日本キリスト教団

2021.05.09 説教ダイジェスト
礼拝説教要約 「イエスの祝福」
ルカによる福音書24章44-53節
 イエスはよみがえり、弟子たちの前に現れた。弟子たちに、ご自分の十字架と復活は旧約 聖書に予告されていたことが実現したのだと言われた。さらに、旧約聖書に予告されている ように、あなたがたはこれから聖霊に満たされ、世界中に福音を告げる伝道者になるのだと、 弟子たちのこれからの姿を示された。そして、イエスは弟子たちをベタニヤまで連れていき 手を上げて祝福し、祝福しながら天に昇って行かれた。今年5月13日木曜日は昇天日だっ た。イエス昇天を記念する礼拝堂が、ベタニヤの小高い丘の上に建っている。

この場面は、イエスと弟子たちの別れの場面。私たちの人生は、出会いと別れの繰り返し。 別れとは、辛く寂しいものだ。尊敬する人、愛する人との別れは、生涯覚え続けるもの、そ れほど辛いものだ。しかし、イエスと別れた弟子たちは、悲しんではいない。大喜びで神殿 に行き祈り、神を讃えたという。つまり、別れるに際してイエスが弟子たちに告げた言葉が 弟子たちの喜びとなったのだ。

47節以降に、イエスは弟子たちがこれから聖霊に満たされ、そして、世界に福音を告げ る人になる、そういう働きが託されていると告げる。弟子たちの明日の姿を示された。神様 が助けてくれると励ました。そして、イエスは弟子たちを新しい働きへ促され、祝福される のだ。

弟子たちは、イエスを裏切った。取り返しのつかないことをしてしまい、人目を避けて隠 れていた。もはや生きる資格はないと自らを苦しめていた。そんな弟子たちなのに、イエス は新しい働きを託され、聖霊の力添えを約束してくださった。生きる希望をなくしていた弟 子たちにとって、とてもうれしい「どんでん返し」だった。イエスの愛は変わらない。これ からを期待してくださっている。

パウロはローマの信徒への手紙12章に記している。「あなたがたを迫害する者のために 祝福を祈りなさい。祝福を祈るのであって、呪ってはなりません。」(14節)パウロは、イ エスの愛の大きさを知る人だ。イエスの弟子たちに始まり、パウロ自身に、そして、私たち にイエスの愛が注がれていると告げているようだ。私たちに向けられているイエスの愛、祝 福がある。

祝福とは、平たく言うと、私はあなたがそこにいることがとても嬉しい、ということ。あ なたの幸せを祈る。あなたの良き歩み、よき働きを祈る、ということだ。 私たちの人生は、出会いと別れの繰り返し。イエスと弟子たちの別れは、弟子たちに喜び を与えるものだった。これから誰かに初めて出会うと知ると、私は緊張する。では、別れる 時はどうか。それがいつだとしても、日頃から人々と平和に過ごし、いつ別れの時を迎えて も、互いに励まし合い、これからの糧となるものを分かち合うことをしたい。

イエスの弟子たちに、聖霊がくだる。私たちにも、聖霊がくだる。神の助けを信じて、希 望をもって歩んでいこう。 1/

   
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