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2014年1月19日 主日礼拝説教
「主のことばが広まっていく」(使徒の働き19章13節〜22節)
パウロは第3回伝道旅行でエペソにやってきました。エペソで3か月間、ユダヤ会堂で、そのあと、そこで語ることができなくなってツラノの講堂に移り、そこで毎日のようにみことばを語りました。それが、アジヤ州のあちこちに教会が生まれる働きになったのでした。
13ところが、諸国を巡回しているユダヤ人の魔よけ祈祷師の中のある者たちも、ためしに、悪霊につかれている者に向かって主イエスの御名をとなえ、「パウロの宣べ伝えているイエスによって、おまえたちに命じる」と言ってみた。
悪霊追放を商売にしている人たちがいました。彼らは、どんな問題でもそれにふさわしい神の名を呼ぶことができるように、神々の名の一覧表を持っていたそうです。
イエス様の時代もそのような人がいました。
ルカの福音書11:19「もしもわたしが、ベルゼブルによって悪霊どもを追い出しているのなら、あなたがたの仲間は、だれによって追い出すのですか。だから、あなたがたの仲間が、あなたがたをさばく人となるのです。」
イエス様が悪霊を追い出す奇蹟を行った時に、人々は、イエス様がそのようなことができるのは、イエス様がベルゼブル(悪霊のかしら)だからだと言って非難しました。イエス様は、それなら「あなたがたの仲間」(ユダヤ人)で悪霊を追い出している人たちはどうなのかと尋ねた箇所です。
そのようなユダヤ人祈祷師がエペソにもいて、イエス様の名前を試しに使って悪霊を追放しようとしました。
14そういうことをしたのは、ユダヤの祭司長スケワという人の七人の息子たちであった。15すると悪霊が答えて、「自分はイエスを知っているし、パウロもよく知っている。けれどおまえたちは何者だ」と言った。
悪霊追い出しは失敗に終わりました。男に取り付いていた悪霊が、お前たちはイエスの名を使うことができる資格があるのかとただしました。
悪霊は、イエス様がどういうお方なのか知っていましたし、イエス様の力を恐れていました。イエス様に出会った悪霊はイエス様を神の聖者と呼びました。
ルカの福音書4:34「ああ、ナザレ人のイエス。いったい私たちに何をしようというのです。あなたは私たちを滅ぼしに来たのでしょう。私はあなたがどなたか知っています。神の聖者です。」
ですから悪霊は、スケアの息子たちのこともよくわかっていました。知っていて「おまえたちは何者だ」と脅したわけです。
16そして悪霊につかれている人は、彼らに飛びかかり、ふたりの者を押さえつけて、みなを打ち負かしたので、彼らは裸にされ、傷を負ってその家を逃げ出した。
悪霊につかれている男が悪霊によって暴れ始め、スケワの息子たちを攻撃し始めました。スケワの息子たちは衣服をはぎとられながらも、ようやくの思いで逃げることができました。
17このことがエペソに住むユダヤ人とギリシヤ人の全部に知れ渡ったので、みな恐れを感じて、主イエスの御名をあがめるようになった。
このことがエペソ中の人々に知られることになりました。迷信深い人たちに、恐れとイエスに対する称賛が起こり、多くの人がキリスト教に回心しました。
イエス様の力が悪魔の力に勝った。これは、このような地域でキリスト教が広まるための方法でした。しかし、このようにして回心した人たちが、さらに異教的習慣から離れさせる出来事が起こりました。
キリスト教会に加わっても、いまだ古い習慣の中にとどまっていることはよくあることでした。しかしそれは、聖霊の働きによってしだいに矯正されていくものでした。
コリント教会には、信者になったばかりの人が不道徳なことを続けたり、偶像の神殿で食事をすることを公然と行っていました。
コリント人への手紙第1、5:1「あなたがたの間に不品行があるということが言われています。しかもそれは、異邦人の中にもないほどの不品行で、父の妻を妻にしている者がいるとのことです。」
コリントの教会の人たちはパウロの教えによって、これらが罪深いことであることがわかったのでした。ここエペソでは、大挙して行った具体的な行動によってそれが促進されました。
18そして、信仰に入った人たちの中から多くの者がやって来て、自分たちのしていることをさらけ出して告白した。19また魔術を行っていた多くの者が、その書物をかかえて来て、みなの前で焼き捨てた。その値段を合計してみると、銀貨五万枚になった。
信徒たちは、悪霊を追い出そうとする魔術が無益であり、罪深いものであることを知らされました。それで「自分たちのしていることをさらけ出して告白」しました。神様に対していい加減であったこと、また罪をそのままにしておいたことなどを、すべて神様の前で告白したのでした。
ヨハネへの手紙第1、1:9「もし、私たちが自分の罪を言い表すなら、神は真実で正しい方ですから、その罪を赦し、すべての悪から私たちをきよめてくださいます。」
その罪の告白のなかで、神様から示され、信徒になってもまだ手放すことができなかった魔術書やまじないのお札などを持ってきて、公衆の前で燃やしました。これは「銀貨五万枚」、5万デナリの値段に相当するものでした。1デナリは1日分の賃金なので、これは5万人の日当に当たる金額、今でいえば何百万円にもなる量でした。
20こうして、主のことばは驚くほど広まり、ますます力強くなって行った。
クリスチャンが霊的に成長していきました。人々は、ツラノ講堂で語るパウロによって「主のことば」を聞きました。その主のことばが「ますます力強くなって行った」のでした。その人たちの生活にも神様のことば、神様の教えが及ぼされて行ったのでした。
■マケドニヤ、アカヤを通って
21これらのことが一段落すると、パウロは御霊の示しにより、マケドニヤとアカヤを通ったあとでエルサレムに行くことにした。そして、「私はそこに行ってから、ローマも見なければならない」と言った。
パウロは3年の滞在期間を迎えて、エペソを離れ、エルサレムに行こうと考えるようになりました。エペソからマケドニヤ(ピリピ、テサロニケ、ベレヤ)、アカヤ(アテネ、コリント)を訪問し、その人たちを励ましてから、エルサレムに帰ることにしました。また、エルサレム教会のために集められていた献金を受け取り、それをエルサレムに持っていくためでもありました。
コリント人への手紙第1、16:2−3「2私がそちらに行ってから献金を集めるようなことがないように、あなたがたはおのおの、いつも週の初めの日に、収入に応じて、手もとにそれをたくわえておきなさい。3私がそちらに行ったとき、あなたがたの承認を得た人々に手紙を持たせて派遣し、あなたがたの献金をエルサレムに届けさせましょう。」
コリント人への手紙第1は、ここエペソから書かれました。
ローマ人への手紙15:25−26「25ですが、今は、聖徒たちに奉仕するためにエルサレムへ行こうとしています。26それは、マケドニヤとアカヤでは、喜んでエルサレムの聖徒たちの中の貧しい人たちのために醵金することにしたからです。」
ローマ人への手紙は、このあとコリントを訪問した時、そこで書かれました。
さらにパウロは、エルサレムから先のローマを訪問する目標を立てていました。「ローマも見なければならない」とは、神様が必ずそうする、神様のご計画がそうであるという確信から来ることばでした。
パウロは、ローマにあてた手紙に、イスパニヤにも足を延ばしたいと書いています。
22そこで、自分に仕えている者の中からテモテとエラストのふたりをマケドニヤに送り出したが、パウロ自身は、なおしばらくアジヤにとどまっていた。
「テモテとエラスト」は、エルサレム教会に送る献金をあらかじめ集めるために送られました。このあとパウロは、エペソでただならぬ騒動に巻き込まれることになります。
ルカの福音書8:15「良い地に落ちるとは、こういう人たちのことです。正しい、良い心でみことばを聞くと、それをしっかりと守り、よく耐えて、実を結ばせるのです。」
「主のことばは驚くほど広まり、ますます力強くなって行った。」主のことばは、それぞれの思いに働き、生活を改め、実を結ばせてくださいました。それをエペソの教会で、「銀貨五万枚」もの魔術書を焼くという行為になりました。
私たちも、みことばによって「しっかりと守り、よく耐えて、実を結ばせる」歩みを続けたいと思います。
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