**元気の出るダイアル**  2020年11月29日
 

「マリアは月が満ちて男子の初子を産んだ。それで布にくるんで飼い葉おけに寝かせた。宿屋にほ彼らのいる場所がなかったからである」(ルカ2:6-7)

1.歴史の片隅で

神の御子、救い主イエスキリストは今からおそよ2000年前、ユダヤの国のベツレヘムの家畜小屋の中で誕生しました。当時のユダヤの国はヘロデ大王、ロマ初代皇帝オクタビアヌス(アウグスト)、シリア州総督クレニオという世界史に名を留める人物が世界を支配していました。それにくらべてガリラヤ地方の片田舎で貧しい石大工として暮らすヨセフと婚約者マリアはあまりにも無力で小さな存在にすぎません。皇帝が王宮を構える帝国の中心地、世界の都ローマ、王や総督が住む地中海沿いの大都市カイザリア、荘厳な大神殿を支配する大祭司の住む都エルサレムに比べれば、ガリラヤのナザレも、ユダヤのベツレヘムも取るに足りない小さなひなびた寒村に過ぎませんでした。

しかし、そんな隠れた世界の片隅で世界の歴史をひっくり返す、偉大な王、神の御子キリストが人知れず静かに誕生したのでした。

2. 宿には彼らのいる場所がなかった

住民登録を済ませるためナザレからベツレヘムに向かう旅の途上の彼らでしたが、マリアが臨月となり出産まじかになっても泊まる宿がありませんでした。どこもかしこも旅人であふれかえり「客間には彼らのいる場所」(7)がなかったからでした。ユダヤの王がお生まれになる、世界の救い主がお生まれになろうとしていたのに、だれも関心がありませんでした。考えるのは自分のことだけでした。妊婦のために場所を譲ろう、大変だから手助けをしようとする思いやりやいたわりを示す者も誰もいませんでした。

現代においても多くの方々が居場所を失っています。コロナ禍の中でますます絆を失い、人々は居場所を見失い、孤立し、孤独のなかに涙しています。10月にはついに自死者が2000人を超えてしまいました。あなたも今、深い孤独の中に、居場所が見つからないうめきと苦悩の中に人知れず生きておられないでしょうか。

神の御子は、客間ではなく家畜小屋の飼い葉おけの中で、うぶ声をあげ誕生されました。それはあなたの孤独、苦悩、悲しみをともに担うためでした。あなたは決してひとりではありません。大丈夫です。あなたを愛してくださっている神の御子キリストがあなたとともにおられるからです。神の御子の中にあなたは永遠の居場所を持つことができるのです。

今年、教会では12月20日() 午前1030と午後300からクリスマス礼拝、24日()夜7:00からクリスマスイブキャンドルサービスが行われます。

あなたのためにお生まれになった神の御子イエスキリストに感謝と祈りをささげましょう。教会にお越しください。

表紙に戻る