今日のできごと


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2026/3/6(金)

 

無言の圧力

1.ヨブは苦しみの当初は信仰の言葉を語っていた

 ヨブは、皮膚の病気にかかった時信仰の言葉を語っていました。

 ヨブは答えた。
 「お前まで愚かなことを言うのか。
  わたしたちは、神から幸福をいただいたのだから、不幸もいただこうではないか。」
 このようになっても、彼は唇をもって罪を犯すことをしなかった。
 ヨブ記 2章10節

 ヨブは、言葉の上でも罪を犯さなかったのです。

2.親友が来た後にヨブの言葉は変わった

 けれども、3人の親友がやってきてヨブの姿を彼らが見た後変化します。
 ヨブの言葉は、自分の人生を呪う言葉になってしまうのです。

 やがてヨブは口を開き、自分の生まれた日を呪って、言った。
 わたしの生まれた日は消えうせよ。
 男の子をみごもったことを告げた夜も。
 ヨブ記 3章1〜3節

 ヨブをこの世に誕生させたのは、神です。
 ヨブをお造りになり、ヨブに命を与えヨブを生かされたのは神なのです。
 しかしその神の業を、ヨブは否定するのです。

 「わたしの生まれた日は消えうせよ。男の子をみごもったことを告げた夜も。」
 要するに、「私は生まれなかった方が良かった」というのです。
 神がこの世に生まれさせて下さったにもかかわらず、そう言ってしまったのです。

 この言葉は、神の御業を否定する言葉でした。
 「こんな苦しみにあう人生なら、元々生まれなかった方が良かった」
 「なんで、こんな凄まじい苦しみの人生を送らねばならないのか」

 そんな思いから、神が自分をこの世に誕生させて下さったことを否定してしまうのです。
 「そもそも神が、私をこの世に生まれさせなければ良かったのだ」
 苦しみの中でヨブは、このような神の業に反する思いを持ちそれを言葉にしてしまったのです。

3.慰めに来たはずの親友の何も語れない状態がヨブを変えた

 ヨブは、「自分の生まれた日を呪う」言葉を語ってしまいました。
 それは、本来語ってはならない言葉でした。
 「わたしたちは、神から幸福をいただいたのだから、不幸もいただこうではないか。」

 と語っていたヨブに、この言葉を語らせたのは
 慰めに来たはずの、親友たちの態度にありました。
 彼らは慰めに来たはずだったのですが、慰めの言葉ではなく嘆きの声をあげました。

 そして、自分たちの衣を裂くのです。
 そして天に向かって塵を振りまき、それを頭にかぶり
 七日七晩、ただ黙してヨブと共に座ったのです。

 彼らは、慰めの言葉を語ろうとしてきたはずでした。
 けれども、何も話しかけられずにいたのです。
 その親友たちの無言で座っている姿が、ヨブを駆り立てたのです。

 遂に無言の静寂が、ヨブの言葉によって破られることになるのですが
 その言葉は、「自分の生まれた日を呪う」言葉だったのです。
 「神が私をこの世に生まれさせて下さって、本当に感謝している」というのではなく

 「わたしの生まれた日は消えうせよ。男の子をみごもったことを告げた夜も。」
 という言葉だったのです。

むすび.無言の圧力は凄まじかった

 ヨブの全身の皮膚病の苦しみは、ひどいものでした。
 けれどもそれよりももっとヨブを苦しめたのは、友人たちの姿でした。
 彼らが、自分のことを心配して慰めに来たことはヨブもわかっていたはずです。

 しかしその友人たちが、ただ嘆くだけでもう何も言えなくなってしまったのです。
 何も自分に語ることができずに、ただ無言でじっと共に座っているしかなくなってしまったのです。
 その姿に直面したヨブは、彼らから慰めではなく無言の圧力を受けてしまうのです。

 「ああ自分は、親友たちが声をかけられない程の凄まじい苦しみにあっているんだ。」
 と認めざるを得なくなり、当初の「神から不幸を頂こうではないか」という思いよりも
 「何でこんな理不尽な苦しみにあって、その姿を人々にさらさなければならないんだ」

 というような思いが、出てきてしまっているのです。
 共にいた無言の親友たちからの圧力が、ヨブの心を変化させてしまったのです。
 そこに、ヨブの正しさの限界を見ることができます。

 神に「地上に彼ほどの者はいまい。無垢な正しい人で、神を畏れ悪を避けて生きている」
 と言われたヨブでしたが、やはりヨブも罪人として生まれついていたのです。
 完璧に正しい人間ではなく、罪人のひとりだったのです。

 そのヨブの罪は、苦しみの中で親友たちの無言の圧力の中で現れているのです。
 ヨブもそして私たちも、神の前には完ぺきではないのです。
 神に愛されている、ひとりの罪人に過ぎないのです。

 【今日の聖書】
 やがてヨブは口を開き、自分の生まれた日を呪って、言った。
 わたしの生まれた日は消えうせよ。
 男の子をみごもったことを告げた夜も。
 ヨブ記 3章1〜3節


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