たちのグループが、青い空の下で 2 歌を歌っていた。そばで見ていると、おもむろにパンとぶどう酒を配り祈った。 ガリラヤ湖の船で聖餐式とは、嵐をしずめたイエスやパウロのことを思い起こ させられた。
 
  パウロやイエスの姿から、思うようにならない状態の中にあって、私たちは 何に心を向け、誰に思いを向けるべきなのかということが問われている。私た ちの肉の目に見える色々なものがあるだけでなく、目に見えない神様がおられ る。そして、この一日を過ごすために、日毎に行っている基本的なこと(食事 など)を疎かにしてはいけない。神のみ言葉に聴き、肉体によって生きている 人として必要なことを大切にしたい。お互いに弱さのある存在であることを思 い、互いに愛し合い、労り合いたい。様々な危険の中にも、教会は、神に心を 向け互いに愛し合う交わりでありたい。

  パウロ達は、嵐に悩まされたが、この後、マルタ島に漂着した。島の人々に 温かく迎え入れてもらった。また、パウロは島の人々の病を癒し、神の素晴ら しさを島の人々に伝えた。嵐に翻弄されても聖霊によって導かれて伝道する、 初めの教会の姿が描かれている。

 愛隣こども園
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