【福音宣教】さあ、神の家族になろう 総会メッセージ エペソ2:18-22

2020年4月26日 第37回教会総会 メッセージ  「さあ、今こそ神の家族になろう」

                                      「今は聖徒たちと同じ国民であり、神の家族なのです」((エペソ2:19)                                                                       

おはようございます。教会のみなさん、おかわりありませんか。おからだ大丈夫でしょうか。なにか困ったことがあれば遠慮なくおっしゃってください。

今日は通常ならば宇治バプテスト教会の年次総会礼拝となっており、決算・新年度予算、活動計画が審議され、旧新役員の離任就任式が行われるはずでしたが、特別な状況下にありますので委任状の提出をもって議案の承認とさせていただきます。今年度の教会の主題聖句はエペソ2章19節から「さあ、神の家族になろう」と導かれました。2011年3月に開会堂の献堂式を神様にささげて早くも9年が過ぎました。すばらしい信仰をもっている新しい仲間たちを神様が次々と送ってくださり、バプテスマ者も多く与えられ信徒数も50名を超えるまでに成長しました。もちろん教会は決して数を誇るものではありません。神様によって呼び集められた神の民が一つの家族として結び合わされ、「信仰の家族」として「共に生きる」交わりそのものが教会だからです。私たちも良い家族として歩んでいることを感謝したいです。どの家にも玄関に表札がかかげられているように、エペソ2章19節はすべての教会の玄関に掲げられている目に見えない真実な表札といえます。

1. さあ、いまこそ

今日の宣教では「さあ、いまこそ」神の家族になろうとタイトルをつけさせていただきました。コロナウィルスによる感染拡大が猛威をふるっています。有名タレントが感染して急激に重篤化して亡くなるという報道を見聞きするにつけ、あらためて怖さを覚えます。お葬儀どころか収骨もままならないとなれば、なおさらご遺族の悲しみと無念さはどれほどのものかこころが悼みます

また多くの病院が院内感染を防ぐため面会禁止となっており、コロナ感染症以外の病気で危篤に陥っても最後を家族が看取れないというニュースも聞き、その深刻さを痛感します。

外出や営業の自粛要請が出され、「ステイホーム」の言葉がアナウンスされる中、狭い家の閉ざされた空間内でイライラや不安や緊張といったストレスが昂じて「コロナ鬱」「コロナ離婚」「家庭内暴力」「児童虐待や老人虐待」が急増していると新聞で報道されていました。医療崩壊や介護崩壊の危機だけではなく、いわば最後のよりどころとなる家庭が機能不全を起こし、家庭崩壊が静かに始まっているとも言われています。だからこそ「さあ、いま」神の家族になろうと、主イエスは呼びかけておられます。こんな厳しい時期だからこそ「さあ、神の家族になろう」と私たちも呼びかけたいと願うのです

2. 神の国の家族

この世の家族は、基本的には血のつながった関係あるいは血がつながっていなくても養子縁組で法的につながった家族を指します。なかには有名な芸能人がファンに向かって「あなたたちは私の家族です」と呼び掛けファンが涙を流して喜んだそうです。清水の次郎長一家、イタリアのゴッドファーザーなどのマフィアも、家族に近い強い絆で結ばれていました。家族は確かに友達や仲間以上の存在です。しかしそれはあくまで地上の生活までのことであり、絆が切れる終わりの時がきます。死の淵を超えることができないのです。ところが、聖書が伝える「神の家族」は、天に属する永遠の家族です。「あなたがたの国籍は天にある」(ピリピ3:20)と約束されているからです。永遠なる神の家族ですから、たとえ死を迎えても途切れることは決してありません。むしろ天に移された後のほうが、地上よりもはるかに強い命の絆で父なる神と救い主キリストと結ばれるのです。

イエス様はナインの村で、夫を亡くし、さらに大切に育てた一人息子までも亡くした女性が村人に抱きかかえられるようにして参列している葬儀に出会いました。イエス様はその時、「もう泣かなくてもよい」(ルカ7:13)と彼女にやさしく声をかけ、息子を生き返らせ彼女の手に渡すという奇跡を行いました。これは後の終末の時代に、神の家族は復活し永遠のいのちを与えられ、天国で再会することができるという恵みのしるしでもありました。「もう泣かなくてもよい」と地上のあらゆる涙をぬぐい取ってくださる父なる神(黙示2:4)が天におられ、永遠のいのちを与えてくださり、地上でしばしの別れを経験するとしても、神の国・天国で神の家族として再会できるという希望と喜びが約束されているのです。そうです、私たちは「永遠の神の御国の家族」なのです。

3. キリストにある神の家族

この世の家族が血縁関係で結ばれるとしたら、神の国の家族は「キリストを信じる信仰によって」結ばれる関係です。あえていえば、カルバリの丘の十字架の血による関係で結ばれた家族です。教会は「キリストの血によって買い取られた」(使徒20:28)とはっきり表現されています。子宝のお母さんの日本記録は12人(2017年)だそうですが、ロシアにすむある女性は27回の出産で双子、三つ子、四つ子を含めて67人を産んだそうです。調べていて私はびっくりしました。さすがに一人の母親から100人、1000人の子供が生まれることはありませんね。ところが、キリストを信じる神の家族は、国境を越えて、民族を超え、言葉の違いを超え、世界中で20億人(世界総人口の33%)も誕生しているのです。

家族はふつう、同じ屋根の下でともに暮らします。ところが神の家族の場合は、神の家族が建て上げられていく(これは教会をさしています)ただ中に、「神がともに住む」(22)というのです。たいへん独特な表現です。つまり、私たち一人一人が結ばれて屋根となり家となり聖なる神の宮となるのです。通常、一つの屋根の下に家族が住むものですが、キリストを信じる神の民が家族となり屋根となり家となり、その中にキリストが住まわれるのです。キリストが住んでくださる家だから、そこには自由があり喜びがあり希望があり何よりも愛が満ちるのではないでしょうか。だれもが幸せになれる一つの家、貧しくても喜びが満ちている家、それはキリストが住まわれる神の家族という家ではないでしょうか。

地上の家はどんな豪邸であってもやがて屋根から雨漏りがし、壁も汚れてはがれ落ち、ついには朽ち果てていきますが、神の国の住まいは決して朽ちることはありません。永遠の住まいだからです。地上に建て上げられていく信仰の家族の家、教会にはキリストが住んでおられるのですから、キリストが与えてくださる神の平安(ヨハネ14:27)が失われることもありません。

多くの専門家たちが、新型コロナの影響は、今後1年は続くだろうと予想しています。長引けば長引くほど、地上の家族は多くの試練や危機や問題を抱えたまま家庭崩壊していくリスクも高くなることでしょう。相談できる相手を見つけることも会って話を聴いてもらうことも難しいからです。

だから今こそ、「さあ、神の家族になろう」と、信仰で結ばれた神の家族の中に、あなたの地上の家族を迎えましょう。まだキリストを知らない人々を、神の家族の交わりの中に迎えましょう。そのために私たちの「家族力」を豊かにするときです。今日も午後から相談者が教会に来ます。医療従事者同様、牧師も人との接触が避けられない仕事に従事しています。こんな時代だからこそ、神様の助けを必要とし、救いを必要としている人々が増えることでしょう。
「さあ、神の家族になろう」と祈りつつ、精いっぱいお招きしたいと私は強く願っています。宇治バプテスト教会はすばらしい神の家族だからです。自信をもって私はお招きできます。

こんな時代だからこそ、家族という希望の光はますます輝くのです。

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