ゆりのきキリスト教会＞テキスト＞礼拝説教2012年9月9日
2012年9月9日 主日礼拝説教
「聖霊に満たされ」（使徒の働き２章１節〜１３節）
イエス様は弟子たちに、聖霊が降ることを約束しておられました。そのことが実現した記録が今日の箇所です。ペテロたちは、待つことから全世界に出て行くことになります。聖霊の降ったことによって教会が始まりました。
1五旬節の日になって、みなが一つ所に集まっていた。
「五旬節」は、ギリシヤ語で「ペンテコステ」と呼ばれているユダヤ教の祭りで、過越の祭りから５０日目に行われました。過越の翌日から７週を数えたので「７週の祭」とも言われました。その時期は小麦の収穫がある季節であったので、小麦の初穂がささげられました。ユダヤ教では、過越祭とペンテコステ、さらに秋に行われる仮庵祭が三大祭となっていました。
イエス様は過越の祭りの日に十字架にかかられ、私たちを罪から救ってくださいました。それから５０日目、ペンテコステの祭りの日がやってきました。エルサレムは神殿にやってくる人たちでにぎわっていました。その日、「みなが一つ所に集まっていた」のでした。
１章１５節を見ると、「そのころ、百二十名ほどの兄弟たちが集まっていた」とあります。これらの人たちが、ペンテコステの日に「一つ所に集まっていた」のです。天に帰られたイエス様の言いつけを守って、信じた者たちが集まり、祈りを共にしていました。
彼らは一つ所、それは泊まっていた家なのか神殿のどこかなのかはっきりわかりませんが、彼ら１２０人のいた所に不思議なことが起こりました。
2すると突然、天から、激しい風が吹いて来るような響きが起こり、彼らのいた家全体に響き渡った。3また、炎のような分かれた舌が現れて、ひとりひとりの上にとどまった。
１２０人の弟子たち、ひとりひとりに聖霊が降りました。聖霊が降ったことを示す２つのしるしがありました。第１のしるしは音でした。「天から、激しい風が吹いて来るような響きが起こり」とあります。しかも「彼らのいた家全体に響き渡った」とありますから、神の御霊が降ったことは、その場にいた人たちにはっきりと感じ取れるような現象でした。
もう一つのしるしは、「炎のような分かれた舌が現れて、ひとりひとりの上にとどまった」ことでした。「ひとりひとりの上に」とありますので、１２０人全員に「炎のような分かれた舌」があったと考えていいでしょう。これは目に見える具体的なしるしでした。「舌が現れて」とは、ことばを語ることを意味していました。ですから彼らは語り出したのです。
4すると、みなが聖霊に満たされ、御霊が話させてくださるとおりに、他国のことばで話しだした。
天から降って来た聖霊に満たされた弟子たちは、御霊に導かれるままに、外国のことばで話し始めました。このことばを聞いた人々がいました。
5さて、エルサレムには、敬虔なユダヤ人たちが、天下のあらゆる国から来て住んでいたが、6この物音が起こると、大ぜいの人々が集まって来た。彼らは、それぞれ自分の国のことばで弟子たちが話すのを聞いて、驚きあきれてしまった。
エルサレムに来ていたユダヤ人でした。彼らは離散のユダヤ人で、「ディアスポラ」と言って、世界各地でユダヤ教に教えを守っていた敬虔な人たちでした。彼らはペンテコステのために、エルサレムに帰ってきていました。大きな音に驚いて集まってきた人たちは、そこで自分たちの生まれ故郷のことばで話し始めた弟子たちを見て驚きました。
7彼らは驚き怪しんで言った。「どうでしょう。いま話しているこの人たちは、みなガリラヤの人ではありませんか。8それなのに、私たちめいめいの国の国語で話すのを聞くとは、いったいどうしたことでしょう。
エルサレムから離れた田舎のガリラヤの人が外国のことばを話すなんて、これはいったいどういうことでしょう、というわけです。
9私たちは、パルテヤ人、メジヤ人、エラム人、またメソポタミヤ、ユダヤ、カパドキヤ、ポントとアジヤ、10フルギヤとパンフリヤ、エジプトとクレネに近いリビヤ地方などに住む者たち、また滞在中のローマ人たちで、11ユダヤ人もいれば改宗者もいる。またクレテ人とアラビヤ人なのに、あの人たちが、私たちのいろいろな国ことばで神の大きなみわざを語るのを聞こうとは。」
これらの地名を見ると、彼らはエルサレムの周りの国からやってきた人たちでした。現在の国で言えば、北のイラン、イラクのあたり、南のエジプトと北アフリカ一帯、東のアラビヤ、西のトルコ、さらに遠くローマからの人たちでした。生まれながらのユダヤ人もいましたし、異邦人からの「改宗者」たちもいました。
その彼らが「自分たちの国のことばで神の大きなみわざを語る」のを聞いたのです。彼らは自分たちが住んでいた、その国のことばで神様の大きなみわざ、十字架によるイエス様の救いを聞くことができたのでした。
聖霊が与えられるというお約束の一つはこうでした。
使徒の働き１：８「しかし、聖霊があなたがたの上に臨まれるとき、あなたがたは力を受けます。そして、エルサレム、ユダヤとサマリヤの全土、および地の果てにまで、わたしの証人となります。」
この約束がこの日に実現しました。キリストの復活の証人として、ことばと民族の壁を越え、すべての人々に福音を伝えていくことができる力が与えられたのです。
12人々はみな、驚き惑って、互いに「いったいこれはどうしたことか」と言った。13しかし、ほかに「彼らは甘いぶどう酒に酔っているのだ」と言ってあざける者たちもいた。
そこにいた人たちの反応でした。これはどうしたことか、何が起こったのか私たちは知りたいという人たちと、「ぶどう酒に酔っているのだ」というあざける人たちでした。
それについてこの後、ペテロが立ち上がって「この人たちは酔っているのではありません」と声を張り上げて人々に語り始めるのです。
使徒の働き２：３−３３「32神はこのイエスをよみがえらせました。私たちはみな、そのことの証人です。33ですから、神の右に上げられたイエスが、御父から約束された聖霊を受けて、今あなたがたが見聞きしているこの聖霊をお注ぎになったのです。」
それを聞いた人々は「心を刺され、ペテロとほかの使徒たちに、『兄弟たち。私たちはどうしたらよいでしょうか』」と尋ねました（３７節）。そこでペテロが答えます。「悔い改めなさい。そして、それぞれ罪を赦していただくために、イエス・キリストの名によってバプテスマを受けなさい。そうすれば、賜物として聖霊を受けるでしょう。」（３８節）。
これがペンテコステの日に起こった出来事でした。それは不思議な出来事でしたが、その目的は「イエス・キリストの証人」として、聖霊の賜物、聖霊の力を受けたイエス様の弟子たちを地の果てにまで遣わすためでした。
こうして教会が誕生しました。教会は人間の働き、人間の意思によってではなく、超自然的な奇蹟を通して、上からの力、神の御霊によって浸され、浸けられる「聖霊のバプテスマを受ける」ことによって生み出されたのでした。この聖霊によって次々と教会を生み出され、建て上げられていくのです。
この日ペテロの説教によって、３０００人が教会に加えられました。そして教会は聖霊の働きによって、爆発的に発展していくのです。使徒の働きのなかに、そのことが何度も記されています。
使徒の働き６：７「こうして神のことばは、ますます広まって行き、エルサレムで、弟子の数が非常にふえて行った。そして、多くの祭司たちが次々に信仰に入った。」
使徒の働き９：３１「こうして教会は、ユダヤ、ガリラヤ、サマリヤの全地にわたり築き上げられて平安を保ち、主を恐れかしこみ、聖霊に励まされて前進し続けたので、信者の数がふえて行った。」
使徒の働き１２：２４「主のみことばは、ますます盛んになり、広まって行った。」
聖霊が教会を励まし、教会はそれによって前進し続けたので、救われる人が増し加えられていきました。私たちのひとりひとりに、またゆりのきキリスト教会に与えられた聖霊のお働きを信じて歩んでいきたいと思います。
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