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シロアム教会 礼拝説教要旨集
2024年12月 1日 8日 15日 22日 29*日 目次に戻る
 2024年12月8日 
「恐れるな」加藤豊子牧師
ルカによる福音書1章26−38節



 「おめでとう、恵まれた方。主があなたと共におられる。」マリアはこの言葉に戸惑い、いったいこの挨拶は何のことかと考え込んだ。」 有名な「受胎告知」の場面です。倉敷の大原美術館にはエルグレコの「受胎告知」の聖画が所蔵されています。右上に大きく天使ガブリエルが描かれ、左下には少し体をねじるようにして、それを見上げるマリアの姿があります。驚きと戸惑いが感じられる表情です。若いというよりは、幼いと言えるような年齢だったマリア。何がおめでとうなのか、恵まれているのか…と戸惑うばかりだったことでしょう。



 天使は続けて、マリアが身ごもって男の子を生み、その子はいと高き方の子と言われる、と伝えます。「どうして、そのようなことがありえましょうか」というマリアの答えは、当然のことだと思います。誰が聞いても理解できない、納得できないことを言われたのです。しかし天使は「聖霊があなたに降り、いと高き方の力があなたを包む…」とこのことが聖霊、神の力によってなされることなのだと言い、最後に「神にできないことは何一つない」とはっきり告げました。



 「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身になりますように。」マリアは、神様のご計画がよくわかったからそう言ったのではありません。よくわからないままで神様の前に立ち、み心がこの身になりますように、と委ねています。



 「神にできないことは何一つない。」アドベントを迎えたこのとき、わたしたちは改めて、この言葉をどう受け止めているか問われているのではないでしょうか。自分自身を見れば、そこには弱さと不安、欠けしかありません。しかし神の言葉を信じてゆだねていくとき、わたしたちも神のご計画の中で用いられるものとされるのです。
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 2024年12月1日 
「呼びかける声」加藤豊子牧師
イザヤ書 40章6−11節



 アドベント、待降節第一主日を迎えました。教会の暦では、この日から新しい一年が始まります。「アドベント」という言葉の意味は「到来」です。救い主の到来を待ち望む日の始まりを、この第一主日は告げています。



 イザヤ書40章、1節は「慰めよ、わたしの民を慰めよと あなたたちの神は言われる」という言葉で始まります。この預言者は、バビロンの地で活動しました。イスラエルの民はバビロンに連れて行かれ、その捕囚の期間は50年にも及びました。30節に「若者も倦み疲れ…」とあるように、50年の月日の流れは、神様の救いを待ち望むことを困難にしていたのではないでしょうか。



 「肉なる者は皆、草に等しい。永らえても、すべては野の花のようなもの。…草は枯れ、花はしぼむが、わたしたちの神の言葉はとこしえに立つ。」(6−8節)

 パレスチナの春は、様々な美しい花が一度に咲き誇るといいます。しかしそれも夏になれば、あっという間に枯れてしまいます。その姿は肉なる者である、わたしたち人間のはかなさを表しています。しかし「神の言葉はとこしえに立つ」と、未来に希望を見出せなくなった人々に、変わることのない神の約束の言葉に目を向けるよう、語られています。この言葉は新約聖書ペトロの手紙一1章12節に引用されており、「これこそ、あなたがたに福音として告げ知らされた言葉なのです。」と語られています。聖書の言葉の中に約束されている、イエス・キリストを通して与えられる救い、これこそわたしたちにとっての福音、まことに良き知らせなのです。
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