四十日間、イエス様は荒れ野の中で悪魔から誘惑を受けられました。多くの誘惑がありましたが、３つの誘惑しか記録されていません。しかし、その誘惑は私達皆が経験する代表的な誘惑です。

それは、物質的な必要と欲望と性欲などに、負かせられるまかせられる事です。即ち、この世の物に支配される事です。ただ生き残ることへの欲望かも知れません。しかし、パンやほかの食べ物がなければ何日ぐらい生きられるでしょうか。この受難節に断食しようと思いましたら、チョコレットやコーヒーやテレビがなければ、何日頑張る事が出来るでしょうか。コーヒーがなければ、僕は２日ぐらいしか出来ないかも知れません。自分の意志が強ければ、このような誘惑を破る事が出来るでしょうか。出来るかも知れません。しかし、アルコール中毒の人に分かるように、アルコールの誘惑に勝つために、自分より偉大なる方にゆだねなければなりません。即ち神様を信頼して祈らなければならないことです。教会学校で暗記した聖句を思い出す事が良いです。例えば、「人はパンだけで生きるものではない」。

もし第一の誘惑が｛自分が物に支配される事｝でしたら、第二は｛自分が物を支配する誘惑｝です。全世界を支配したいと思う人がいます。全世界的な法律や秩序を立てたいと思います。自分の政府のやり方や自分の哲学や自分の宗教だけが一番良いと思います。勿論、その新しい世界を指導するために、自分自身が一番ふさわしいと思うでしょう。

大体の人々は、全世界を支配しなくても良いと思いますが、自分が活動する世界の一部を支配する事が出来ましたら満足します。例えば、仕事の所や自分の家族を支配する事が出来ましたらいいと思います。又、自分自身をコントロールする事が出来ましたら幸せになります！例えば、自分の癖や自分の病気を支配する事です。ああ！支配する事は素晴らしい気分です！

支配する事のあこがれとは、そのプライドや誉れや栄光や富だけではありません。全部をコントロールしますと、心配がもうない、痛みがもうない、全部が楽しくなる事でしょう。

自分にとっては、完全に幸せになるために、どれぐらいお金を払っても良いと思いますか。何を犠牲にしても良いと思いますか。例えば、体の痛みを癒やすために、ひどいへん頭痛やガンのひどい痛みをなくするために、どのぐらい払っても良いと思いますか。おそれおののくほどの心配をなくするために、どのぐらい払っても良いと思いますか。一生涯の完全な幸せを得るために、何を与えますか。サタンに自分の魂を売りますか。

イエス様は聖書の御言葉を言われました、「あなたの神である主を拝み、ただ主に仕えよ。」即ち、完全な幸せと安心を与えるものとは、支配ではなくて、仕える事です！ですから、イエス様は私達に仕えて下さいました。この聖句をおぼえましょう。マルコ10:45、「人の子は仕えられるためではなく仕えるために、また、多くの人の身代金として自分の命を献げるために来たのである。」　又、フィリピ２：７−９、「かえって自分を無にして、僕の身分になり、人間と同じ者になられました。人間の姿で現れ、へりくだって、死に至るまで、それも十字架の死に至るまで従順でした。このため、神はキリストを高く上げ、あらゆる名にまさる名をお与えになりました。」

神様を試す事とは、自分が本当に救われているかどうかと言う事をテストする事です。これは一番ひどい誘惑です。この誘惑を感じる人は、信者達や求道者だけです。第一や第二の誘惑のように見えるかも知れませんが、いつもこのような言葉で始まります：「もしあなたは神の子なら．．．」「もし本当に神様の本当の愛されている子供でしたら．．．」「もし神様は本当にあなたを愛するお父さんでしたら．．．」「その場合でしたら、どうして．．．」「どうしてこの苦しみがあるか。」「どうして戦争があるか。」などなど。

人は神様の愛の証拠を見たいと思います。又、自分の信仰を試したいと思います。その時、神様を試すよりも、自分自身を試す事になります！そして、自分で自分を試すので、失敗するでしょう！実は、自分の信仰は、自分の心の中で自分がつくるものではなくて、神様から来るものです、聖霊からの贈り物です。ですから、自分の信仰を疑う事とは、神様を疑う事です。「自分の信仰が弱い」と言いましたら、「神様が弱い、神様の贈り物が弱い」と言っている事です。ですから、これは悪魔の最高の誘惑です。私達の意志、私達のセルフ・コントロール、私達の人格、私達の欲望などではなくて、悪魔は私達の神様との関係を疑わせて、誘惑します。

悪魔はイエス様に言いました、「「神の子なら、ここから飛び降りたらどうだ。というのは、こう書いてあるからだ。『神はあなたのために天使たちに命じて、あなたをしっかり守らせる。』 また、『あなたの足が石に打ち当たることのないように、天使たちは手であなたを支える。』」」イエス様は天使が御自分を救い出す事が出来ると良く分かりました。しかし、その天使による救いを頼みませんでした。荒れ野の時の空腹からも、ゲツセマネの園の時の逮捕からも、天使による救いを頼みませんでした。又、十字架にかかっている時も、十字架から天使による救いを頼みませんでした。その時、十字架の下にいる人々がサタンのようになって、言いました。「お前がユダヤ人の王なら、自分を救ってみろ」（ルカ23:37）。「他人は救ったのに、自分は救えない。イスラエルの王だ。今すぐ十字架から降りるがいい。そうすれば、信じてやろう。神に頼っているが、神の御心ならば、今すぐ救ってもらえ。『わたしは神の子だ』と言っていたのだから。」（マタイ27:42-43)

しかし、イエス様は本当にしっかり神様を信頼したので、十字架上から降りてきませんでした。３日目に自分を甦らせる父なる神様の約束を信頼しました。そのようになりました。こうして、イエス様はその最後の誘惑を乗り越えて、私達の救い主になりました。

彼が私達の救い主になるのは、私達が彼と違うからです。私達は誘惑に落ちます。私達は悪魔より強くありません。悪魔は私達を混乱させます、例えば、聖書の御言葉の意味をチェンジして、私達がどのような解釈してもいいみたいです。しかし、誘惑に落ちる時、地獄まで落ちなくてもいいです。もう一つの聖書の箇所を思い出しましょう：ヨハネ３：１６「神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された。独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである。」どうして悪魔がイエス様を誘惑させたかをおぼえましょう。それは、イエス様が十字架上で死なないためでした。罪を赦す 犠牲にならないようにイエス様に誘惑を与えました。しかし、イエス様は私達を愛して下さいましたので、誘惑に勝ち、十字架上で苦しみを受けて死んで下さいました。それは、私達の罪を赦すためでした。私達が誘惑に落ちて、罪を犯してしまう時の罪を赦すためにでした。

イエス様は最もひどい誘惑を受けました：１，人生を楽にする誘惑、２，痛みや苦しみなくて全世界を支配する誘惑、３，神様の愛を疑わせる誘惑でした。ですから、私達がこのような誘惑を受ける時、イエス様が私達の誘惑を理解して、私達を赦して下さる事を私達は信頼する事が出来ます。それで、この受難節の始まりに、この事を考えますと、素晴らしい平和と希望があります。

アーメン。

マイケル・ニアフッド、牧師
沖縄ルーテル教会