38   シメオンのハレルヤ (ハレルヤ!03 2007.07.21)
シリーズ ハレルヤ! 03
『シメオンのハレルヤ』 ルカ 2:25-35
 
今週の箇所は、「今こそ……去らせてくださいます」(29節)のラテン語から、「ヌンク・ディミッティス」と言われている、シメオンの賛美です。
今日は、この29節を中心に、御言葉を開いていきたいと思います。
 
みなさんには、「・・ができるなら、死んでもいい」「・・のためなら死ねる」と思えることがありますか?
私は、10代・20代の頃にはたくさんありました。
「あの人(女性)と付き合うことができたら、死んでもかまわない」とか、「この試合に勝てるのなら、死んでもいい」とかです。
恋愛やスポーツに、いのちをかけてもかまわないと大まじめに思っていたのですが、実際に手に入れてみると、「こんなものかぁ」というものばかりでした。
それから10数年経ち、「子どもたちが一人前になってくれたら、思い残すことはない」なんて思っているのですが、これも、一時的なものかもしれません。
 
さて、シメオンはどういう人だったのでしょう。
「この人は正しい、敬虔な人で、イスラエルの慰められることを待ち望んでいた。
聖霊が彼の上にとどまっておられた。」(25節)
ここに書かれているシメオンは、旧約時代の理想的な信仰者の姿です。
正しく、敬虔な人で、自分の利益を追うのではなく、イスラエルへの救い主・慰め主を熱望している人でした。
また、自身の信仰の姿勢がすばらしいだけでなく、神様との関係も健全で、いつも聖霊様が彼と共にいました。
 
そして彼は、聖霊様から「主のキリストを見るまでは、決して死なない。」(26節)という約束を受けていました。
理想的な信仰者である年老いた彼が、若い頃から待ち望み続けたもの、それが救い主です。
神様は、救い主を見るまでは、決して死なないと約束してくれたのです。
必ず救い主を見ることができる、彼はどんなに励まされたことでしょう。
もちろんこれは、「救い主を見たら、お前は死ぬ。」という約束ではありません。
 
そして、シメオンはついに、約束の救い主に出会いました。
両親の懐に抱かれ宮に入ってきた、幼子イエスさまと出会ったのです。
この瞬間、シメオンの人生に、劇的な転換が起こりました。
慰めを求めていた旧約時代が終わり、新しい希望の時代が始まったのです。
 
そして彼は賛美します。
「主よ。今こそあなたは、あなたのしもべを、みことばどおり、安らかに去らせてくださいます。」(29節)
自分の人生の目的を遂げた人の姿がここにあります。
シメオンにとっては、死んでもいい、喜んで死ねると思えるほどの、イエスさまとの出会いだったのです。
 
私は生きる希望を失ったときに、イエスさまに出会いました。
30歳のときのことでした。
そこで与えられた十字架の救いは、生きる希望でした。
死への過剰な恐怖もなくなりましたが、イエスさまとの出会いは、死の克服よりも、生きることへの希望を与えてくれました。
いのちが与えられた出会いだったのです。
私には、シメオンのように、死んでもいい、喜んで死ねるとは、到底思えませんでした。
 
でも、それでいいのです。
シメオンにはシメオンの人生の目的が与えられていたのです。
そして、私には私の人生の目的、あなたにはあなたの人生の目的が与えられているのです。
 
私がブラジル伝道に来るちょっと前に、先輩牧師に言われました。
「あなたの伝道の目標はなんですか?」
彼は、アルゼンチンでとっても大きな働きをしている牧師でした。
私は「死ぬまで神様のメッセージを伝え続けること」と答えました。
すると「何でそんなちっちゃな目標しか持たないんだ。神様の力は無限なのだから、もっと大きな目標を持ちなさい。」と指導されました。
 
確かに彼の言うように、神様の力は無限です。
しかし、私は自分自身に与えられた目標でいいと思っています。
神様は私たち一人ひとりに、それぞれの人生を与え、それぞれの人生の目的を与えているのです。
誰も、他人の人生を生きることはできないし、神様はそんなことを望んではいないのです。
 
もしかしたら、あなたの人生の目的は、他の人には理解できないかもしれません。
しかし、神様が与えてくれた目的を生き抜いたとき、あなたは喜びであふれることでしょう。
そして生涯の終わりに、「神様、この生涯をありがとう。」と言えるのです。
シメオンだって、悪い言い方をすれば、ただ救い主に会っただけです。
そこから一生懸命伝道したという記述はありません。
しかし、そこに無限の喜びがあったのです。
 
さあ、私たちは、神様が与えてくれた私たちの人生を歩んで生きましょう。
神様が与えてくれたあなたの人生の目的を持って、神様と共に、喜んで生き抜いていきましょう。
 
 
あなたでなくては成し遂げられない、あなたの人生の目的があります。
誰の真似をすることもないし、誰に支配されることも必要ありません。
人生のゴールまで、神様と共に、生きる希望を持って生き抜きましょう。
シメオンのように、喜びを持って生き抜きましょう。
死の力に打ち勝った、喜びの生涯のゴールは、あなたのものなのです。



| 前週へ | 年間目次 | 次週へ |


ホーム 集会案内 伝道師紹介 Message 2008 御言葉の旅 歴史(年表) リンク集 Message 2007 Message 2006 Message 2005
Message 2004


gospelhouse@church.ne.jpメールはこちらまで。