あなたへのラブレター 20  
『信仰がなくては』 
信仰がなくては、神に喜ばれることはできません。 
神に近づく者は、神がおられることと、神を求める者には報いてくださる方であることとを、信じなければならないのです。 ヘブル 11:6 
  
ヘブル人への手紙の第11章には、「信仰」という言葉が26回も登場します。 
聖書全体で「信仰」は246回ですので、そのうちの1割以上がこの章に書かれているということです。 
もちろんこれは、全盛書中最多です。 
ですから、ヘブル人への手紙の第11章は、「信仰の章」といっても過言ではないでしょう。 
  
たくさんの人物の信仰が披露されているこの章ですが、今週選んだ第6節は、その登場人物たちの信仰の姿の総括であり、私たち読者の信仰のあり方の指摘でもあるといえます。 
ぜひとも、第11章章全部を読んでいただきたいと思います。 
  
6節は、1節と並んで、有名な聖書箇所であり、励ましと希望を与える箇所です。 
しかし同時に、誤解してしまうと、失望を受けてしまう箇所であるともいえます。 
誤解によって、自分自身を責めたり、へこんだりしてしまうのです。 
  
「信仰がなくては、神に喜ばれることはできません。」 
前後の文脈を考えずに、この1文だけを読んでしまうなら、私たちは簡単に誤解してしまいそうです。 
「ああ、私は神様に喜ばれない。だって、神様の基準にかなうような信仰は私にはないから。」 
「誘惑にも誘惑にもすぐ負けちゃうし、信仰者を名乗るのはおこがましい。」 
などのようにです。 
  
「神に近づく者は、神がおられることと、神を求める者には報いてくださる方であることとを、信じなければならないのです。」 
前半で誤解してしまえば、後半立ち直ることは難しいでしょう。 
「信じなければならない。って言われても、・・・・・ああ、もう神様に近づけない!」 
などと、勘違いしてしまうでしょう。 
  
もちろん、これらは誤解です。 
参考までに、いろいろな訳の聖書の記述を見てましょう。 
  
信仰がなくては、神に喜ばれることはできない。なぜなら、神に来る者は、神のいますことと、ご自分を求める者に報いて下さることとを、必ず信じるはずだからである。(口語訳) 
  
信仰がなければ、神に喜ばれることはできません。神に近づく者は、神が存在しておられること、また、神は御自分を求める者たちに報いてくださる方であることを、信じていなければならないからです。(新共同訳) 
  
信仰が無ければ、神に喜ばれることはできない。神のみもとに来る人はだれでも、神が存在することと、神は求める人に必ず答えてくださることを信じることができる。(現代訳) 
  
「信じなければならないのです。」(新改訳) 
「必ず信じるはずだからである。」(口語訳) 
「信じていなければならないからです。」(新共同訳) 
「信じることができる。」(現代訳) 
微妙にニュアンスが違いますね。 
この箇所に使われているもともとの言葉は、このすべての意味を含む言葉・単語だったのです。 
「信じなければならないといえるほどに、必ず信じることが可能である。」とでも言えばいいでしょうか。 
  
なぜそこまでいえるのでしょう? 
それは、聖書の神様は、実在し、生きて働く神様だからです。 
実在するものは疑えないのです。 
たとえば、ここで私がしゃべっているにもかかわらず、目の当たりにしている皆さんが、私がここにいることを疑うことはないでしょう。 
また、メールでこのメッセージを受け取っている方が、そのメールを読みながら、その存在を疑うことはないでしょう。 
  
神様の実在は、揺るぎない事実です。 
もし、人間の側からの信仰が、神様の存在を証明するなら、そんな危なっかしいものはありません。 
人間の心なんて、簡単に揺らいでしまうものだからです。 
この章の中に出てくる信仰者たち、ノアやアブラハムやサラやモーセも揺らいだのです。 
揺るがないのは神様の実在です。 
生きて働く神様の現実の力です。 
神様は想像上の存在ではなく、実在するのです。 
だから、先輩信仰者たちは、揺らいで失敗しても立ち直ることができたのです。 
  
信仰者の間違ったイメージが先行すると、失敗が怖くなります。 
萎縮したクリスチャンになります。 
消極的で、暗い信仰者になります。 
神様は、そんな信仰を求めてはいません。 
もちろん、狂信による暴走はダメです。 
しかし、失敗を必要以上に恐れる必要はないのです。 
神様はあなたを愛し、あなたの求めに応じてくれるのですから。 
  
イエスさまの十字架によって、私たちは神様の前に出られるようになりました。 
大胆に、神様の前に近づきましょう。 
そのとき、神様の存在は、あなたに確かな現実のものとなります。 
神様は確かに存在し、あなたを確かに愛してくれるのです。 
あなたは神様の宝物になったのです。 
宝物として、神様の愛の中で生きようではありませんか。 
  
「確信がありません。」 
でも大丈夫です。 
揺るがない神様の存在と力が、あなたに信仰を与えます。 
あなたを愛する神様は、あなたの前から隠れたりはしません。 
「失敗が怖いです。」 
もう大丈夫です。 
あなたを支える神様の力は、無限大です。 
さあ、神様の前に出て、神様の愛をしっかりと味わいましょう。 
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