イエスさまと話そう40  
『バルテマイ』 マルコ 10:46-52 
  
今週の聖書箇所は、盲目(だった)の男・バルテマイです。 
この箇所から、「明確な求め」をテーマにメッセージしたいと思います。 
  
私がブラジルに来たのは、次のきっかけからでした。 
ロスアンゼルス旅行での帰りの飛行機の中、私は1人の日系ブラジル人に出会いました。 
それまで、ブラジルに日系人がいることを知らなかった私は、帰宅途中の新幹線の中でこう祈りました。 
「神様、私がブラジルへ伝道者としていくのなら、何かしるしをください」 
神様は誠実な方です。 
帰宅後すぐに神様は、はっきりとわかるしるしをくれたのです。 
  
その後も、何度も挫折しそうになった私のために、神様は祈りに誠実に答え続けてくれました。 
きっかけは、新幹線の中の祈りでした。 
私は、「ブラジルに行くことなんかないだろう」と思って、うかつに祈ってしまったのです。 
新幹線の中の、「うかつな祈り」が、「神様の誠実な答え」によって実を結んだのです。 
私はこれを、「うかつな祈りの法則」と読んでいます。 
うかつな祈りが、神様の誠実な答えによって実を結び、喜びの人生が始まるのです。 
これは私だけではなく、多くの伝道師や牧師、キリスト者にとって共通の経験ではないでしょうか。 
  
この「うかつな祈りの法則」の秘訣こそが、明確な求めなのです。 
バルテマイの求めは、次の3点において明確でした。 
第1点 相手が明確…「ダビデの子のイエスさま。」(47,48節) 
第2点 気持ちが明確…「あわれんでください。」(47,48節) 
第3点 内容が明確…「目が見えるようになることです。」(51節) 
以下、順に見ていきましょう。 
  
第1点 相手が明確…「ダビデの子のイエスさま。」(47,48節) 
彼は明確にイエスさまに対して求めました。 
しかし、彼はイエスさまを完全に理解していたわけではありません。 
むしろ、ほとんど知っておらず、間違えた理解しかしていなかったことでしょう。 
ただ一つ、彼は次のことを知っていました。 
イエスさまは信頼するに足る人、愛ある人、力ある人である。 
これで十分なのです。 
イエスさまと私たちとの出会いは、神学や哲学の探求の末にあるのではありません。 
そうではなく、人格としてのイエスさまとの出会いが大切なのです。 
「私の救いのために、十字架でいのちを捨てた神の子」それだけでいいのです。 
  
第2点 気持ちが明確…「あわれんでください。」(47,48節) 
彼は本当の気持ちを隠さずに述べました。 
これが大切なことです。 
  
これとは逆に、本当の気持ちを隠す言葉として「なんで、・・・?」があります。 
たとえば、「なんで、イスに座って足をブラブラさせているの?」という問いは、 
「イスに座って足をブラブラするのをやめましょう」という本当の気持ちが隠されてしまった言葉なのです。 
違う気持ちで発した問いかけなので、相手からの返事に満足できないのです。 
  
本当の気持ちを隠すことが習慣になると、ついには、本当の気持ちが見えなくなります。 
私たちは、自分の本当の心や気持ちを表す訓練をすべきです。 
これは、自分自身を探すことでもあります。 
  
また、ここでバルテマイが「あわれんでください」と求めたことは、相手(イエスさま)の人格を正確につかんでいる証拠でもあります。 
  
第3点 内容が明確…「目が見えるようになることです。」(51節) 
求めの内容が明確なら、神様の答えも明確に受け取りやすくなります。 
求めが不明確では、答えが何かをつかみ損なってしまいます。 
神様は自由な方ですから、いろいろな方法で、私たちに答えます。 
人を通して、話や本を通して、環境を通して等々。 
明確に神様からの答えをつかみたいものです。 
もちろん、不完全な私たちは、誤解や曲解もあるでしょう。 
求めていたことの逆の答えの場合もあるでしょう。 
しかし、確かなことは、神様は私たちへの最善を用意してくださっているということです。 
  
明確な求めと明確な答えから、感謝の人生が始まります。 
「なんで?」からは、なかなか始まりません。 
あなたの本当の気持ちに、たましいの叫びに、神様の愛を注ぎましょう。 
それは人生を変えるエネルギーです。 
そのとき、感謝があなたの人生を変えるのです。 
  
バルテマイはどうなったでしょう。 
すると、すぐさま彼は見えるようになり、イエスの行かれる所について行った。(52節) 
彼は強制されたわけではなく、自発的にイエスさまについて行きました。 
神様が私たちに求めているのは、奴隷としてではなく、自由人として神様とともに生きることです。 
喜びにあふれて、神様の愛の中に生きることです。 
もちろん、これはバルテマイだけの話ではありません。 
あなたの明確な求めの先に、あなたのための喜びの人生が用意されているのです。 
  
  
あなたの心の願いを、神様の前に出しましょう。 
あなたのたましいの求めを、神様に叫びましょう。 
神様は、はぐらかす方ではありません。 
完全なる愛をもって、あなたにこたえます。 
明確な求めと誠実な答え、 
それがあなたに、感謝と喜びの人生をプレゼントします。 
  
あなたのためにお祈りしています。 
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