9月のメッセ−ジ 2001年
「家族の救いのために祈ろう」 9月は家族伝道月間
「 次の世に入るのにふさわしく、死人の中から復活するにふさわしいと認められる人たちは、娶ることも嫁ぐこともありません。彼らはもう死ぬことができないからです。彼らは御使いのようであり、また復活の子として神の子供だからです 。」(ルカ20:35)
1 限られた家族関係
イエス様は神の国では、一人一人が死から完全に解放され、御使いのような霊的な存在となり、神の子供とされるので、人間世界のように、「結婚」することも、子を産むことも、しいては「家族関係」も、もはや存在しませんと言われました。「家族の絆」は、この地上の生活にのみ限られているというのです。意外な言葉かもしれません。天国でも一緒に愛する家族と暮らしたいと多くの人々が願っているからです。
地上の世界と永遠の神の国は、そのまま直結したり、連続しているわけではありません。「血肉は神の国を嗣ぐことができません。」「人は新しく生まれなければ神の国に入ることができません。」とイエス様は教えられました。そこには、罪のゆえに生じた越えがたい断絶があります。この非連続性を自覚しなければ家族伝道は力を持つことができません。
ある父親が臨終に際して、末息子に向かって「さようなら」と声をかけました。彼は驚いて「パパ。僕にもお兄ちゃんたちのように、また天国で会おうと言ってちょうだい。」と願いました。すると父親は、「パパは君を誰よりも愛しているよ。でも天国にはいるには一人一人が、信仰という切符を手にしていなければならないんだよ。」と、涙ながらに諭したそうです。
死んだら誰でも、カミになりホトケになる。死んだら誰でも天国へ行ける。あたかも死がすべての免罪符になる、死が解決になってしまう。これは聖書の教えではありません。そのような曖昧な救いを聖書は差し出していません。神の御子イエスキリストの十字架の身代わりの死を信じ、受け入れる者のみが、よみがえり、神の御国を受け継ぎ、天国で愛する人々と再会する喜びを得ることができるのです。十字架を通して差し出された神の救いはそれほど価値がある尊いものなのです。
2 完成する家族関係
家族関係は尊いものです。それは人生の宝であり、幸いな家庭は幸いな人生と結びついています。ところが、家族関係は昔から「骨肉の争い」と表現されるほど実は難しい課題でもあります。
親を巡ってその愛情を兄弟で奪い合う兄弟葛藤を引き起こし、競争、憎悪、対立、遺産争いにまで発展する場合が少なくありません。一番揺るぎないと信じられてきた「母親と幼児」の関係でさえ、大きく揺れており、児童虐待事件が急増している昨今です。最初の殺人事件は、アダムとイブの家庭で起きてしまいました。長男のカインが出来の良い弟アベルを嫉んで、撲殺してしまったのです。以来、すべての人類はこうした罪性を受け継ぎ、地上の家族の絆は不完全なものとなってしまいました。
しかし、天の御国では、キリストの愛によって「神の家族」が結び合わされます。弱さやもろさ、肉欲や罪の性質をもった血肉による「家族愛」は、天国において初めて「神の家族愛」として完成されるのです。
結論的に言えば、地上のすべての家族関係、夫婦関係、親子関係、兄弟関係は、天の御国では「廃し」されるのではなく、ほんらい父なる神様が意図されたように、「完成」されるのです。すばらしいゴ−ルがそこには用意されています。家族問題でもし悩んでいる方、苦労している方、疲れ果てている方、そして失望している方がいらっしゃるならば、どうか希望を持っていただきたいのです。完全な愛に満ちた神様は、あなたの家族の絆を完成させて下さるお方です。この希望があるから、地上においても、たとえ限られた家族関係であっても、互いに仕え合うことを学び合い大切にするのです。
「主イエスを信じなさい。そうすれば、あなたもあなたの家族も救われます。」(使徒16:31)
2001年9月2日