その青年はとってもやさしくて良い人だったでしょう。イエス様は彼が好きでしたので、私達も彼を好きになったでしょう。彼は十戒の第２石版の戒めを完全に守ったらしいです。「自分自身のように隣人を愛せよ」と。イエス様は彼を疑わなかったです。誰も殺していないし、奥さんに忠実でしたし、何も盗まないで、ウソをつかなかったし、誰もだまさないで、両親を大事にしました。良い人で、生活の中の良い物を楽しみました。金持ちでした。しかし自分の心の中で、何かが足りないと感じました。救いの確信がありませんでした。良い人で、道徳的にもモラルも良くても、救いを得る為に何かが足りないと感じました。ですからイエス様に聞きました、「「善い先生、永遠の命を受け継ぐには、何をすればよいでしょうか。」」その質問の中で、彼の問題を見る事が出来ます。「私がすることは何ですか」と。彼が考えたのは、救いを得る事は自分がする事による事です。良い事をしましたら、救われると思いました。正しく理解する為に、イエス様は、救いが十戒を守る事による事ではないよと教えました。しかしその人はもう既にそれを理解したみたいです。言いました、「先生、そういうことはみな、子供の時から守ってきました」と。しかし、それだけで足りないと感じました。

それで、救いが十戒の第１石版の戒めに基づいていると理解させました。即ち、「心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くし、力を尽くして、あなたの神である主を愛しなさい」と（マルコ12:30）。その人は、神様より違う物を強く愛したのです。自分のたくさんの財産を愛しました。その財産を、イエス様が言われたように売り払ったら、完全に人生の為に神様に頼らなければなりません。生きる為にも幸せに人生を送るためにも、完全に神様に頼らなければなりません。ですから、イエス様の言葉を聞くと、気を落とし、がっかりして、失望して、悲しみました。自分の富が彼の人生でした。彼が最も信頼したのは自分の財産でした。その富は自分の神々でした。天国に行くには貧乏にならなければならないとイエス様は言われませんが、イエス様に従わないで富に従う事は天国への道ではないと言われます。

天国に行くには貧乏にならなければならないとイエス様は言われませんが、持っている物を売り払い、貧しい人々に施す事は自分がする事であると考えてそれで天国に生けるという考え方は、自分の行ないによって救いを得ようと思う事です。弟子達を呼ぶ時、イエス様はよく「私に従いなさい」と言われました。今日も、その金持ちの青年に同じ言葉を言われました。しかし、イエス様に従う事でさえも、私達を救いません。もし、イエス様に従う事があなたを救う業だと思いましたら、それによってあなたは救われません。救いは私達が従う人にあります。救いをイエス様に見つけます。イエス様が救いの業を行ないます。彼が苦しみを受けて十字架上で、私達の罪を赦す為に殺されたのです。彼が悪魔を征服する為に地獄に下りました。彼が、私達に復活の約束と永遠の命をくれる為に三日目に甦りました。イエス様がすべてをなさるお方です。

その人が悲しみながらイエス様から立ち去る前に、イエス様は彼を見つめ、愛しました。私達もイエス様は「私に従いますか」と聞きます。そしてそれが出来るのは、イエス様が私達を愛して、イエス様が決して私達から立ち去らないからです。弟子になる事とは、イエス様に従って、イエス様の苦しみと死の所までにも従うことであると分かれば、彼に従わないように誘惑されているでしょう。しかし、イエス様が決して私達から立ち去りません。イエス様は私達を愛して、私達を救いたいと思います。このイエス様の愛が私達の心の中に信頼と信仰を作ります。この地上の富が私達を救わないと分かります。ですから、私達の希望と信頼がイエス様に置かれています。

福音書の話には、その人がイエス様に質問をしました。「善い先生、永遠の命を受け継ぐには、何をすればよいでしょうか。」　私達がイエス様に従う時、私達の質問がこのように変わります。「善い先生、自分が永遠の命を受け継ぐ者になったので、何をしても良いでしょうか。」「しなければならない」ではなくて、「しても良い」です。「しなくちゃ」、「するべき」ではなくて、「出来る」と「しても良いですか」また「やりたい」と言う言葉になります。「主よ、よろしければ、私の持ち物をみな売り払い去って貧しい人に施しても良いか」と聞けば、聖霊はこのように答えるかもしれません。「あなたの持ち物を上手に使って、隣人と多くの人々に奉仕をしなさい」と。それはイエス様に従う事です。何も欠けているものがありません。天国に富があります。イエス様に従いますので、地上の特別な富もあります。それで希望があります。永遠の命を受け継ぐ者の喜びです。

アーメン。

マイケル・ニアフッド、牧師
沖縄ルーテル教会