日本キリスト教団

20200531 説教ダイジェスト
礼拝説教要約 「霊によって一つに」
 使徒言行録2章1-4節
  教会に来られる多くの方々もそうだと思いますが、私は教会の中での日ごとの出来事を通して、教会は、この社会の中のいろんな組織や集団とは、教会は違う発想、価値観で動いているということに、繰り返し気づかされてきました。教会は、この社会の中の組織や集団とは、教会は違う発想、価値観で動いています。

 聖書では、教会とはどのように書かれているのでしょうか。今日の聖書箇所は、イエスが天の昇り、イエスを慕う人たちが大勢で集まって祈っていると、聖霊が降り注ぎました。大きな音がして、赤い炎の舌ようなものが、そこにいた人たちの上に降ったのです。聖霊が降り注がれた出来事です。そこにいた人たちが新しい集団になりました。キリストの教会にりました。神様は教会を作られました。
 ユダヤ教では、「最後の預言者ハガイ以後、聖霊の働きはなくなった」と言われていたのです。そして、使徒言行録は言うのです。今、聖霊は働いた。聖霊は、キリストを信じる人に働く、と言うのです。

 この教会は、世界中に伝道し、教会を生み出しました。それは、自分たちの事だけでなく、隣人のことを心にとめる集団だからです。聖霊を降り注がれた人たちは、世界中の言葉で話し出しました。隣人と共にありたいからです。

 ペンテコステの日、聖霊を注がれた人たちは、今まで以上に、神様の気持ちが伝わったのです。神様の気持ちが自分の気持ちになったのです。神様が自分を愛してくださっていることを知り、隣人も神に愛されていることを知りました。それで、隣人にも気付いてほしい、救われてほしいと願うようになりました。聖霊は、神様の気持ちを私たちに伝え、神様の気持ちを私たちの気持ちとします。神様の気持ちを伝えたいと思う人にします。


 イエス様が天に昇って神のみ許におられる、これが私たちの救いの拠り所です。救い主が神様のもとにおられる。私たちもイエスの後に続いて、神のみ許に行くことができるようになっているのです。
 ユダヤ教は、ユダヤ人以外には積極的に信仰を伝えようとしません。日本の神道もそうです。民族にこだわっています。けれど、使徒パウロは言っています。ガラテヤ3:27「洗礼を受けてキリストに結ばれたあなたがたは皆、キリストを着ているからです。そこではもはや、ユダヤ人もギリシア人もなく、奴隷も自由な身分の者もなく、男も女もありません。あなたがたは皆、キリスト・イエスにおいて一つだからです。」教会には、様々な民族、様々異なる人がいます。でも、キリストの下に同じ神の愛を受ける存在、皆同じ、一つなのです。

 ヨハネ福音書17章で、イエス様は十字架にかけられる前に、神様に向かって最後の願いを祈っています。21節「父よ、あなたがわたしの内におられ、わたしがあなたの内にいるように、すべての人を一つにしてください。彼らもわたしたちの内にいるようにしてください。」「わたしが彼らの内におり、あなたがわたしの内におられるのは、彼らが完全に一つになるためです。」

 父なる神様がイエス・キリストの内にいて、イエス・キリストが父なる神の内にいる。このことを、一つであると言っています。「内にいる」とは、どういうことでしょうか。父なる神の思いをキリストが受け止め、自分の思いとしている。イエス・キリストを父なる神は、何よりも愛し、自分自身のように愛している。互いが神の御心と愛で硬くつながり、一体となっている。そして、そのためには神の霊が神とキリストを包んでいる。こういうことを、一つである、一つになっていると言っているのです。

 そして、この神とキリストの一つの交わりに、さらに私たち人間が、キリストを信じる人々が引き込まれていく。神とキリストと、私たちが一つのつながり交わりの中に加えられて、そうやって一つになる。聖霊は、神、キリスト、私たちを一つにする。聖霊降臨、ペンテコステの出来事です。

  私たちは、神の思い、神のみ心を知り、神の愛を知り、神の働き、御手の内にある。そういう私たちが、神の愛を喜び、隣人に神の愛に気づくように伝道をする。こういう人々が集まり、一つの集まり、集団を作る。神を思い、お互いを思う。これが、教会です。この教会の誕生を、使徒言行録2章は描いています。

 使徒信条では、「我は聖霊を信ず、聖なる公同の教会・・・・を信ず。アーメン。」聖霊の働きがあり、教会があるのですね。「我は聖霊を信ず」「教会を信ず」と言っています。教会は、信じるものなのです。
 
   「教会を信じる」というと、教会には間違いがないと信じると思う人もいるかもしれませんが、そうではなく、今日では、教会は、神様の目から見ればまだまだ不完全。教会は、本当の教会を目指して旅する途上にある、旅する教会であると、多くの教会が言っています。ですから、教会を信じるということは、今、この教会と呼ばれる交わり以外に、この世に教会はない、この交わりは教会になることを目指しているのだ。神の力、聖霊は働いていると信じるということです。

 聖霊の働きの下にあって、神様とキリスト、そして私たち、私たちの交わりは、今、一つです。神様の思いを私たちの思いとし、そして隣人を思う。このことによって、私たちは、これからも一つでありましょう。聖霊は働いています。神様が導き助けてくださいます。一つであることを目指していきましょう。
 
 
ペンテコステの出来事は、神とキリスト、私たちが、神様のみ手の内に一つとなったこと、一つであることを告げています。


 
   
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