攻めてきたアラム軍を大宴会でもてなした
1.アラム軍がエリシャのいた町に攻め上って来た
アラム軍はどうしてもイスラエルに勝てなかったので、原因を追究します。
すると、預言者エリシャの存在に気づくのです。
彼が神からの的確な指示を伝えて、戦いを勝利に導いていたのです。
そこでアラム軍は、エリシャのいたドタンの町へ攻めてきました。
神の人の召し使いが朝早く起きて外に出てみると、
軍馬や戦車を持った軍隊が町を包囲していた。
従者は言った。「ああ、御主人よ、どうすればいいのですか。」
列王記下 6章15節
その知らせを聞いたエリシャは、神に祈ります。
「彼らの目をくらましてください」と、祈ったのです。
アラム軍が攻め下って来たので、エリシャが主に祈って、
「この異邦の民を打って目をくらましてください」と言うと、
主はエリシャの言葉どおり彼らを打って目をくらまされた。
列王記下 6章18節
2.エリシャは敵軍をサマリアに連れて行った
その後エリシャは、アラム軍を北イスラエル王国の中心のサマリアに連れて行きます。
エリシャは彼らに、
「これはあなたたちの行く道ではない。
これはあなたたちの求める町ではない。
わたしについて来なさい。
あなたたちの捜している人のところへわたしが連れて行ってあげよう」
と言って、彼らをサマリアに連れて行った。
列王記下 6章19節
目をくらまされていたアラム軍は、エリシャに導かれてサマリアに向かいます。
そしてサマリアでやっと、彼らの目は開かれるのです。
彼らがサマリアに着くと、エリシャは、
「主よ、彼らの目を開いて見えるようにしてください」と言った。
主が彼らの目を開かれ、彼らは見えるようになったが、
見たのは自分たちがサマリアの真ん中にいるということであった。
列王記下 6章20節
3.イスラエルの王は大宴会をして敵軍をもてなした
北イスラエル王国にとっては、飛んで火にいる夏の虫です。
敵軍がわざわざ、自分たちの国の中に捕まりに来てくれたようなものなのです。
すぐにでも、討ち取ることができるような状況でした。
イスラエルの王は彼らを見て、エリシャに、
「わたしの父よ、わたしが打ち殺しましょうか、打ち殺しましょうか」
と言ったが、列王記下 6章21節
けれどもエリシャは、討ち取る事をとどめ
彼らにパンと水を与えて、食事をさせるようにイスラエルの王に指示するのです。
何と、敵軍を食事でもてなすように指示したのです。
エリシャは答えた。
「打ち殺してはならない。
あなたは捕虜とした者を剣と弓で打ち殺すのか。
彼らにパンと水を与えて食事をさせ、彼らの主君のもとに行かせなさい。」
列王記下 6章22節
イスラエルの王は、エリシャに言われた通りアラム軍をもてなします。
大宴会を、催したのです。
そこで王は彼らのために大宴会を催した。
彼らは食べて飲んだ後、自分たちの主君のもとに帰って行った。
アラムの部隊は二度とイスラエルの地に来なかった。
列王記下 6章23節
アラム軍はその後、自分たちの主君のもとに帰って行ったのですが
アラムの部隊は二度とイスラエルの地に来なかったのです。
むすび.敵軍をもてなしたことによって敵との戦いを終わらせた
敵軍をもてなすと、どうなるかということがわかります。
一人も殺すことなく、戦いが回避できたのです。
自分たちを殺しに来た相手を、大宴会でもてなすというのは前代未聞です。
しかしここに、敵対する相手に対してどう対処すればよいか、
というヒントが、隠されています。
「いつまでこんな敵対関係が続くのだろうか?誰か正当に裁いてくれないだろうか?」
ということが起きた時、「敵軍のアラム軍を大宴会でもてなしたこと」を思い起こすのです。
単に「食糧を与えた」というのではなく、大宴会を催しているのです。
いわゆる、王が招いた「国賓」に対するような扱いです。
【今日の聖書】
「しかし、わたしの言葉を聞いているあなたがたに言っておく。
敵を愛し、あなたがたを憎む者に親切にしなさい。
ルカによる福音書 6章27節