6   幸いです(1) (メッセンジャー11 2006.02.04)
シリーズ メッセンジャーはイエスさま 11
『幸いです(1)』 マタイ 5:3
 
心の貧しい者は幸いです。天の御国はその人のものだからです。
 
今週から、山上の説教の具体的な内容についてメッセージします。
5章3節から13節は、「至福の教え」といわれている箇所です。
「・・・の者は幸いです。」というかたちで、8つ並んでいます。
今週の聖書箇所はその1番目です。
 
ここで、幸いという言葉を説明します。
聖書の中で「幸い」を表す代表的な語は3語あります。
ここで使われている言葉は、ギリシャ語でマカリオスという言葉です。
新聖書辞典によりますと、マカリオスは次のような言葉です。
マカリオス〈ギリシャ語〉
いくつかの例外を除いて霊的な祝福について用いられている。
時間や状況によって変動するはかないこの世の幸福ではなく、悲しみや不遇によっても消されることのない神の祝福を意味する。
 
では、1番目の幸いを見ていきましょう。
「心の貧しい者は幸いです。」
ここで使われている貧しいという言葉は、関西地方で使われる挨拶、
「もうかりまっか?」「あきまへんわ」というレベルの貧しさではありません。
マンガのドラえもんで、のび太の母親が家計簿を見つめながら、「今月も赤字だわ」というレベルでもないのです。
日々の生活が苦しいというのではなく、無一文、無一物の貧しさなのです。
 
このレベルで心が貧しいというのは、謙遜という言葉で済まされるものではありません。
私たちが謙遜という言葉を使うとき、ややもすると、謙遜しているということを無意識に誇ってしまう傾向があります。
そうではなく、この心の貧しさは、自分自身への徹底的な絶望の状態なのです。
 
そして、そのような人はなぜ幸いかというと、
「天の御国はその人のものだからです。」
これは、そのうちに、いつか、手に入るということではありません。
いま、すでに天国を得ているといっているのです。
 
先日、ある日系人のおじさんにこのようなことを言われました。
「どの神様も一緒でしょ。どの宗教も一緒。
山登りと同じようなもので、いろんな道があるけど、登りつめた先の頂上に神様がいる。」
 
確かに宗教というのは、善行を積んで、心を聖くして、神様に近づいていくという側面があります。
登って行けば行くほど、神様の聖さがわかってきます。
そして、神様の聖さゆえに、自分の醜さが見えてくるのです。
まるで、光が強いところで、影が濃くなるように。
 
そのとき、私たちはどうしましょう。
見て見ぬ振りをして、希望がないのを知りながら登り続けるのも一つの方法です。
「どうせ私はこんな者だから」と開き直って、そこに腰を下ろすのも一つの方法です。
諦めて下山し、聖さから離れることで自分の醜さを隠すことも出来るでしょう。
 
しかし、ここに、もう一つの方法があります。
自分自身に絶望し、崖から身を投げる。という方法です。
神様の聖さに照らされ、自分自身に何の善も見出せなくなったとき、私たちは絶望し、自分自身を誇ることをやめるのではないでしょうか。
しかし、私たちには希望があります。
崖下には、イエスさまがいるのです。
 
私たちはどんなに頑張って登っても、神様の所へは行けません。
なぜなら、神様は絶対的な聖さで、私たちは不完全だからです。
でも、そのような私たちのために、神の子イエスさまが来られたのです。
しかも、絶望の淵の底に来られたのです。
そして、イエスさまは十字架上で、いのちをかけて私たちを救ってくださいました。
私たちの心の貧しさを埋めて、神様の子としての特権を与えてくださったのです。
自分自身に絶望したとき、イエスさまによって新しい自分自身の価値を得るのです。
それは、神様の子としての自分です。
それは、天国のいのちです。
 
私はメッセージで、神様の愛をお伝えしてきました。
また、神様の素晴らしさ、光に象徴される聖さをお伝えしてきました。
それは、自分自身に絶望するためです。
自分自身の中に神様に誇れる善のかけらもないことに気がつくためです。
そのとき、イエスさまによって、本当の自由、本当の希望が得られるのです。
それが神様の支配。いま、ここにある天国です。
絶望しましょう、本当の希望を手に入れるために。
 
偽りの謙遜という誇りを捨てましょう。
あなたは、人間に絶望していいのです。
あなた自身に絶望していいのです。
そこに、イエスさまがおられます。
あなたの本当の希望、本当の自由はここにあります。
あなたの本当の価値も、ここにあります。
 
あなたのためにお祈りしています。



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