ゆりのきキリスト教会>テキスト>礼 拝説教2012年7月29日
2012年7月29日 主日礼拝説教
「イエス・キリストに会う」(マタイの福音書28章1節〜15節)
先回はイエス様の葬りでした。アリマタヤのヨセフは、自分が持っていた新しい墓にイエス様の体を葬りました。ユダヤの墓は岩を掘り抜いた横穴式で、そこに 遺体を安置し、入口に大きな石を転がしてふさぎました。墓石には封印がされ、墓の前には兵士たちが番をしました。
土曜日の日没が過ぎて「安息日が終わった」ので、日曜日の朝、女の弟子たちが墓にやってきました。
1さて、安息日が終わって、週の初めの日の明け方、マグダラのマリヤと、ほかのマリヤが墓を見に来た。
葬りの時は、男たちのアリマタヤのヨセフとニコデモがイエス様の体に香油を塗り、布を巻きつけましたが、今度は女たちでゆっくりとていねいにイエス様の体に油を塗ろうとしていました。
墓に行く道々、彼女たちは「墓の入口からあの石をころがしてくれる人が、だれかいるでしょうか」と話し合っていました。墓に行く途中に地震が起こりました。墓に着いて見ると石がころがされていました。御使いが来て、したことでした。
2すると、大きな地震が起こった。それは、主の使いが天から降りて来て、石をわきへころがして、その上にすわったからである。3その顔は、いなずまのように輝き、その衣は雪のように白かった。4番兵 たちは、御使いを見て恐ろしさのあまり震え上がり、死人のようになった。
墓の前にいた番兵たちは逃げて行きました。マリヤたちが墓の中に入ると、イエス様の体がなくなっていました。
5すると、御使いは女たちに言った。「恐れてはいけません。あなたがたが十字架につけられたイエスを捜しているのを、私は知っています。6ここにはおられません。前から言っておられたように、よみがえられたからです。来て、納めてあった場所を見てごらんなさい。
御使いは、イエス様がよみがえられたことを伝えました。「ここにはおられません。よみがえられたからです。」十字架で死んだイエス様は確かにここに 葬られ ましたが、ここにはその体がありません。どこかに移したのではなく、よみがえられた、というのです。
イエス様のよみがえりの体は、閉めきった部屋にも自由に出はいりでき、また突然消えたり、別のところに現れたりすることができる霊的な体を持っていました。ですからイエス様は、墓の前の石を取り除けなくても出てくることができました。石を取り除けたのは、弟子たちに墓の中を見せ、弟子たちにイエス様がよみがえられたことを教え、信じさせるためでした。
しかし彼女たちは、いくら御使いがそう伝え、墓が空であっても、復活をすぐに信じられたわけではありませんでした。これまでイエス様は、ご自分がよみがえ ることをたびたび預言されていましたが、弟子たちのうち、だれひとりとしてそれを信じる者がいなかったのでした。
ですから確かにイエス様が復活なさったことがわかるように、弟子たちにイエス様がお会いなり、新しい使命を与えようとされたのでした。御使いは告げました。
7ですから急いで行って、お弟子たちにこのことを知らせなさい。イエスが死人の中からよみがえられたこと、そして、あなたがたより先にガリラヤに行かれ、あなたがたは、そこで、お会いできるということです。では、これだけはお伝えしました。」
まず、「弟子たちにこのことを知らせる」ように命じました。弟子たちはイエス様が逮捕された時、イエス様を見捨てて逃げていってしまいました。そのような弟子たちを、イエス様はもう一度召し出そうとしていたのです。
イエス様の働きはガリラヤから始まりました。イエス様は、弟子たちより先にガリラヤに行っているというのです。イエス様がかつてガリラヤで約束された「人間をとる漁師にしてあげよう」という約束を実現させるためでした。
8そこで、彼女たちは、恐ろしくはあったが大喜びで、急いで墓を離れ、弟子たちに知らせに走って行った。
それを聞いた弟子たちが走って墓まで見に行ったことが、ヨハネの福音書に記されています。
ヨハネの福音書20:1−3「1さて、週の初めの日に、マグダラのマリヤは、朝早くまだ暗いう ちに墓に来た。そして、墓から石が取りのけてあるのを見た。2それで、走って、シモン・ペテロと、イエスが愛された、もうひとりの弟子とのところに来て、言った。「だれかが墓から主を取って行きました。主をどこに置いたのか、私たちにはわかりません。」3そこでペテロともうひとりの弟子は外に出て来て、墓のほうへ行った。」
墓についたペテロともうひとりの弟子(ヨハネ)は、確かにイエス様の体が消えてしまったことを知りました。巻いた亜麻布の中から、体だけが消えてしまって、イエス様の体を包んでいた亜麻布と、イエス様の頭をおおっていた小さな布は巻かれたまま残っていました。
しかし、弟子たちにとってイエス様が復活されたことはまだ半信半疑でした。次にイエス様は、マグダラのマリヤに、そして他の女たちに現れてくださいました。
9すると、イエスが彼女たちに出会って、「おはよう」と言われた。彼女たちは近寄って御足を抱いてイエスを拝んだ。10すると、イエスは言われた。「恐れてはいけません。行って、わたしの兄弟たちに、ガリラヤに行くように言いなさい。そこでわたしに会えるのです。」
女たちは「御足を抱いてイエスを拝」みました。女たちは、今までとは違う神ご自身であられるイエス様に出会い、礼拝したのでした。十字架にかかり、死んで 葬られたことを見ていた女たちが、今はイエス様が生きておられることを実際に見て、イエス様を礼拝したのでした。
さて墓の番をしていた番兵たちです。
11女たちが行き着かないうちに、もう、数人の番兵が都に来て、起こった事を全部、祭司長たちに報告した。
番兵たちは、地震が起こり、墓の石が転がり、御使いが現れるという場面に直面しました。彼らは、いつまでもそこに倒れているわけにはいきませんでした。エ ルサレムの祭司長たちのところに行き、起こったこと、墓にあったイエス様の体がなくなったことを報告しました。
12そこで、祭司長たちは民の長老たちとともに集まって協議し、兵士たちに多額の金を与えて、13こ う言った。「『夜、私たちが眠っている間に、弟子たちがやって来て、イエスを盗んで行った』と言うのだ。
祭司長たちはそのことを確かめることもせず、見張っていなかった番兵たちをとがめることなく、お金を与えて偽証させることにしました。「夜、私たち が眠っ ている間に、弟子たちがやって来て、イエスを盗んで行った。」
そのようなことにならないように、墓に封印をし、寝ずの番を命じられていた番兵たちでした。自分たちがその命令を守らず、寝てしまったなど言いたくないことでした。もし眠ってしまって職務を全うできなかったのであれば、死刑になるかもしれないほどの罪でした。また寝ていたならば、どうして弟子が盗んだとわかるのでしょうか。
15そこで、彼らは金をもらって、指図されたとおりにした。それで、この話が広くユダヤ人の間に広まって今日に及んでいる。
その話が真実であるかのように広まり、マタイの福音書が書かれた、十字架から30年後の時まで、それが人々の間では知られていることでした。さらに2世紀 に書かれたキリスト教に反対する文書にも、弟子たちが盗んだことがほんとうであるかのように記されています。
しかし、弟子たちはイエス様に会って変えられました。大胆に、多くの人に向かって、いつもイエス様がよみがえられたことを語りました。
使徒の働き2:32「神はこのイエスをよみがえらせました。私たちはみな、そのことの証人です。」
使徒の働き3:15「あなたがたは、いのちの君を殺しました。しかし、神はこのイエスを死者の中からよみがえらせました。私たちはそのことの証人です。」
使徒の働き5:29−30「29ペテロをはじめ使徒たちは答えて言った。「人に従うより、神に従うべきです。30私たちの父祖たちの神は、あなたがたが十字架にかけて殺したイエスを、よみがえらせたのです。」
弟子たちの別人のような力強い行動は、もし復活がなかったならば説明できないほどの変わりようでした。
コリント人への手紙第1、15:17「そして、もしキリストがよみがえらなかったのなら、あなたがたの信仰はむなしく、あなたがたは今もなお、自分の罪の中にいるのです。」
私たちは、イエス様の十字架と葬りと復活を見てきました。これは、私たちの罪が十字架によって赦され、私たちが義とされる(私たちが神様の前で正しい者と される)ことが、私たちの目に見える形で明らかにされた出来事でした。
ローマ人への手紙4:25「主イエスは、私たちの罪のために死に渡され、私たちが義と認められるために、よみがえられ
たからです。」
イエス様は今も生きておられます。イエス様は今も生きておられ、私たちを助けていてくださいます。その復活の喜びを今日も覚えたいと思うのです。
ゆりのきキリスト教会>テキスト>礼 拝説教2012年7月29日