17   口から出たとおりに(レント05 2007.03.17)
レント2007 05
『口から出たとおりに』 民数記 30:1-2
 
今週の聖書箇所は、神様への誓願について書かれています。
内容はとても単純です。
「すべて自分の口から出たとおりのことを実行しなければならない。」(2節)
とてもわかりやすく、はっきりとした命令です。
すっきりとした命令です。
私たちと神様との間の関係、また、人間関係の基本です。
幼稚園や小学生の子どもに聞いても、「当たり前だよ」と言いそうな内容です。
 
しかし、大人になってみると(実は子どものときから)、これが達成できないのです。
子育てのなかで、また、人間関係の中で、私たちは口から出たとおりのことを実行できないでいるのです。
たとえば、「ウソついちゃダメだよ」と子どもをさとすその口で、「そんなことしたら、・・・になっちゃうからね」などと言って、子どもを脅すのです。
私たちは、自分自身には必要以上に寛容で、他人に(特に弱者に)対して厳しいのではないでしょうか。
または、その逆で、できない自分を責め続けてしまうのではないでしょうか。
 
こう思うとき、私たちは、自分自身を不誠実な舌を持つ者と認めざるをえません。
神様の命令の前には、まったくの失格者です。
自分の弱さ・醜さに愕然とし、絶望するしかないでしょう。
 
しかし、次の聖書の原則を忘れてはいけません。
それは、「神様は命令しっぱなしではない。」ということです。
神様が命令をしたら、それを成し遂げる力をも与えてくれるのです。
いえ、力を与えてくれるそれ以上に、まず、自分が完璧にそれを成し遂げてくれる方なのです。
ですから、「すべて自分の口から出たとおりのことを実行しなければならない。」という言葉は、次のようにも解釈できるのです。
「すべて神様の口から出たとおりのことは実行される。」
 
では、神様の口から出たのは、どんな言葉なのでしょうか。
旧約聖書:イザヤ書43:4にはこうあります。
「わたしの目には、あなたは高価で尊い。わたしはあなたを愛している。
だからわたしは人をあなたの代わりにし、国民をあなたのいのちの代わりにするのだ。」
あなたの目にどう映ろうと、他の人の目にどう映ろうと、神様にとってあなたは愛すべき宝物と宣言しているのです。
これは、決して裏切られることのない保証です。
不誠実な舌を持つ私たちが、神様の宝物になるのです。
これは、私たちの身代わりのイエスさまの十字架によって成立する、矛盾をこえた愛です。
 
また、そのイエスさまは、十字架にかかる前に、弟子たちにこう言いました。(新約聖書:ヨハネ14:14)
「あなたがたが、わたしの名によって何かをわたしに求めるなら、わたしはそれをしましょう。」
私の名によってとは、イエスさまの名によってということです。
十字架によって、私たちの罪を赦してくれた救い主の名によってということです。
つまり、十字架によって誕生した、神様の王子として求めるなら必ず得られると、イエスさまは約束してくれたのです。
なんと、すばらしい約束なのでしょうか。
 
この約束の確かさを知ったとき、私たちのレントの期間は喜びにあふれたものになります。
十字架を待つ日々に、うれしさがあふれます。
復活のいのちの喜びが、私たちの中であふれます。
ハレルヤと賛美して待ち望みましょう。
「すべて神様の口から出たとおりのことは実行される」のですから。
 
 
神様は、あなたの弱さを十分に知っています。
命令しっぱなしで、あなたをヘトヘトにするようなことはありません。
あなたは神様の愛する王子なのです。
さあ、神様の王子として求めましょう。
神様の愛の言葉が、口から出たとおりに、あなたの人生に実現するのです。



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