5   詩篇 第94篇 (詩篇に楽しもう14 2007.01.13 第二礼拝)
詩篇に楽しもう 14
『詩篇 第94篇』 詩篇 第94篇
 
ある人はこう言いました。
「詩篇第93篇は理想を歌い、第94篇は現実を歌う」
第93篇は、神様を確固たる土台にした理想的な人生・ハレルヤの人生をうたいます。
それに対して、第94篇は、現実の世界の中での、神様の裁きを願う声からはじまります。
敵を呪うような雰囲気さえある詩篇です。
 
聖書は、そして神様は、理想だけを強制するわけではありません。
理想だけを強調するわけでもありません。
理想と現実の間で苦しむ私たちを神様は知っています。
そして、その私たちから、神様は決して離れていません。
すぐそばにいるのです。
 
理想の生活と現実の生活の対比と同じように、私たちは、本音の生活と建前の生活をもっています。
私は、赤ちゃんのすてきさ、かわいさの一つは、本音で生きていることだと思います。
心に正直に、まっすぐに生きている姿は、私たちに力を与えてくれます。
何ともいじらしく、かわいらしい純真さです。
(ただ、実際に子育てするのは大変なことなんですが・・・)
 
しかし、そのまま大人にまで生きると、どうでしょう。
その人生は、ピュアですてきかも知れません。
しかし、そのことによって、他の人を傷つけ、また、傷つけられてしまうことでしょう。
本音で生きることの難しさ、悲しさを見る思いです。
 
同じように、神様を純粋に信じて生きるとき、辛い、悲しいと思えるときがあります。
この詩篇記者も、同じように苦しみにあっています。
だから、復讐を願っているのです。
呪いの詩篇の様相を呈しているのです。
 
人を呪うことは、もちろん、いいこととは言えないでしょう。
でも、呪い、復讐を願うような私たちの現実に、神様はそっぽを向かないのです。
私たちの弱さや醜さが、神様を失うことにはならないのです。
もし、そうだったら、私たちのためにイエスさまは十字架につかなかったでしょう。
イエスさまの十字架が、私たちが見捨てられていない証拠です。
 
私たちは理想と現実の間で苦しみます。
しかし、神様は理想にも現実にもいて、私たちを愛しているのです。
この事実を知ったとき、この事実を人生に受け入れたとき、あなたの人生が変わります。
二つに分断されていたあなたの理想と現実が、神様の愛によって一つになるのです。
そう、あなたの人生の中で、神様のいのちがイキイキと生きはじめるのです。
 
あなたの弱さを、神様は知っています。
あなたの苦しみを、神様は知っています。
理想と現実の間でもがき苦しむあなたを、神様は決して見捨てません。
神様のいのちが、あなたの人生に光と喜びを与えます。
そう、理想も現実もあなたの人生、本音も建前も神様の愛の中なのです。
 
確かな神様の愛の中に、あなたの弱さをゆだねましょう。



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