8月のメッセ−ジ 2002年
「蛇のように賢く鳩のように素直に」
「蛇のようにさとく鳩のようにすなおでありなさい」 (マタイ10:16)
イエス様は弟子たちを派遣するにあたって、狼の中に羊を遣わすようなものだから、「蛇のようにさとく、鳩のようにすなおでありなさい」と、心構えを説かれました。このことばは現代においても、意義深い人生を私たちが送る上で、一つの指針となりうると思います。
弟子たちが派遣された当時のユダヤ社会が「狼の群れ」のような凶暴さと破壊に満ちていたように、現代社会も生きてゆく上でたいへん難しくそして厳しい社会だからです
中高年の自殺者数が深刻な経済不況に起因する将来への不安と失望から急増加しています。厳しい時代を生き抜くには、私たちにも賢さとすなおさが必要です。この場合、世渡り上手の賢さや処世術としての悪知恵ではなく、「冷静さ」をあげる事ができると思います。事態が厳しく困難であればあるほど冷静さは大きな解決能力となります。祈り深く神様に信頼するところから霊的な落ち着きは培われてくるのです。
一方、鳩のようなすなおさとは、「シンプル」な人生観に徹することと考えることができます。あれこれ複雑にものごとを考えてすぎて、かえって憶病になり、つまらぬ不安ばかりを募らせてしまうことが往々にしてあります。
クリスチャンの人生観の根底には「イエス様を愛して生きる」という単純かつ明快な喜びと価値があり、しかもその愛は、まず「神が私を愛してくださった」という十字架のキリストの愛にしっかりとかき抱かれています。ひとつの確かな愛にとらえられシンプルに生きることによって事情境遇に支配されない強さと安定感を得ることができるのです。
「神の愛から私たちを引き離すことはできません」 (ロマ書8:39)
(2002年7月28日 礼拝説教より)