70   希望の預言 (アドベント02 2006.12.09)
アドベント2006 02
『希望の預言』 ミカ 5:1-4
 
ミカは、紀元前700年代に活躍した預言者です。
小さな農村(モレシェテ)の出身で、同じように小さな農村で少年期を過ごした私にとっては、なんとなく親しみを覚える預言者であります。
 
ミカは、社会的にも政治的にも、また道徳的、宗教的にも堕落していたイスラエル民族に対して、神様の裁きを預言しました。
また、裁きの後の神様の赦しと回復についての預言もしました。
 
第5章1節は、エルサレムの崩壊・陥落の預言です。
神様の民・イスラエルの指導者が、異邦人の杖で頬を打たれるというのは、当時の人々には衝撃的な内容でした。
 
私はここで、なぜ、神様は裁きをしなくてはならないのか、ということについて考えてみました。
悪いことをしたから裁かれるという単純な図式では、理解ができないのです。
もしそうだったら、全人類はとっくの昔に、すべて裁かれて滅んでいるはずです。
私は裁きの理由をこう考えました。
「神様がいることを人が知って、神様に立ち返るため。」
だから、神様の裁きは裁きのまま終わらないのです。
必ず、回復への道が用意されているのです。
 
2節以下が、救い主の預言です。
この箇所は、イエスさまが生まれたのを知った東方の博士たちが、ヘロデ王のところに来たときに、救い主がどこで生まれるのかを示すために、祭司たちが引用した箇所です。(マタイ2章参照)
ベツレヘム、それは、エルサレムの南8キロの町です。
ダビデの生誕の地でしたが、ダビデ時代(紀元前1000年頃)から300年後のミカの時代には、「ユダの氏族の中で最も小さいもの」(2節)になっていました。
 
神様は時として、弱く小さきものを用いることがあります。
しかし、弱く小さくなければ用いられないと考える必要はありません。
「自分が己を低くし謙遜であるなら、神様は用いなければならない。」と考えるなら、神様を自分の思うようにコントロールしようとしていることになります。
言い方を代えれば、神様を奴隷化しているということです。
これでは、謙遜とはまったく反対の、とてつもない傲慢ということになります。
 
ベツレヘムが選ばれたのは、その小ささの故ではありません。
「昔から、永遠の昔からの定めである。」(2節)からです。
つまり、神様の一方的な選びなのです。
ベツレヘムが強大な民族であろうが、小さく弱いものであろうが、そんなことは関係ないのです。
神様は、ずっと昔から、ベツレヘムに救い主の誕生という役割を与えていたのです。
 
そして、私たちにも一人ひとりに与えられた大切な役割があります。
ある人は伝道でしょう。
ある人は家庭や仕事かもしれません。
内容はさまざまでしょう。
しかし、私たちに与えられた役割には、共通事項があります。
それは、「あなた自身の人生の主人公であること」です。
 
あなたの人生の主人公を、誰か別の人に譲ってはいけません。
「子どもがしっかりしてくれたら、私は幸せ」
「夫が(妻が)私を愛してくれたら、私は幸せ」
「誰々が何々してくれたら、・・・・」
これでは、自分自身が主人公とはいえません。
あなたの人生の主人公を誰か別の人に譲ることは、神様が望んでいることではないのです。
あなたの人生の主人公は、あなたでしかありえないのです。
 
ミカのこの預言は、約700年後にイエスさまが誕生して成就します。
一口に700年と言いますが、とてつもない期間の長さです。
今から700年前の日本は、鎌倉時代末期なのです。
 
なぜ、こんなに長い間、待たなくてはならなかったのでしょうか。
なぜ、10年後や100年後ではなく、700年後だったのでしょう。
イエスさま誕生の頃、人々の信仰が、特別に深かったわけではありません。
むしろ廃退していたと言っていいでしょう。
理由は、わかりません。
神様のタイミングとしか言いようがないのです。
 
救いの完成は人間の信仰にかかっているのではないのです。
それは、神様の約束と、神様の誠実と、神様の愛にかかっているのです。
不完全で、不十分な人間の側に条件があるのではなく、完全な神様の側に条件があるから、その救いの約束は必ず成就するのです。
 
神様の愛は、不完全な信仰、あるいは不信仰の中にあっても、人間を決して見捨てません。
その具体的な表れが、2700年前に預言され、2000年前に成就したイエス・キリストの誕生なのです。
 
2000年前に起きた、この愛の奇蹟を喜びましょう。
しかし、それは2000年前に終わった約束ではありません。
今、あなたの人生に起こる愛の奇蹟なのです。
あなたの人生の主人公として、あなたの人生に起きる神様の愛の奇蹟を喜びましょう。
 
あなたのためにお祈りしています。



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