日本キリスト教団

2021.10.17 説教ダイジェスト
礼拝説教要約 「白い衣の人々」
ヨハネの黙示録7章9-17節
 今日は教会の暦の、一年で最後の日曜日。それで、私達の最期のこと、天国は どんな所かを聖書に聴きます。

 ヨハネの黙示録7章の言葉が選ばれています。 ヨハネの黙示録は、紀元90年頃に伝道者ヨハネがパトモス島に流刑となり、 そこで見た幻を書き留めています。それは神様がおられる天上の世界の様子で す。この地上では迫害や困難があるけれども、天上では神様が讃えられている、 神の救いは必ず成就することを、ヨハネは幻を見て確かめました。

  ヨハネは幻を見て、天上の世界では、神様を讃える礼拝がなされているのを見 ました。一つの王座に神様が座し、その周りに24人の長老が座り、玉座におら れる神様を伏し拝んでいる。古代世界の神聖な生き物、6つの翼を持ち、その表 にも裏にも多くの眼が覆い尽くしているという奇妙な生き物が、玉座を取り巻 いて神様を讃えています。ヨハネは、めくるめくドラマを見ています。

  7 章では、神様を礼拝する大勢の人々が登場します。「あらゆる国民、民族」 からなる「かぞえきれないほどの大群衆」がいます。この人々は、すでに天上に あって、白い衣を着て、救いのしるしであるナツメヤシの枝を持ち、神と小羊が 救い主だと賛美を歌っています。小羊とは,イエス・キリストのことです。「白 い衣を着た者たち」とは、衣を小羊なるイエス・キリストの血で洗って白くした のです。イエスの血によって罪を赦されて罪が消し去られ、無垢なものになった のです。

  ヨハネ黙示録は、天上の世界ではキリストが讃えられているのだから、この世 がいかに混乱しても、血で血を洗うような激しい戦いが続いたとしても、信仰を 捨てないで守り通した人々は、必ず神の御国に迎え入れられることを伝えてい ます。私達は、この世で生き辛く、内から外から誘惑に晒されています。しかし、 信仰においては、私たちは既に、小羊なるイエス・キリストの十字架と復活の故 に、神に顧みられ守られています。

  さて、今日の箇所では、神様はこの人々を覆うように「幕屋を張って」くださ るといいます。ヨハネ福音書1章で「初めに言があった。」「言は肉となって、わ たしたちの間に宿られた。」といわれています。神様が幕屋を張り、ずっと共に 宿ってくださる、片時も離れず共にいてくださるのです。 2

 イザヤ書49章10節には、神の救いの日のことを、「彼らは飢えることなく、 渇くこともない。太陽も熱風も彼らを打つことはない。憐れみ深い方が彼らを導 き/湧き出る水のほとりに彼らを伴って行かれる。」とあります。そのように、 17節には「玉座の中央におられる小羊が彼らの牧者となり、/命の水の泉へ導 き、/神が彼らの目から涙をことごとく/ぬぐわれるからである。」と言われて います。キリストは、羊飼いが羊を水辺に連れて行くように、信仰者に永遠の命 の水を飲ませるために命の水の泉に導き、苦しみも悲しみも永遠に終わる印と して、一人一人の涙を拭ってくださるのです。

  黙示録21章では、「見よ、神の幕屋が人の間にあって、神が人と共に住み、 人は神の民となる。神は自ら人と共にいて、その神となり、4 彼らの目の涙をこ とごとくぬぐい取ってくださる。もはや死はなく、もはや悲しみも嘆きも労苦も ない。最初のものは過ぎ去ったからである。」と言っています。黙示録は繰り返 し、涙を拭われる日が来ることを告げています。

  Ⅱテモテ3:12に、「キリスト・イエスに結ばれて信心深く生きようとする 人は皆、迫害を受けます。」とあります。ヨーロッパのことわざに「新しい礼拝 堂を建てると、その隣に悪魔がやって来て悪魔の礼拝堂を建てる」というのがあ ります。悪魔は信仰者を狙っています。信仰者を誘惑し、その交わりを混乱させ る。信仰者だから誘惑や迫害があるのです。信じることは、かえって苦しみを招 き寄せることになっていますが、神の御許では、誰にも邪魔されずただ一心に神 様に心を向けて礼拝ができるのです。

  また、私達が人生を良いものにしようと願うのは、創造主・神様への誠実さの 現れです。だから、私たちの苦しみは、神様へ向けた思い、信仰故の苦しみです。 私達も天上ではキリストの慈しみに包まれ、白い衣を着た人々の群れの一人で す。主から命の水を与えられ、目から涙を拭っていただきます。

  大阪女学院を創設した宣教師ヘールは、米国の長老教会から派遣されました。 ヘールと共に働いた婦人宣教師レービットは、ヘール宣教師兄弟と共に大阪の 南方の紀州(和歌山)で伝道に励み、田辺、新宮、熊野などの町に教会を生み出 しました。明治の日本人は「地上の生活の向こうに未来の生活があること」を驚 き、喜んだと記録しています。初めて福音を聴いて驚く様子が目に浮かびます。


   
 愛隣こども園
宮城県仙台市青葉区五橋1-6-15
〒980-0022 ℡:022-222-3242