旧約・新約聖書の中には、さまざまな素晴らしい人達、ヒーロー・ヒロインが登場します。

そのほとんどの人には、共通点があります。

それは、「死んだ。」ということです。

死ぬのは当たり前のことのようですが、中には死ななかった人もいました。

エノク(創世5:24,ヘブル11:5)とエリヤ(�U列王2:11)です。

今週は、エノクをクローズアップしたいと思います。

 

はじめの人・アダムから数えて７代目がエノクです。

聖書６６巻中に、彼について記述はとても少ないです。

(外典・偽典にはたくさんあります)

彼を一言で表せば、次の聖句になります。

つまり、エノクは神様とともに歩んだ人、死ななかった人です。

 

ここで私たちは、一つのことを知っておく必要があります。

「エノクは神様とともに歩んだから、死ななかった。」のではないということです。

ノアもアブラハムもダビデも、神様とともに歩みましたが死にました。

イエスさまの福音を伝えるために生涯を捧げた、ペテロもパウロも１２弟子もみんな死んだのです。

 

ですから、ついつい私たちは、エノクに何かもっと特別なものを期待してしまいます。

死なないですむ秘訣みたいなものを、彼が持っていたのではないかと思ってしまうのです。

しかし、聖書からわかることは「エノクは神様とともに歩んだ。」これだけです。

エノクはノアのように箱舟も作らないし、アブラハムのように信仰を持って旅にも出ませんでした。

 

では、彼はなぜ死ななかったのでしょうか。

それは、「神様に選ばれて、死の力を超える神様の力をあらわすために死ななかった」のです。

 

「神様とともに歩む。」それは、神様を目の前に認めて生きることです。

御言葉を自分に語られた神様の言葉として認めて生きることです。

このような生活は、キリスト者や御言葉の旅-365の同行者なら、普段の日常の生活と言ってもいいものです。

ですから、エノクに起こったような出来事は、あなたにも起こりえるのです。

あなたは、神様とともに歩む人生を送っているのですから。

 

しかし、もちろん、あなたがそういう人生を選んだのではありません。

あなたは、神様に選ばれて、その人生を与えられたのです。

そして、あなたは神様をあらわす存在になるのです。

エノクは、死の力に打ち勝つ神様の力をあらわしました。

しかし、神様はそれだけの存在ではありません。

あなたの人生には、あなたでしかあらわせない神様の一面があるのです。

 

エノクにはエノクの、ノアにはノアの、あなたにはあなたの、大切な役割があります。

それぞれが、神様の違った一面をあらわすために選ばれたのです。

みんな違って、みんな正しいのです。

無限の神様の力を、私たち一人ひとり、それぞれがあらわすのです。

そのとき、神様の無限の力は、私たちに大いに注がれるのです。

そのことに気付くとき、私たちに、祝福あふれる人生が始まります。

 

さあ、神様とともに歩みましょう。

そして、あなたでなければならない神様の一面をあらわしましょう。

 

あなたのためにお祈りしています。

 

 

 

参考：

新約聖書ユダ14-15に、エノクについての記事がありますが、これは外典・エノク書1:9からの引用なので、今回は取り扱いませんでした。