ゆりのきキリスト教会テキスト礼拝説教2015年5月3日


2015年5月3日 主日礼拝説教
「目を上げて畑を見なさい」〜イエス・キリストの生涯32. サマリヤの女との対話3〜(ヨハネの福音書4章25節〜38節)

■はじめに

 4章から始まったサマリヤの女とイエス様の対話の3回目になります。イエス様はサマリヤの女に、「わたしが与える(生ける)水を飲む者はだれでも、決して渇くことがありません。わたしが与える水は、その人のうちで泉となり、永遠のいのちへの水がわき出ます」(14節)と言われました。その後、女は自分には隠していた5人の夫がいたことをイエス様が知っておられたことに驚き、イエス様が神から遣わされた預言者ではないかと考えました。
 さらにイエス様は、神様が求めておられる礼拝についてお話しなさいました。「神は霊ですから、神を礼拝する者は、霊とまことによって礼拝しなければなりません。」(24節)そう言われて女はイエス様に言いました。

■わたしがそれです

25女はイエスに言った。「私は、キリストと呼ばれるメシヤの来られることを知っています。その方が来られるときには、いっさいのことを私たちに知らせてくださるでしょう。」

 女は、救い主キリスト対する希望と信仰を明かしました。
 女は、生ける水について教えられ、それを欲しいと願いました。罪を指摘され、自分の心をすべて知っておられるお方を知りました。礼拝は今までのサマリヤの山で行われるのではなく、どこででも「霊とまことによって」行うことを教えられました。これから自分はどうしたらよいのか。そのことは、やがて救い主がやってくれば、すべて解決してくださるにちがいないと考えました。

26イエスは言われた。「あなたと話しているこのわたしがそれです。」

 イエス様は、女にはっきりと、ご自分がキリストであることを明かされました。女は、目の前にいるお方がキリストであることを信じました。それを口に言い出そうとしていたところに、ちょうど弟子たちが食物を買って町から帰ってきました。

■来て、見てください

 弟子たちは、イエス様がサマリヤ人の女と話していることに驚きました。サマリヤの女も、自分にユダヤ人のイエス様から話しかけられ、水を求めたことに驚いたのです。弟子たちも同じでした。
 しかし弟子たちはイエス様に、女から何を求めておられるのですか。なぜ彼女と話しておられるのですか、と聞くことをしませんでした。それは、イエス様に対する畏敬の念、畏れの思いを持っていたからでした。イエス様は、お話しする時がくればそうされるであろうと思っていました。

28女は、自分の水がめを置いて町へ行き、人々に言った。

 女は今イエス様から教えられ、自分が信じたことを急いで友人、隣人に伝えたいと思いました。水くみの仕事をそのままにして、スカルの町に戻り、町にいた人たちに伝えました。

29「来て、見てください。私のしたこと全部を私に言った人がいるのです。この方がキリストなのでしょうか。」

 女は、最も簡潔に、しかも最良の方法でイエス様のことを伝えました。かつてピリポがナタナエルに言ったことばと同じでした。

ヨハネの福音書1:46「ナタナエルは彼に言った。「ナザレから何の良いものが出るだろう。」ピリポは言った。「来て、そして、見なさい。」」

 女はサマリヤの人たちに、自分の犯した罪を知っておられるお方がいたことを告げました。女から聞いた人たちは、井戸の所にやってきました。

■弟子たちとの対話

31そのころ、弟子たちはイエスに、「先生。召し上がってください」とお願いした。32しかし、イエスは彼らに言われた。「わたしには、あなたがたの知らない食物があります。」

 イエス様は弟子たちに、サマリヤの女とのことから大切な真理を教え始めました。
 弟子たちは、イエス様から「わたしには、あなたがたの知らない食物があります」と言われ、ひそひそと語り合いました。「食物」ということばを、物質的なものとしかとれなかったのです。自分たちが町に行っている間に、だれかがもうイエス様に食べ物をあげたのだろうか、と思ってしまいました。

34イエスは彼らに言われた。「わたしを遣わした方のみこころを行い、そのみわざを成し遂げることが、わたしの食物です。

 神様のみこころを行い、その働きを成し遂げ、実りを見ることはご自分にとって喜びであり、それは食物を食べて元気が出るようなものです。神様の教えが広く宣べ伝えられ、そのことによって信じ、救われる人たちが起こされることが、神様のみこころでした。

35あなたがたは、『刈り入れ時が来るまでに、まだ四か月ある』と言ってはいませんか。さあ、わたしの言うことを聞きなさい。目を上げて畑を見なさい。色づいて、刈り入れるばかりになっています。

 イエス様はユダヤのことわざを2つ引用されました。「種まきと刈り入れの間は4か月ある」と言われますが、霊的な刈り入れはもっと早く始まるのです。サマリヤの人たちは、女にまず種がまかれ、その日にもう実って刈り入れができるばかりになっています。
 「目を上げて畑を見なさい」と言われた時に、イエス様のほうに近づいているサマリヤ人の集団が見えたでしょう。それにイエス様は、サマリヤ人だけでなく、これから信じていくユダヤ人、さらに全世界の人たちが「刈り入れるばかりになって」いることを見ていたのです。

36すでに、刈る者は報酬を受け、永遠のいのちに入れられる実を集めています。それは蒔く者と刈る者がともに喜ぶためです。

 「刈る者」とは弟子たちのことでした。彼らは報酬を受けるのです。「蒔く者」とは旧約の預言者たち、そしてバプテスマのヨハネでした。
 「蒔く者と刈る者がともに喜ぶためです。」魂の刈り取りでは、そのために働いたすべての者が永遠に喜びを分かち合うことができるのです。今では、教会学校や子どもたちへの伝道、ミッションスクールなどの働きを通して種がまかれているのです。

37こういうわけで、『ひとりが種を蒔き、ほかの者が刈り取る』ということわざは、ほんとうなのです。

 イエス様は2つめのことわざを引用されました。種をまく者と刈り取りをする者とは同じ人とは限らない、ということです。
 旧約の預言者やバプテスマのヨハネが労苦して土地を耕し、種をまきました。今は実って刈り取るばかりになっているのです。これからは、弟子たちが出かけて行ってキリストが来たことを宣べ伝えれば、刈り取ることができるようになっているのです。
 イエス様はまだ起こっていないことを、38節で「あなたがたを遣わしました」と完了形で話し、それがすでに成就したこととして語っています。

■創立記念日

 きょう創立9周年記念日を迎え、私たちにも、それが成就したことを感謝します。ゆりのきキリスト教会で豊かな実が結ばれ、刈り取りができているので。
 私たちは、この所で9年間、毎週礼拝をささげてきました。毎年、新しい人、洗礼を受ける人、転入会する人が加えられてきました。みな神様が送ってくださった人たちでした。私たちはこれからも、この教会で信仰を守っていきたいと思います。10年目のゆりのきキリスト教会が恵みと祝福にあふれる教会となりますよう祈りつつ歩んでいきたいと思います。


ゆりのきキリスト教会テキスト礼拝説教2015年5月3日