6   この人は?! (話そう52 2008.01.26)
イエスさまと話そう52
『この人は?!』 マタイ 13:54-58
 
今日の聖書箇所は、イエスさまの育った町、ナザレでの安息日の出来事です。
(ちなみに、イエスさまが生まれた町はベツレヘム)
イエスさまは30歳までの期間を、このナザレで過ごし、その後、公生涯に入りました。
各地で神様の愛を説き、奇蹟を行なっていました。
ナザレの住民も、イエスさまの評判は聞いていました。
それで、安息日に会堂でイエスさまの話を聞くことになりました。
 
彼らにとってイエスさまは、よく知っている同郷の人・隣人でした。
さらに、イエスさまの会堂での話は、感嘆に値するものでした。
しかし、「知っている」と思ったことで、見逃し、理解できず、イエスさまを受け入れることができなかったのです。
過去の知識が彼らを縛ったのです。
「この人は大工の息子ではありませんか。
彼の母親はマリヤで、彼の兄弟は、ヤコブ、ヨセフ、シモン、ユダではありませんか。
妹たちもみな私たちといっしょにいるではありませんか。」(55-56節)
職業や家族を見て、知っているがゆえに拒絶してしまったのです。
 
せっかく知っているのに、本当にもったいないことです。
同じ箇所を記したマルコの福音書には、こう書かれています。
「イエスは彼らの不信仰に驚かれた。」(マルコ6:6)
イエスさまが驚くほどの不信仰だったのです。
そして、イエスさまは、ここでは奇蹟をしませんでした。
おこせなかったのです。
奇蹟を受け取る器がなかったからです。
 
ここに、先入観の怖さがあります。
人間の愚かさ、罪深さがあります。
そして、これは2000年前だけの話ではありません。
私たちは、昔の話だと笑っていられないのです。
 
サンパウロ・ゴスペルハウスは学習塾もやっているので、子どもを連れてくる親御さん(主に母親)と話す機会があります
彼女らの多くは、中学生のわが子を称して、異口同音に言います。
「うちの子は何もできない。まるで幼稚園以下。まだ幼い子どものようなもの。」
しかし、実際あって話してみると、そうでもないのです。
彼らは、けっこう大人なのです。
できないようにしていた方が有利だから、大人の前で振りをしている子どもさえいます。
 
母親は、子どものことなら、自分が一番知っていると思っています。
確かに、そのはずだったのです。
しかし、実際は知らないこともいっぱいあるのです。
「生まれたときから見てきた。」「一番長い間見てきた。」
それがかえって真実を見えなくすることも多いのです。
 
私たちは、生まれたときから親と一緒にいました。
しかし、人生の中で、もっと長く見てきた、付き合ってきた人がいます。
それは、自分自身、あなた自身です。
生まれてこの方、一時も離れたことはありません。
しかし、知っているようで、知らないことがいっぱいあるのも事実です。
過去や現在の状況によって、縛られているのです。
「私のお父さんが・・だったから」
「私の家は、代々貧乏だから」などなど。
家柄・両親・財産・学歴・地位・職業・・・・縛るものはたくさんあります。
 
神様から遣わされた救い主・イエスさまも、受け取る器がないときには奇蹟をしませんでした。
もし、ナザレの住民がイエスさまにかけた言葉(55-56節)を、あなたがあなた自身にかけるなら、あなたの人生に神様の愛の奇蹟はおこりません。
しかし、あなたが神様の大いなる御わざを受け入れるなら、それはあなたの人生の中で花開くのです。
 
あなたも神様から遣わされた人です。
イエスさまのように、全人類の罪のためのいけにえになるわけではありません。
使徒たちのように、福音を伝える使命があるわけではないかも知れません。
しかし、あなただけの「遣わされた人としての使命」があるのです。
あなたを通してあらわされる、神様の力あるわざがあるのです。
地味なもの・派手なもの・大きいもの・小さいもの、一人ひとりいろいろあるでしょう。
それは、どれも大切な神様の愛のわざなのです。
あなたの器をいっぱいに広げて、愛のわざで満たしていいのです。
 
過去や現在の状況に縛られたら、あなたの人生に与えられた宝物を見逃します。
自分が知っている自分にとらわれるのをやめましょう。
神様が知っている自分を手に入れましょう。
「神様、私は何者? どうして、こんなに愛してくれるの?」と聞いてみましょう。
神様は、必ず答えてくれます。
そして、愛の奇蹟は、あなたのものになるのです。



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