ゆりのきキリスト教会>テキスト>礼拝説教2009年11月29日
2009年11月29日 主日礼拝説教
「用意されていた席」(マルコの福音書14章12節〜16節)
■種なしパンの祝い
12種なしパンの祝いの第一日、すなわち、過越の小羊をほふる日に、弟子たちはイエスに言った。「過越の食事をなさるのに、私たちは、どこへ行って用意をしましょうか。」
過越の祭りが始まりました。イエス様が十字架にかかられる前日の木曜日です。その日、過越の子羊が殺され、夜、子羊の肉と種入れないパンを食べる晩餐が行われます。
過越とは、イエス様の時代からおよそ1300年前に、イスラエルの人々が奴隷となっていたエジプトからモーセに率いられ、脱出するという出来事がありました。その脱出する前の晩、神様がエジプトへの最後の刑罰として、エジプト中の長子がすべて殺されることがありました。しかし、その時イスラエルの長子は、神様の命じられたとおり、子羊の血をイスラエルの家の門柱とかもいに塗ることによって救われたのでした。
神様はイスラエルに対して、そのことの感謝と、エジプトから脱出できたことを覚える祭りとして、子羊の肉と種なしパンを食べる過越の祭り、またの名を「種なしパンの祝い」を制定されたのでした。
その祭りをイエス様たちは祝おうとしていました。そのため、皆で子羊の肉と種なしパンを食べる場所が必要でした。それで弟子たちがイエス様に「私たちは、どこへ行って用意をしましょうか」と尋ねたのでした。
■イエス様の指示
13そこで、イエスは、弟子のうちふたりを送って、こう言われた。「都に入りなさい。そうすれば、水がめを運んでいる男に会うから、その人について行きなさい。
イエス様は、それはもう準備してある、頼んであると弟子たちに言われました。都に入ると水がめを運んでいる男がいて、その人について行けば過越の食事の準備をしてある家まで案内してくれるというのです。水がめは、その合図のしるしでした。
16弟子たちが出かけて行って、都に入ると、まさしくイエスの言われたとおりであった。それで、彼らはそこで過越の食事の用意をした。
弟子たちが出かけていくと、そのとおりに運びました。過越の食事をする場所は、「二階の広間」でした。水がめを持って案内した男も、二階の広間の持ち主も、エルサレムにいたイエス様の弟子であったでしょう。弟子たちが知らないうちに、すでにイエス様がこの広間を用意しておられたのでした。それは、すでに、ユダヤ当局が「どうしたらイエスをだまして捕らえ、殺すことができるだろうか、とけんめいであった」ことを、イエス様はわかっていたからでした。
そこは、イエス様と弟子たちだけになる場所でした。祭司長たちが狙う場所の一つになるかもしれません。イエス様は、この夜、過越の食事を弟子たちとしたかったのでした。それは、後の教会のための聖餐式の制定のためでした。
イエス様は、過越の祭りのさなか、ユダヤの指導者によって捕らえられ、十字架にかけられました。それは、神の子であられるイエス様の流される血が、今度はイスラエルの人たちだけではなく、すべてイエス様が愛しておられる人々の罪を代わりに負ってくださり、救い出してくださるためでした。
■用意されていた席
イエス様は、最後の晩餐の席で弟子たちに、イエス様の十字架の死は私たちのために天国にその席を用意するため、イエス様を信じる人たちに天国に入れてくださるためであるとおっしゃいました。
ヨハネの福音書14:2「わたしの父の家には、住まいがたくさんあります。もしなかったら、あなたがたに言っておいたでしょう。あなたがたのために、わたしは場所を備えに行くのです。」
その住まいが私たちのために用意されています。イエス様はそこに入られました。そしてイエス様を信じて召された人たちがそこに入れられ、あとから来る人たちを待っているのです。私たちも、そのような席が用意されていることを覚え、天国に共に入る望みを抱いて歩み続けたいと思います。
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