あなたへのラブレター 09 
『あなたの決勝点』 第1コリント 9:24-27 
  
今週の聖書箇所は、ともすると、次のように解釈されがちです。 
人生も信仰も救いも戦いである。 
戦いに勝つ、栄光を受けるためには鍛錬が必要である。 
だから、苦しい鍛錬に忍耐せよ。 
自分自身を打ちたたいてでも、しっかりそれに励め。 
大切なのは、努力と節制だ。 
  
しかし、果たして本当にそうなのでしょうか。 
イエスさまと出会う前のパウロは、確かにそういう傾向のある男でした。 
しかし、彼はそこから、イエスさまに出会い、救われ、そういった人生観から解放されたのです。 
そのパウロが、冒頭述べたようなことを言うはずがありません。 
徹底的な神様の愛と恩寵を説き続けるのが、生まれ変わったパウロなのです。 
  
ここでのポイントは、決勝点(ゴール)をはっきりと持つことです。 
やみくもな努力や節制は、求められていません。 
  
一流のマラソン選手なら、42.195km先の歓喜のゴールをはっきりと意識して走るはずです。 
また、一流のサッカー選手なら、90分後の勝利の瞬間をはっきりと見据えてゲームを組み立てられます。 
地方の市民マラソンなどでは、はじめの数百mだけ全速力で走り、すぐにいなくなってしまうお調子者の参加者がいます。 
また、素人ばっかりでサッカーをすると、後半はダラダラな展開になってしまいがちです。 
これらは決勝点がしっかりと見えていないことが原因です。 
  
目標がしっかり見えているからこそ、途中の忍耐も自制もできるのです。 
見えていなければ、何かことが起こるたびに右往左往して、ヘトヘトになります。 
そして、忍耐を失い、希望を失うのです。 
  
私たちの決勝点(ゴール)は、「朽ちない冠」(25節)、それは、神様からの救いです。 
「朽ちる冠」とは、優勝者に与えられる月桂冠です。 
この生木でできた冠は、いつか(すぐに)朽ちます。 
しかし、救い、それは永遠のいのちです。 
永遠の愛・永遠の喜び・永遠の自由なのです。 
そう、あなたの決勝点は、神様の愛の中にいるあなたなのです。 
あなたは、神様に愛され、宝物とされ、王子とされた存在です。 
まず、しっかりとそれを味わいましょう。 
神様の愛を、しっかりとはっきりと受けることです。 
そして、宝物として、王子として、決勝点に向かって進むのです。 
  
また、サンパウロ・ゴスペルハウス住人のWAKA(若山達也さん・柔術家)に聞いたのですが、戦いにはセコンドも重要です。 
自分自身が見えなくなっているとき、教え、励まし、祈りあえる信仰の友は、本当にありがたいものです。 
しかし、「私にはそんな友がいない」とか、「まだクリスチャンでもないから」と悲しむ必要はありません。 
なぜなら、あなたにはもう、最高のセコンドがついているからです。 
その最高のセコンドとは、そう、イエスさまです。 
あなたを励まし、導き、力をくれる、最高の愛のセコンドです。 
  
パウロは続けます。 
「私は自分のからだを打ちたたいて従わせます。」(27節) 
マイナスな感情に引き込まれないで、打ちたたいてでも、この愛に立ち返ると言うのです。 
これは、愛されているという事実への徹底的な服従の宣言です。 
  
「それは、私がほかの人に宣べ伝えておきながら、自分自身が失格者になるようなことのないためです。」 
愛という決勝点を見失えば、どんなに努力・節制しても、あなたの本当のゴールはそこにはないと、パウロはあなたに言っているのです。 
なぜなら、あなたは神様の奴隷ではないからです。 
あなたは、神様に愛されるべき、宝物であり、王子なのです。 
  
もし、あなたが、奴隷である自分を感じたなら、感情を打ちたたいてでも、神様の愛に立ち返るべきです。 
神様の愛をたっぷり受けて、宝物として、王子として、愛の決勝点をつかみましょう。 
  
あなたのためにお祈りしています。 
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