のちより大切なもの


いのちより大切なもの星野富弘さんのことをご存じでしょうか。

星野さんは群馬大学教育学部卒業後、高崎市の中学校の体育教諭となりました。

2ヶ月後、クラブ活動の指導中に頸髄を損傷、手足の自由をまったく失ってしまいました。

九年間の病気生活中に、口に筆をくわえて詩画を書き始めました。

1979年5月に前橋で第1回詩画展が開かれ、以来、全国各地で開催され、

多くの人々に深い感動を与えておられます。

私も星野さんの詩画に教えられ励まされている一人ですが、

ここで紹介する詩も、大好きな一つです。


いのちが 一番大切だと思っていたころ

生きるのが 苦しかった


いのちよりも大切なものがあると知った日

生きているのが嬉しかった


よく人は健康が第一といいます。確かにそれは大切ですが、

人間はいつまでも健康でいられるわけではありません。

人は皆、病気にもなり、いつか弱り、やがて死を迎えます。

星野さんは健康な肉体と、体育能力にもすぐれた人でしたが、

それらを一瞬のうちに失い、絶望の淵に落ちたのです。

その苦しみと試練は過酷でありましたが、入院中に聖書に初めて出会い、

そこから生きる希望と喜びを見出だしたのです。

そうです、「いのちより大切なもの」を知った日から。

私たちにいのちを与え、愛し、育み、生かしてくださる

万物の創造主である神がおられるからです。

私たちのいのちは全能の神の御手の中にあります。

そして神はイエス・キリストによって、私たちに対する驚くべき愛といのちを

示してくださいました。その神の愛によって支えられ、

健康なときも、病むときも、どんな境遇の中にあっても、

生きることができるのです。


「わたしの目には、あなたは高価で尊い。わたしはあなたを愛している。」

(旧約聖書・イザヤ書43:4)


☆ 星野さんの著書:「愛、深き淵より」「風の旅」(以上・立風書房)、

「かぎりなくやさしい花々」「鈴の鳴る道」(以上・偕成社)