イエス様は言われました、「金持ちが神の国に入るよりも、らくだが針の穴を通る方がまだ易しい。」それを言われた時から、人々はその針の穴を大きくするか、それを通る糸を狭くするかにします。ペテロは糸を狭くしようと思って言いました。「このとおり、わたしたちは何もかも捨ててあなたに従って参りました。」それは人が要らない物を捨てて、自分を小さくして針の穴に自分を推し込んで通ろうと思うことです。ある聖書の解釈の註解者（ちゅうかいしゃ）によりますと、エルサレムの城壁には、とっても狭いゲートがあるそうです。荷物を運べば、ラクダがその狭い門を通れないので、まずその荷物をおろしてから通ります。その解釈で考えると、金持ちは自分の要らない多すぎる富を捨てましたら、天国の門を通る事ができます。それは大きい門、大きい針の穴の解釈です。

私の昔の神学大学時代の教授、ダンカー先生によりますと、イエス様は例え話で教える時、誇張（こちょう）と大げさな言い方をよく使いました。例えば、ルカ6:41、「あなたは、兄弟の目にあるおがは見えるのに、なぜ自分の目の中の丸太に気づかないのか。」ダンカー先生によりますと、イエス様は本当の大きいラクダと本当の針の小さい穴を意味しているといいます。弟子達は最初にそのように解釈しました。この会話がありました。「10:26 弟子たちはますます驚いて、「それでは、だれが救われるのだろうか」と互いに言った。10:27 イエスは彼らを見つめて言われた。「人間にできることではないが、神にはできる。神は何でもできるからだ。」」ですから金持でしても、貧乏の人でしても、人間は針の穴を通るには大きすぎます。不可能です。人間は自分で自分を救えません。しかし神様には出来ます。「神は何でもできるからだ。」

僕は男の人で、そして男の人は物を直す事が好きです。問題があれば直そうと思います。ですから私の家には道具箱があります。今日の問題とは、どのように天国に行く事が出来るかという事です。天国の真珠の門は針の穴の大きさです。即ち、神様の要求は厳しいです。神様は人間が聖なる者になるように要求します。完全に正しく完全に罪のないものです。しかし私達は人間です。それで私達のする悪い行いだけではなくて、私達人間の性質は罪深いです。それで、私達が十戒を完全に守っても、愛と平和の人生を完全に送っても、神様への完全な信仰があっても、私達の人間の性質は罪深いものです。

私は物を直すのが好きです。問題の解決を見つける事は楽しいと思います。針の穴を通（とう）ろうと思うとき、糸や太い縄よりも、大きな石ならばどうなるでしょうか。勿論、このままでしたら石が針の穴を通る事が不可能です。石の形を変えなければなりません。それで、かなづちでたたいて、石を砂のように粉々にします。それで、その砂になった石を穴に流して通す事が出来ます。このやり方で人間もその穴を通る事が出来ます。私達の罪とプライドを粉々にする事を「悔い改め」と言います。イエス様がご自分の公の宣教の働きを始めた時の最初の言葉は、「時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい」と。自分の人生を変えなさい。振る舞いを変えなさい。信仰をも変えなさい。悔い改めましたら、砂になりますが、塵や灰になっても、まだまだ、針の穴の向こう側にいません。向こう側に私達を通させるのは、イエス・キリストによる赦しだけです。

私達の石を砂にして、向こう側に移動しても石がもうないので、ただの砂やチリが積もっているだけです。コンクリートと混ぜたり、粘土のように新しく、使う事が出来る形にしなければなりません。そうしますと自分の好きな素晴らしい形にする事が出来ます。人間も同じです。悔い改めて針の穴を通れば、新しい形にする必要があります。改革が必要です。神様との和解が必要です。復活が必要です。聖霊は私達を神様の形にします。聖霊は神様にとって役に立つものに私達を新しくします。

悔い改めとは死です。古い人間の死です。罪の赦しは新しい人の復活です。それが出来るのは、イエス様が死んで甦ったからです。勿論、イエス様ご自身は何の罪も犯した事がありませんが、ご自分の上に私達の罪を取りました。十字架上での犠牲によって、私達の罪を赦して下さいました。ですから、三日目にイエス様はお墓の出口である針の穴を通る事が出来ました。イエス様は聖なる者でした。彼が生きていました。それで彼は「神は何でもできる」事の証拠になりました。悔い改めと赦しによって私達が新しくされています。神様が私達を新しく創造します。第２コリント５：１７は言います、「だから、キリストと結ばれる人はだれでも、新しく創造された者なのです。古いものは過ぎ去り、新しいものが生じた。」

あなたは針のどちらの側にいるでしょうか。私達のクリスチャンの人生において、私達は半分まで来ているでしょう。私達が糸でしたら、途中まで通りますが、人生の多くの部分は、まだまだ清められていません。まだまだ、古いクセと偏見（へんけん）と欲張りなどが残っています。又、人生のあるごみを捨てても、後で再びそれを拾って、針の穴から逆の方向に引っ張られているみたいです。逆戻りと言う表現があります。まだまだ粉々になっていないかたまりが残っています。来週はルーテル教会のプロテスタント教会の宗教改革を記念します。ルーテル教会の神学の一つの表現やテーマとは、「私達が同時に罪人であり聖人である」と。足一本は天国にあり、もう一本は地上にあります。私がこの表現が好きなのは、私達が良い人になる事が難しいので、いらいらさせられて、神様の目には自分が完全な人になる事ができません。しかしそれなのに、神様の目には私は義とされて、永遠の命を得る価値がある聖人です。何故ならばイエス様は罪人になり、人間にとっては出来ない事をなさいました。即ち、イエス様は針の穴を通りました、お墓の狭い門を通って永遠の命に行きました。

「人間にできることではないが、神にはできる。神は何でもできるからだ。」ラクダは針の穴を通ります。金持ちは神の国に入ります。私達も永遠の命を得ます。そして、私達がイエス様を自分の救い主として信じる時、その永遠の命が私たちの中で始まります。これは私達の信仰の神秘です。神様の素晴らしい力と愛と憐れみがあります。神様は私達の為に不可能な事をなさいました。私達の救い主としてご自分の独り子を送って下さいました。又、聖霊を送りました。それで聖霊の働きによって、イエス・キリストの信仰によって、私達の人生の中では不可能な事が可能になります。

アーメン。

マイケル・ニアフッド、牧師
沖縄ルーテル教会