50   ふたりのアナニヤ (2006.09.02)
人物クローズアップ
『ふたりのアナニヤ』 使徒 5:1-11, 9:10-19
 
キリスト教会初期の記録とも言える使徒行伝には、3人のアナニヤという人物が登場します。
サッピラの夫のアナニヤ・ダマスコのアナニヤ・大祭司アナニヤです。
今週は、そのうちの2人のキリスト者アナニヤ(サッピラの夫のアナニヤとダマスコのアナニヤ)を通して、御言葉を開いていきましょう。
 
サッピラの夫アナニヤ
初期の教会には、貧しい人もいれば、お金持ちもいて、助け合って生活をしていました。
信者となった者たちはみないっしょにいて、いっさいの物を共有にしていた。
そして、資産や持ち物を売っては、それぞれの必要に応じて、みなに分配していた。(使徒2:44-45)
そこで、アナニヤとサッピラの夫婦も、自分たちの地所を売って代金を持っていきました。
しかし、「あなたは人を欺いたのではなく、神を欺いたのだ。」(8節)という宣言とともに、夫婦とも息絶えたのです。
 
彼らは、地所を売ってまで、献金しました。
私など、地所も家も車も持たないので、そんなに大きな献金はしたことがありません。
私には想像もできないほどの、たくさんの献金額だったのだと思います。
 
彼らの何がいけなかったのでしょうか?
彼らの献金は、貧しい人や神様のためではありませんでした。
人に認めてもらうための献金だったのです。
献金したことによる栄誉を求めてした献金だったのです。
ですから、地所の代金の一部を取りのけていたことを隠すのです。
また、夫の献金の後、そのいい評判が広まった頃を見はからって、妻のサッピラが登場するのです。
彼らは、神様を利用して、自分を拝ませようとしたのです。
(使徒14章のパウロ・バルナバの態度とは対照的です)
これがサタンの誘惑です。
 
もし、死んでいる神や人間が造った神なら、このようなことをしてもいいでしょう。
しかし、生きている神様ではそうはいきません。
彼らは即座に息絶えました。
そのとき、教会には、非常な恐れが生じました。(5,11節) 
アナニヤ夫妻の教会への貢献は、生きて働く神様を実感させたことです。
また、もう1つ、教会は完全な人だけの集まりではないという励ましも、現在の私たちに与えてくれます。
 
ダマスコのアナニヤ
彼は、大迫害者サウロのために祈るように、イエスさまから命令を受けました。
彼は、はじめは拒否しました。
しかし、彼は自分の気持ちよりも、神さまの気持ち・神様の計画を優先したのです。
そして、パウロに手を置いて語りました。
「兄弟サウロ。」(17節)
彼は憎しみを超え、イエスさまの愛の力によりサウロを受け入れ、赦し、愛したのです。
 
その結果、パウロは目からうろこが落ちました。
クリスチャン・パウロ、使徒パウロの誕生です。
大伝道者パウロのスタートです。
新約聖書のここからの最重要人物ともいえる人が誕生したのです。
この後、パウロは、聖書の中にたくさんの書簡を残しました。
それは、何十億もの人へ向けての神様の愛のメッセージです。
 
パウロの華やかさに比べてアナニヤは、この後、何も消息が書いてありません。
彼は神様の愛の計画に欠かせない必要人物でした。
彼には、人間の目から見たら、何の栄誉も与えられませんでした。
しかし、神様の目から見たら、とても大きなかけがえのない働きをしたのです。
きっとアナニヤは、天国で神様とともにこの壮大な計画を見て、大喜びしていることでしょう。
 
いえ、アナニヤだけではありません。
アナニヤをイエスさまに導いた人も、また、その人をイエスさまに導いた人もいたはずです。
彼らについて、聖書は何も語りません。
彼らには何のスポットライトも当たっていません。
しかし、神様の壮大な愛の計画は、誰ひとり欠けても成り立たなかったのです。
 
そしてあなたも、神様にとってかけがえのない大切な役割を持っているのです。
今は、見えないかも知れません。
人からの栄誉はないかも知れません。
しかし、いつか神様とともにこの壮大な計画を見たならば、神様とともに大喜びできるのです。
生きた神様だからこそ、これは期待はずれに終わりません。
壮大な愛の計画だからこそ、心の底から大喜びできるのです。
 
ひとりのアナニヤは、人からの栄誉を求めて滅びました。
もうひとりのアナニヤは、人からの栄誉ではなく、神様からの栄誉を得ました。
 
壮大な愛の計画の中で生きましょう。
あなたは、かけがえのない人なのです。
人からの栄誉に振り回されず、神様の声を待ちましょう。
あなたにしかできない役割が、あなたの人生にはプレゼントされているのです。
 
あなたのためにお祈りしています。



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