14   どんなことでも (ラブレター03 2006.03.25)
あなたへのラブレター 03
『どんなことでも』 ピリピ4:10-13
 
今週の聖書箇所は、ピリピ4:10-13ですが、その中でも、13節に焦点を当てたいと思います。
 
「私は、私を強くしてくださる方によって、どんなことでもできるのです。」(4:13)
 
この聖句を、力強く何度も繰り返して宣言してください。
どんどん力がわいてくる気がしませんか?
私は、この聖句は、私たちを本当に力づけてくれます。
しかしまた、誤解してしまうならば、本当に危険な聖句であると思うのです。
 
ピリピ人の手紙は、「喜びの手紙」と言われています。
この手紙を書いたとき、パウロは牢獄の中でした。
もし、裁判で有罪となれば、死刑もありうる状況でした。
しかも、「乏しいからこう言うのではありません。」(4:11)とあるように、物質的にも乏しい状況だったのです。
精神的にも、物質的にも過酷な境遇で書かれたのが、このピリピ人への手紙、「喜びの手紙」なのです。
 
ここで、「どんなことでもできる」とは、神様とともにいるならば奇蹟が起きて、何でも自分の希望がかなうということではありません。
超人的な力が与えられて、問題が解決するということでもありません。
この聖句を勝手に解釈して、「クリスチャンだから、神様が守ってくれるから大丈夫!」と、無茶をする人たちがいます。
もちろん、神様は全知全能の方ですから、何でもできます。
また、チャレンジ精神は、素敵なことです。
 
しかし、神様を自分の願望の奴隷・手先として使うのは、どうでしょう。
クリスチャンであることを特権視し、クリスチャン以外の人を見下し、神様までも自分の手下にするのは、大きな罪ではないでしょうか。
それは、自分を主権者・神様とすることです。
 
また、奇蹟が起きなかった人を、信仰がたりないとか、神様がともにいないとして裁くことは、もってのほかです。
的外れもいいところです。
牢獄につけられたペテロは、天使(御使い)に助けられました。(使徒12:4-10)
ステパノは、石打たれて死にました。(使徒7:55-60)
だからといって、あなたはステパノを軽蔑しますか?
いいえ、そんなことはないでしょう。
 
では、ここでいう「どんなことでもできる」とは、いったい、どういうことなのでしょうか。
パウロはこのように書いています。
私は、どんな境遇にあっても満ち足りることを学びました。(4:11)
あらゆる境遇に対処する秘訣を心得ています。(4:12)
 
ここで、「どんなことでもできる」とは、「あらゆる境遇にいることができる」ことを表しています。
それは、あらゆる境遇を、受け入れることができるということです。
あらゆる境遇で、自分らしく「生きる」ことができることです。 
神様にあって、あらゆる境遇で、神様の宝物として「生かされる」ことができることです。 
そして、その秘訣は、あらゆる境遇で、神様は決して見捨てないことを知っていることです。
 
見捨てられていない証拠は、イエスさまの十字架です。
罪に縛られているすべての人の救いのために、身代わりとなって十字架にかかったイエスさまの愛です。
この愛によって、私たちは神様の子となり、決して神様から見捨てられることはなくなりました。
どんな状況でも、どんな人でも、イエスさまによって神様の宝物とされたのです。
イエスさまこそ、私たちを生かすいのちの光なのです。
 
ですから、この箇所は、特別に信仰の強い人だけに限ったことではありません。
また、非日常的な、神様の奇蹟が現れる事件に限ったことでもありません。
すべての人の、あらゆる境遇(順境も逆境も)における、日常的な神様との関係を言っているのです。
神様は全知全能の方ですから、奇蹟が起きるときもあります。
しかし、目に見える奇蹟が起きなくても、見捨てられているわけではありません。
神様に忘れられているわけでもなく、罰を受けているわけでもないのです。
 
聖書にはこうあります。
イエス・キリストは、きのうも今日も、また永遠に変わることのない方です。(ヘブル13:8)
あらゆる境遇にあって、変わらないイエスさまの愛の中で生かされて参りましょう。
 
あなたがどんな境遇にあっても、神様はあなたを見捨てません。
あなたは、あなたらしく生きていいのです。
神様は、あなたを「縛る」ことを望みません。
あなたが、「生きる」ことを望むのです。
イエスさまの十字架は、あなたを生かすためのものです。
それは、きのうも今日も、また永遠に変わることのない、愛の約束です。
 
あなたのためにお祈りしています。



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